CANのダモ鈴木、訃報を受けて音楽界からは追悼の声が寄せられることに

ダモ鈴木

カンのヴォーカリストであるダモ鈴木が亡くなったことを受けて、音楽界からは追悼の声が寄せられている。

ダモ鈴木は2014年に大腸ガンと診断されており、当時生き残る可能性は10%と言われていた。長い闘病の末にダモ鈴木は亡くなっている。享年74歳だった。

「大きな悲しみと共に私たちの素晴らしい友人であるダモ鈴木が2024年2月9日に亡くなったことを発表します」とカンはインスタグラムで訃報を発表している。

「彼の無限のクリエイティヴなエネルギーはカンだけでなく、全大陸にまたがるネットワークのツアーでも世界中の多くの人々に感動を与えました。ダモ鈴木のやさしい魂とイタズラっぽい笑顔は永遠に惜しまれることになるでしょう」

カンはダモ鈴木について次のように続けている。「彼はミヒャエル・カローリ、ヤキ・リーベツァイト、ホルガー・シューカイに加わってファンタスティックなジャムをすることでしょう。家族と子どもたちに多くの愛を。後日、葬儀の段取りをお知らせします」

ダモ鈴木の2022年公開のドキュメンタリー『Energy』のソーシャル・メディアは「多くの人に惜しまれる命でした」と述べている。「言葉を失っています。ダモ鈴木よ、永遠に。御家族と愛する人々に強さと愛を送り、お悔やみを申し上げます」

1950年1月16日に生まれたダモ鈴木は10代をヨーロッパでバスキングしながら過ごして、自身の実験的なヴォーカル・スタイルを確立している。ミュンヘンのカフェの外で演奏していたところをホルガー・シューカイとヤキ・リーベツァイトが見つけて、彼はカンに加わることになっている。その夜、彼はバンドと共演して、即興でパフォーマンスを披露している。

彼のジャンルを変えるような劇的なアプローチによりダモ鈴木の在籍時はカンのクリエイティヴ的なピークとして知られており、特に1971年発表の『タゴ・マゴ』は史上最高のアルバムの一つと見なされている。1973年に『フューチャー・デイズ』 をレコーディングした後、彼はバンドを脱退して、結婚して、エホバの証人に入信している。

1983年にダモ鈴木は音楽に復帰して、ダモ鈴木ネットワークでレコーディングやツアーを行っている。

即興的なスタイルで知られたダモ鈴木は近年まで音楽活動を行い、モグワイやBO NINGEN、ブラック・ミディらとコラボレーションを行っている。

モグワイのスチュアート・ブレイスウェイトはインスタグラムで次のように追悼の意を表している。「安らかに、ダモ鈴木。史上最高のロックンロール・シンガーの一人だった。バリー・バーンズと僕で彼と一緒にやった時は人生でも最高の体験の一つだった」

BO NINGENは「数えきれない思い出」に感謝しつつ、「僕らを導いてくれて、ありがとう」と述べている。

ザ・スマイル、サンズ・オブ・ケメットのトム・スキナーはダモ鈴木との共演は「忘れられない体験」だったとして「途轍もない人間」だったと評している。

ザ・シャーラタンズのティム・バージェスは日本語で「ありがとう、そして別れ Damo Suzuki さん」と述べている。アメリカン・フットボールは「安らかに、ダモ鈴木。カンとの彼の音楽は自分たちに大きな影響を与え、ディフェンダーの友人たちが彼のバックを務めた、2003年シカゴのファイアーサイド・ボウルでのライヴはいまだにこれまで観た中でも最高のライヴの一つだった」と述べている。

ポーティスヘッド、ビークのジェフ・バロウは「真のクリエイティブな天才」で「間違いなく自分に最大の影響を与えたバンドだった」と評している。「ブラーやレディオヘッドなど他の多くのバンドが彼らの影響を受けているのは簡単に聴き取れるだろう」とジェフ・バロウは続けている。「ダモ鈴木のヴォーカルは他にないもので、彼のメロディーと歌詞はブルースと伝統的なフォーク、そして純粋なノイズとリズムのエネルギーの間のどこかから生まれたものだった」

「間違いなく既に亡くなった他のメンバーと同様に惜しまれることになるだろうが、音楽的に非常に多くの人々に影響を与えたという点で大きな遺産を残すことになった」

ダモ鈴木はザ・フォールが1985年に発表したアルバム『ディス・ネイションズ・セイヴィング・グレイス』に“I Am Damo Suzuki”という曲が収録されたことでさらに名声を獲得しており、2000年代のガレージ・バンドであるザ・ムーニー・スズキはカンのヴォーカリストであるマルコム・ムーニーとダモ鈴木からその名前が取られている。

カンはダモ鈴木がヴォーカルを務めていたライヴ・シリーズの第4弾となるアルバム『ライヴ・イン・パリ 1973』が2月23日にリリースされることが決定している。

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