John Lennon、12枚組のボックスセット『Power to the People』の解説テキストが公開

John Lennon

ジョン・レノンは12枚組のボックスセット『パワー・トゥ・ザ・ピープル』が10月10日にリリースされることを受けて、解説テキストが公開されている。

ボックスセットにはザ・ビートルズ解散後にジョン・レノンがフルで行った唯一のライヴである「ワン・トゥ・ワン・コンサート」が収録され、政治色が前面に出た彼らの1972年発表『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』を再構築・リミックスした『ニューヨーク・シティ』も収録される。

そのほかにも、デモ音源、アウトテイク、宅録音源、スタジオでのジャム・セッション、各曲のエヴォリューション・ドキュメンタリー、追加のライヴ・パフォーマンスなど、90トラックの未発表音源を含む123トラックが収録される。

また、「ワン・トゥ・ワン・コンサート」のチケットが売り切れとなって、同日の昼に公演を行うことを発表するジョン・レノンとオノ・ヨーコの音声を使った新映像も公開されている。



解説テキストは以下の通り。

1972年8月30日、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ/プラスティック・オノ・バンドは、エレファンツ・メモリーの面々をバックに従え、特別ゲストとともにニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで歴史的な”ワン・トゥ・ワン・コンサート”を開催した。1日に2公演が行われたこのチャリティー・イベントは、合わせて約4万人の観客を動員。150万ドル(2025年現在の価値に換算すると約1,150万ドル)を超える収益は、知的障害や発達障害のある子どもたちの支援に活用された。また、これはザ・ビートルズ解散後にジョン・レノンがフルで行った唯一のライヴであり、ジョンとヨーコが同じステージで演奏した最後の2公演にもなった。

このコンサートから抜粋された素材は、ジョンとヨーコについて描いて高い評価を受けたドキュメンタリー映画『ワン・トゥ・ワン:ジョン&ヨーコ』(監督はケヴィン・マクドナルド、エグゼクティヴ・プロデューサーはショーン・オノ・レノン)にも使用されている。また、これらの2公演の模様を纏めたサイモン・ヒルトン監督/ベン・ウェインライト=ピアース編集の映像作品『パワー・トゥ・ザ・ピープル』も来年公開予定である。

これら2公演の音源は、5度のグラミー賞受賞歴を誇るショーン・オノ・レノンのチームによるプロデュースの下、ポール・ヒックスとサム・ガノンの手で一から全面的なリミックスを施され、今回新たに生まれ変わった。なお、高解像度でのマルチトラック音源のデジタル変換はロブ・スティーブンスが担当し、マスタリングはアビイ・ロード・スタジオのアレックス・ウォートンが手がけた。そしてそれらのライヴ音源は”アフタヌーン(昼公演)”と”イヴニング(夜公演)”でそれぞれ別々に楽しむことも、1つのライヴのように纏めた”ハイブリッド”で楽しむこともできる。また、このデラックス・ボックス・セットのブルーレイ・ディスクでは、それらすべてがHDステレオ、5.1ch HDサラウンド・サウンド、ドルビーアトモスの各ミックスで収録されている。

デラックス・エディションには、90トラックの未発表音源(トラックリストで†のマークがついているもの)を含む全121トラックを収録。このボックス・セットのすべてのトラックは、オリジナルのマルチトラック・テープから高解像度で新たにデジタル変換した音源を使用し、一から全面的なリミックスを施されている。

<デラックス・エディションのみに収録された追加トラック>
大きな期待を集める『ニューヨーク・シティ』は、政治性が前面に出た1972年のヒット作『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』の収録曲を新たに生まれ変わらせたもの。ジョンとヨーコがジム・ケルトナーやエレファンツ・メモリー(当時のニューヨークを代表する反体制ストリート・ロック・バンド)の面々とともに制作した同作は今回、一から全面的なリミックスを施された。そうすることで、以前のヴァージョンの問題点だった過剰なサウンド・メイクを一新。「ジョン・シンクレア」と「血まみれの日曜日」のエクステンデッド・ヴァージョンを含むそれらのトラックは、再編成され、新たな命を吹き込まれた”アルティメイト・ミックス”として完全に生まれ変わったのである。同じくデラックス・エディション収録の”エヴォリューション・ドキュメンタリー”は、アルバムの各収録曲の完成に至るまでの変遷を、選り抜きの未発表スタジオ音源を通じて辿っていくトラック。そして、豊かなサウンドを楽しめる新たな”エレメンツ・ミックス”は、マルチトラックからリミックスしたオーケストラの演奏を、より広がりのある音場に配置して際立たせたものだ。

