フィービー・ブリジャーズはグラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーの前会長であるニール・ポートナウについて「小便の中で朽ち果てればいい」と発言している。
フィービー・ブリジャーズは現地時間2月4日に開催されたグラミー賞授賞式で4つのグラミー賞を受賞している。そのうち3つはボーイジーニアスによるもので、1つはシザとのコラボレーションによる“Ghost In The Machine”のソロ名義となっている。
受賞後、バックステージでボーイジーニアスの面々は報道陣の質問に答えており、ロックの現状と女性の地位について訊かれたフィービー・ブリジャーズは次のように語っている。「女性については言いたいことがある。レコーディング・アカデミーの前会長であるニール・ポートナウは女性がグラミー賞にノミネートされて受賞するには進歩しなければならないと言っていたけど、彼は性暴力も告発されている。彼に言いたいのは、まだ死んでないことは知っているけど、その時は小便の中で朽ち果てればいいということね」
ニール・ポートナウは2018年のグラミー賞授賞式後に女性アーティストは「進歩しなければならない」と発言したことで多くの批判を受けることになっている。同年、899に及ぶグラミー賞のノミネートの内、女性の割合は9%にとどまっていた。
— boygenius source (@boygeniussource) February 5, 2024
当時、ニール・ポートナウは次のように語っている。「自身の中にクリエイティヴィティを抱えている女性、ミュージシャンやエンジニア、プロデューサーになりたい女性、そして重役として音楽業界に参加したいと思っている女性と共に始める必要があります……(彼女たちは)進歩しなければいけないのです。なぜなら、彼女たちは受け入れられることになると思うからです」
ニール・ポートナウは後に発言を撤回して、「自身の言葉以上の意味があることに気づいた」と述べている。ニール・ポートナウは2019年7月に契約を満了してレコーディング・アカデミーの会長を退いている。彼は2002年から会長を務めていた。
この発言については2019年にデュア・リパが最優秀新人賞の受賞スピーチでも言及したが、それは意図的なものではなかったと説明している。デュア・リパは受賞スピーチで次のように語っている。「最初に伝えたいのは、今年、本当に素晴らしいたくさんの女性アーティストの方々と共にノミネートされたことをとても光栄に思っているということです。私たちは今年、本当に進歩したと思います」
デュア・リパは『エル』誌のインタヴューで受賞スピーチについて次のように説明している。「前もって用意していたわけではないの。口から出てきたっていうだけよ。けど、正しいことを言ったと思ってる。確かに敬意を欠いた発言ではあったにせよ、彼も自分の発言について話しているし、自分がしたことを分かっているわけだしね」
昨年、ニール・ポートナウは匿名のミュージシャンからレイプについての訴訟を起こされている。『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、訴訟は2018年にニューヨークのホテルでミュージシャンがレイプされたという内容だという。