ザ・ドアーズのジム・モリソンはロックスターとしてのキャリアのみならず、詩人や映像作家など多才な側面に焦点を当てたドキュメンタリーが制作されているという。
まだタイトルの発表されていない本作はジム・モリソンの遺産管理団体とザ・ドアーズとジャニス・ジョプリンの作品を管理するジャンポール・アーティスト・マネージメントによって制作が進められているものとなっている。独立系スタジオのガンパウダー&スカイとフォースコア・エンタテインメントのジェフ・ポラックがプロデューサーを務めている。
「ジム・モリソンは革のトラウザーを履いた狂乱のロックスターとして知られています。典型的な男性美のハンサムで、素晴らしいシンガーであり、シャーマンにして、パフォーマーでした。しかし、ジム・モリソンは博識家で、彼が音楽に取り組む前は詩人にして作家にして映像作家でした」とジェフ・ジャンポールは米『ビルボード』誌に語っている。
「数十年間にわたってジム・モリソンについては誰もがロックスターとして語ってきました。それはその通りです。しかし、今は冷静になって、知られていなかったり、語られてこなかったジムの他の側面についても話す時だと思います」
オリヴァー・ストーン監督が手掛けた1991年公開の伝記映画『ザ・ドアーズ』とは対照的にジム・モリソンを単独で取り上げたドキュメンタリーは初めてとなる。
本作はジム・モリソンの遺産管理団体の許可を得られたことで、映画製作陣は未発表の音源や詩、アートの幅広い素材にアクセスすることができるという。
「日記や手記を公開してくれたのですが、非常に興味をそそられるものでした。映像や著作、これまで公開されてこなかった情報があるのです」とガンパウダー&スカイのCEOであるヴァン・トフラーは語っている。
「これを世に出すには優れた映像作家が必要となります。それがちゃんとできれば、これまでのことは関係ありません。『スター誕生』の新バージョンのような感じです。新しい世代のものにしたいのです」
ドキュメンタリーは製作の初期段階にあり、まだ監督は決定していない。ジェフ・ジャンポールはジム・モリソンの「重要性、深み、引力を理解できる」人物を探していることを明かしている。
「歴史と文脈を理解できる、人間、アーティスト、アートに感情移入できる監督が必要です。これは非常に難しい問題ですが、そうした非常に難しいアーティストなのです」
映画の公開は2022年から2023年にかけて予定されている。
ジム・モリソンはその死から50周年を迎えたことを受けて、ファンがオンラインや実際の現場で追悼の意を表している。50周年を記念して多くのファンがパリのペール・ラシェーズ墓地を訪れて、聖地巡礼を行っている。