グライムスはAIを巡る議論の輪に加わり、AIを使って自身の声を再現して新曲を作ることを認めている。
35歳のグライムスは新曲を作るのにAIのプラットフォームを使うことについての見解をツイートして、「機械との融合はクールなこと」だとしてAIの使用を全面的に受け入れる考えだと述べている。
グライムスは音楽を作る手段としてAIを使って彼女の声を再現してもらえるのは嬉しいとも述べている。しかし、グライムスはそうした曲からのロイヤリティの半分を渡すことを要求している。
「私の声を使ったAIで生成された曲が成功した場合、50%のロイヤリティを分け合えたいと思っています。これは私がコラボレーションするアーティストとの契約と同じものです」とグライムスはツイートしている。「罰則なしに私の声を自由に使って下さい。私にはレーベルや法律面での拘束はありません」
グライムスは次のように続けている。「機械との融合はクールなことだと思います。あらゆるアートをオープンソースにして、著作権をなくすという考え方も気に入っています。私の声をシミュレーションできるプログラムを作っていますが、みなさんに練習してもらうためにサンプルやステム・データをアップロードするかもしれません」
I think it's cool to be fused w a machine and I like the idea of open sourcing all art and killing copyright
— 𝔊𝔯𝔦𝔪𝔢𝔰 (@Grimezsz) April 24, 2023
We're making a program that should simulate my voice well but we could also upload stems and samples for ppl to train their own
— 𝔊𝔯𝔦𝔪𝔢𝔰 (@Grimezsz) April 24, 2023
ドレイクとザ・ウィークエンドのヴォーカルをAIで生成した楽曲“Heart On My Sleeve”が話題になったことによってAIによるヴォーカルの再現については議論を呼んでいる。
TikTokに投稿された“Heart On My Sleeve”は大きく拡散されたヒットとなっており、TikTokでは1300万回の再生回数に達し、YouTubeでも10万回以上再生されている。しかし、この曲は「契約違反にして著作権法違反」であり、「アーティストへの当然の対価を否定すること」だとしてユニバーサル・ミュージック・グループによって削除されている。
「音楽のエコシステムにおける当事者が歴史のどちら側に立ちたいのかという疑問を投げかけています」とユニバーサル・ミュージック・グループは声明で述べている。「アーティスト、ファン、人間の創作的表現の側か、ディープ・フェイク、詐欺、アーティストへの当然の対価を否定することの側かです」
AIでヴォーカルを再現した音源については、リアム・ギャラガーはAIを使って作られたオアシスを想定した音源について言及して賛辞を寄せている。
『AISIS』と名付けられた8曲が収録されたアルバムはインディ・バンドのブリーザーによって制作されたオリジナル曲で、彼らが作ったトラックにAIによるリアム・ギャラガーの声を乗せたものとなっている。
ファンから「『AISIS』のアルバムは聴きましたか?」と尋ねられると、リアム・ギャラガーは部分的にしか聴いていないけど、感銘を受けたと応じている。
「アルバムは聴いてないけど、曲は聴いたよ」と彼はツイートしている。「他のくだらない奴らよりはいいよな」
一方、グライムスは今月イビザで開催されるインターナショナル・ミュージック・サミットにおいてAIに関する閉会基調講演を行うことが決定している。