ミューズは5月9日にハマースミスのイヴェンティム・アポロで行った2公演の初日で貴重な楽曲を披露している。
3月に発表されたこの公演は初日の公演がウォー・チャイルドと国境なき医師団のウクライナ支援への資金を募るもので、2公演目はホームレスを支援する『ビッグ・イシュー』の30周年を記念したものとなっている。ミューズは先月も地元デヴォンのエクスターにあるキャバーン・クラブでライヴを行っている。
スタジアム公演におけるシアトリカルな演出ではなく、シンプルながらパワフルな照明を使ったライヴは来たる新作『ウィル・オブ・ザ・ピープル』からのリード・シングル“Wont Stand Down”で幕を開け、AC/DCの“Back In Black”のリフを盛り込んだ『アブソルーション』収録の“Hysteria”、『シミュレーション・セオリー』収録の“Pressure”、『オリジン・オブ・シンメトリー』収録の“Bliss”、『ドローンズ』収録の“Psycho”を披露している。
その後、マシュ・ベラミーが「死から蘇った、おかしたB面曲」と評したシングル“Knights Of Cydonia”のB面に収録された“Assassin (Grand Omega Bosses Edit)”を演奏して、「これはレア中のレア曲なんだ。知っている人がいたら、驚くね」と語っている。また、“Bliss”のB面に収録され、2002年の『ハラバルー・サウンドトラック』にも収録されたインストゥルメンタル曲“The Gallery”も演奏されている。
最新シングル“Compliance”に続いて、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの“Calm Like A Bomb”のリフを盛り込んだ“Stockholm Syndrome”が演奏され、その後に“Starlight”、“Plug In Baby”、“Supermassive Black Hole”が続いている。しかし、『オリジン・オブ・シンメトリー』収録の“Citizen Erased”、『ザ・レジスタンス』収録の“Uprising”で観客の最大の反応を引き出している。
“Citizen Erased”の演奏前にマシュー・ベラミーは次のように語っている。「みんなとすごく会いたかったんだ。こうやって汗のある場所に戻ってこられて嬉しいよ。この曲はみんなのために演奏するよ。みんな気に入ってくれることを分かっているからね」
アンコールでは『オリジン・オブ・シンメトリー』からの“Space Dementia”が演奏されて、マシュー・ベラミーはギターを投げており、ライヴの最後に演奏される定番曲“Knights Of Cydonia”が披露されている。
この日のセットリストは以下の通り。
Wont Stand Down
Interlude
Hysteria (with AC/DCs Back In Black riff outro)
Pressure
Bliss
Psycho
Assassin (Grand Omega Bosses Edit version)
The Gallery
Compliance
Stockholm Syndrome (with Rage Against The Machines Calm Like A Bomb riff outro)
Prelude
Starlight
Plug In Baby
Citizen Erased
Supermassive Black Hole
Uprising
Encore:
Space Dementia
Knights Of Cydonia
ミューズは新作『ウィル・オブ・ザ・ピープル』が8月26日にリリースされることが決定している。バンドは新作について次のように説明している。「パンデミック、ヨーロッパの新たな戦争、大規模な抗議活動や暴動、内乱未遂、欧米の民主主義の揺らぎ、権威主義の台頭、山火事や自然災害、そして世界秩序の不安定化。そういったこと全てが『ウィル・オブ・ザ・ピープル』の世界観を特徴づけている」
「今は西側の王国にいる僕たち全員にとって不安で恐ろしい時代だ。そして僕たちを長い間育んできてくれた自然界は正真正銘の脅威にさらされている。このアルバムはそれらの恐怖や、次にやってくるものへの準備をパーソナルな形で切り抜けていく作品なんだ」
ミューズは今年のワイト島フェスティバルでヘッドライナーを務めることが決定している。
