イギリス政府、文化事業への2000億円を超える包括的支援策を発表

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イギリス政府は「新型コロナウイルスの影響を乗り切るために」UKのアート・文化遺産事業に15億7000万ポンド(約2100億円)の包括的支援策を行うことを発表している。

この支援策は現地時間7月5日に発表されたもので、音楽の公演会場、独立系映画館、博物館、ギャラリー、劇場、遺産登録地に緊急の助成金や融資が提供される。

今回の金額はUKの文化事業に対して一度の支援としては最大のものとなっており、新型コロナウイルスのパンデミックから企業や組織、団体を救うために他の方策も続く予定で、そこには融資や事業税支払い免除、雇用継続助成金などが含まれている。プレス・リリースによれば、事業の継続を手助けするほか、「従業員やこの分野でのフリーランスの援助も行っていく」という。

「有名な劇場やミュージカルから世界クラスのギャラリーでの魅力的な展覧会、地元の地下室で行われるライヴまでUKの文化事業はこの国の脈打つ心臓です」とボリス・ジョンソン首相は語っている。「今回の支援金で未来の世代に向けてこの分野を守り、芸術団体やUK中の公演会場が事業を続け、ドアやカーテンが閉まっている間も自身のスタッフを支えることができるようになるはずです」

デジタル・文化・メディア・スポーツ大臣のオリヴァー・ダウデンは次のように述べている。「私たちのアートや文化事業はこの国のソウルです。そうしたものがこの国を素晴らしいものにし、世界に打ち勝つ急成長を遂げるクリエイティヴ産業の最も重要な要となっています。アートが直面している重大な挑戦であることを理解しておりますし、未来の世代に向けてできる限りのものを守り、残していかなければなりません」

「アートを裏切るようなことはしないと言ってきましたが、今回の巨額の資金提供が私たちの行動の大きさを示しています」

財務大臣のリシ・スナックはアート空間は「イギリスの文化において生命線」であり、今回の支援策によって「イギリスがよく知られている視覚と聴覚にまつわるものを提供し続ける」ことができると述べている。

イギリスの文化施設に対する支援金は11億5000万ポンドで、8億8000万ポンドの補助金と2億7000万ポンドの融資からなる。政府は融資返済の条件も「緩やかなものになる」と説明している。

イングランドの国民的文化施設やイングリッシュ・ヘリテージ・トラストが管理する文化遺産に1億ポンドが振り分けられ、新型コロナウイルスのパンデミックによって中断された文化的インフラや文化遺産の建設事業の再開に1億2000万ポンドが提供される。北アイルランドの文化施設には3300万ポンド、スコットランドには9700万ポンド、ウェールズには5900万ポンドがそれぞれ中央政府予算から提供される。

「各分野の専門家」が支援対象の選定を政府が決定するのを手助けする。「今後数週間のうちに」スキームが始まる際に詳細は発表される。

UKミュージックのCEO代行のトム・キールは支援策について「大きな一歩」であり、「多くの音楽会場にとって救いの手」となると述べている。

「UKミュージックはライヴ音楽を復活させるために業界に対する専門的な援助をずっと求めてきました」と述べている。「助成金や融資の対象は業界で必要としている人々の救済を最大化するためにも、できる限り広くしなければなりません」

「公的資金を受けたこれまでの記録がない人たちも不利にならないようにしなければなりません。イングランドのアート協議会と早急に話をしなければなりません」

先日、レディオヘッド、ザ・キュアー、ニック・ケイヴ、PJハーヴェイ、ジョニー・マー、ディジー・ラスカル、プライマル・スクリーム、ポール・マッカートニー、デュア・リパ、ザ・ローリング・ストーンズ、コールドプレイなど、1500を超えるアーティストが新型コロナウイルスのロックダウンによって音楽業界に対する「壊滅的な被害」を防ぐために早急な行動を求める「#LetTheMusicPlay」の公開書簡に署名していた。

一方、ミュージック・ヴェニュー・トラストは「年間52億ポンド(約7000億円)の音楽業界」を救うために5000万ポンド(約67億円)の資金注入を求める公開書簡に560のライヴ会場が署名していた。

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