U2はラスベガスにオープンするマディソン・スクウェア・ガーデン・スフィアで行う『アクトン・ベイビー』を全曲演奏する公演の日程を発表している。
U2はこの公演を2月に行われたスーパーボウルに際して発表しており、その後、公演が曲順はアルバム通りではないものの『アクトン・ベイビー』の全曲を演奏するものになることを発表している。ニューヨークにあるマディソン・スクウェア・ガーデンの運営母体が手掛けるラスベガスのスフィアは17500人収容で、U2の公演がこけら落としになる。U2のライヴは2019年以来となる。
今回発表された公演の日程は9月29日・30日、10月5日・7日・8日の5日間となっている。
U2は公演の発表に際して次のように述べている。「実際のところ、U2は2019年12月からライヴを行っておらず、ステージに戻って、みんなの顔を見なければならなかった。そして、僕らのために砂漠の中にユニークなステージを建設してくれたんだ。僕らは真っ当なバンドであり、『アクトン・ベイビー』は真っ当なアルバムで、スフィアは音楽体験を次の次元に引き上げる真っ当な会場なんだ」
「これはU2がサテライト・ステージやビデオ・インスタレーションで試みてきたことで、最も印象的なのは30年前に東京で終わったZOO TVツアーだろう。スフィアはただの会場ではなく、ギャラリーであり、U2の音楽が壁一面に展示されるんだ」
ジ・エッジは次のように続けている。「スフィアの魅力は、音質を優先して設計された構造に統合された世界最先端のオーディオ・システムといった唯一無二の画期的なテクノロジーだけではありません。現実的/空想的な景観における没入型体験の可能性もあるのです」
「つまり比類なきスケールと解像度を持つキャンバスであり、一世一代の機会となります。それを考えた上で、この誘いを受け入れないのはあり得ないと思ったのです」
チケットの購入のためには高い需要が見込まれるため、チケットマスターのファン登録が必要となる。
アップル・ミュージックのゼイン・ロウの番組に出演したボノとジ・エッジはスフィアの何が特別なのかについて語っている。「自分たちの台詞じゃないけれど、U2にある考え方というのは常に最低の場所を最高の場所にするというものがあるんだ。全体のダイナミクスを変えることなんだ」とボノは語っている。
「音楽を演奏するのは劇場よりもスポーツ会場のほうが多いよね。スタジアムだったり、アリーナだったり、スポーツのために造られた会場で、音楽のためには造られていない。アートのためにも造られていない。だから、今回の会場というのは映画やパフォーマンスにおける没入型体験のために造られているんだ。ここではアイスホッケーの試合は観ることができなくて、そのためにも造られていないんだよ」
「当初から音質を優先して設計されることになった。これまででも最高のサウンドを聴けると思う。すごく楽しみだよ」とジ・エッジは続けている。
「スピーカーはないんだ。建物全体がスピーカーなんだよ。どの席でも完璧なサウンドを聴けるように考えられているんだ」