”スタジオ・ジャム”と題されたディスクは、ジョンとヨーコが『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』の制作中、ジム・ケルトナーやエレファンツ・メモリーの面々とともにレコード・プラント・スタジオで録音していたトラックで構成。彼らはアルバム収録曲のレコーディングの合間を縫って、16曲の名ロックンロール・ナンバーを自由に演奏していたのだ。彼らがそのひとときを大いに楽しんでいたことが伝わってくるこれらのトラックは、いずれも未発表音源だ。

CD2枚に及ぶ”ライヴ・ジャム”は、1972年のLP『ライヴ・ジャム』の拡張版といえる内容で、こちらも全面的なリミックスを施されたライヴ音源で構成。1969年にライシアム劇場で行われたUNICEF主催のチャリティー・コンサート”ピース・アンド・ラヴ・フォー・クリスマス”(ジョージ・ハリスン、エリック・クラプトン、クラウス・フォアマンら、スターたちが多数出演)、1971年のフィルモア・イースト公演(フランク・ザッパ率いるマザーズと共演)のほか、クリスラー・アリーナで開催されたジョン・シンクレア・フリーダム・ラリー(2人はプラスティック・オノ・バンドを率い、デヴィッド・ピール&ロウアー・イースト・サイドと共演)、アッティカ刑務所暴動の犠牲者遺族を支援するアポロ・シアターでのチャリティー公演(バックはプラスティック・オノ・バンド)、そして”デヴィッド・フロスト・ショー”(バックはプラスティック・オノ・バンド)と”ジェリー・ルイス・筋ジストロフィー・テレソン”(バックはエレファンツ・メモリー)でのテレビ向けパフォーマンスが収められている。

ホーム・ジャム:1枚のディスクにアコースティック・デモや、カヴァー、宅録音源など、飾り気がなく温かみのある33トラックを収録。いずれも1971年にジョンが個人用に残していた1/4インチ・テープやカセットの秘蔵音源で、うち4つのトラックにはフィル・オクスが参加している。こちらも1 つのトラックを除き、すべて未発表音源だ。

『パワー・トゥ・ザ・ピープル』のデラックス・エディションは、9枚のCDと3枚のブルーレイ・オーディオで構成。それらは銀箔を使用したタイトル部分と、ジョンとヨーコの顔が重なり合ってダイナミックな3D効果を生むレンチキュラー・プリントのカヴァーが特徴的な10インチの特注スリップケースに収納される。また、パッケージのロゴとカヴァーのデザインはリズ・ハーシュが担当した。各ディスクはジョンとヨーコそれぞれの肖像をあしらった2つの見開き式スリーヴに収納され、それらのスリーヴは”POWER TO THE PEOPLE”のロゴがプリントされた頑丈な透明の筒形スリーヴケースに収められる。

ブック:全204ページのハードカヴァー・ブックのデザインと編集は、サイモン・ヒルトンが担当。新たな独占インタビューや詳細な調査により集められたジョンとヨーコら関係者の証言を通じて、収録楽曲を自伝的に完全解説する資料性抜群の内容だ。さらに未公開の写真、歌詞、イラスト、テープの箱や関連の品なども掲載される。

付属品:このほか、2枚のポストカード、2枚のステッカー・シート、新聞印刷風のポスター、VIP用封筒も付属。封筒の中には、本物のような質感と高い保存性を兼ね備えた素材で特別に製作されたコンサート・チケット(2枚)、VIPにしか発行されないバックステージ・パス(1枚)、アフターショー・パス(1枚)のレプリカが収められる。

クレジット
<コンサート出演ミュージシャン>
• ジョン&ヨーコ/プラスティック・オノ・バンド with エレファンツ・メモリー(スタン・ブロンスタイン、リチャード・フランク・ジュニア、ゲイリー・ヴァン・サイオック、アダム・イッポリート、ウェイン・”テックス”・ガブリエル、ジョン・ウォード)

• 特別ゲスト:ジム・ケルトナー、スティーヴィー・ワンダー&ワンダーラヴ、メラニー・ソフィカ=シュケリック、シャ・ナ・ナ、アレン・ギンズバーグ、ジェラルド・リベラ、フィル・スペクター、エディス・ヴォネガット、バーナード・カラベロ、ジェーン・ウルマー・ミッキー、ダリア・プライス、サンドラ・ファートン・ガブリエル、テリー・ブロンスタイン、サンディ・ヴァン・サイオック、マリリン・イッポリート/デヴィッド・ピールズ・ヒューマン・ヴォイス・クワイア/ティーンエイジ・ラスト&ザ・ラステッツ

• その他の特別ゲスト:デヴィッド・ピール、ラリー・アダムス、トニー・バートーリ、ハロルド・C・ブラック、ジミー・クリス、バリー・フィールズ、ジャマカ、ジョアナ・ヒメネス、ローリー・マロニー、ロレッタ・ヴァナコア、レスリー・ワイス、ローリー・ワイス、ビリー・ジョー・ホワイト、チャーリー・ウルフ、ジョン・ラ・ボスカなど多数

<その他トラックの演奏ミュージシャン>
• ジョン&ヨーコ/プラスティック・オノ・バンド with エレファンツ・メモリー/インヴィジブル・ストリングス、ジム・ケルトナー、ジョン・ラ・ボスカ

• ア・スター・スタデッド・キャスト・オブ・サウザンズ:ジョージ・ハリスン、エリック・クラプトン、クラウス・フォアマン、デラニー&ボニー・ブラムレット、ビリー・プレストン、ニッキー・ホプキンス、ボビー・キーズ&ジム・プライス、キース・ムーン、アラン・ホワイト、ジム・ゴードン

• フランク・ザッパ&ザ・マザーズ:マーク・ヴォルマン、ハワード・ケイラン、イアン・アンダーウッド、エインズレー・ダンバー、ジム・ポンス、ボブ・ハリス、ドン・プレストン/クラウス・フォアマン
• デヴィッド・ピール&ロウアー・イースト・サイド:トム・ドイル、ビリー・ミネリ、フランク・ランチ/トビー・マミス、レスリー・ベーコン、レノックス・ラファエル
• クリス・オズボーン、エディ・モトウ、ジェリー・ルービン/横尾忠則
• フィル・オクス

<2025ミックス>
• エグゼクティヴ・プロデューサー:ヨーコ・オノ・レノン
• プロデューサー&クリエイティヴ・ディレクター:ショーン・オノ・レノン
• コンピレーション・プロデューサー&プロダクション・マネージャー:サイモン・ヒルトン
• ミキシング&エンジニアリング:ポール・ヒックス&サム・ガノン
• オーディオ修復:サム・ガノン
• マスタリング:アレックス・ウォートン(アビイ・ロード・スタジオ)、サム・ガノン
• オーディオ変換:ロブ・スティーブンス&マシュー・コッカー(アビイ・ロード・スタジオ)
※192kHz/24bit及び96kHz/24bitのデジタル音源はすべて、2インチ/16トラックのオリジナル・アナログ・マルチトラック・マスター・テープ及び最高品質のオリジナル・ソースから制作

<アート・ディレクション>
• ショーン・オノ・レノン、サイモン・ヒルトン、リズ・ハーシュ
• ライナー・ノーツ:サイモン・ヒルトン
• エッセイ:ショーン・オノ・レノン
• 序文:ヨーコ・オノ・レノン
• カヴァー&ロゴ・デザイン:リズ・ハーシュ
• カヴァー・ポートレート:イアン・マクミラン Ⓒヨーコ・オノ・レノン

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