ブルース・スプリングスティーンは未発表曲“Blind Spot”の音源が公開されている。
“Blind Spot”は完全未発表フル・アルバム7作を収録したボックスセット『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』に収録される。6月27日に発売となる『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』には全83曲(82曲の未発表トラック+アルバム未収録ヴァージョン1曲)が収められ、「キャリアの年表に豊かな章を書き入れ、今まで知られていなかった側面や、ジャンルを超えた多才ぶりも魅せつける」ものになるという。
“Blind Spot”の音源はこちらから。
“Blind Spot”は7枚のうち『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』のオープニングを飾る楽曲で、人間関係における疑念と裏切りをテーマにしているという。
ブルース・スプリングスティーンは次のように説明している。「それが狙いを定めたテーマだった。理由はよくわからない。パティと僕はカリフォルニアで素晴らしい時間を過ごしていた。でも、気に入った1曲に狙いを定めてしまうと、その筋道を辿ってしまうことがあるんだ。“Blind Spot”があったから、レコードの残りもずっとその筋道を追いかけたんだ」
アルバム『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』は完全に完成し、最終ミックスもされ、1995年春にリリースされる予定だったが、ブルース・スプリングスティーンがEストリート・バンドと7年ぶりに再結成することを決めたため、最終的にお蔵入りとなっている。
「そろそろバンドで何かやるか、ファンにバンドや僕のキャリアのその部分を思い出してもらう時期かもしれないと言ったんだ。それでそっちに進んだ。 でも『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』はずっと気に入っていて、ブロードウェイ・ショーの上演期間中に(単独リリースとして)出そうと思ったこともあったんだけどね……いつもしまっておくんだ。でも捨てたりはしないんだよ」
ブルース・スプリングスティーンは未発表だった7作について次のように語っている。「『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』はそれぞれがフル・アルバムだ。中にはミキシングの段階までいっていたのにリリースされなかったものもある。もう何年も自分で聴いてきて、親しい友だちだけに聴かせていた音楽なんだ。ようやくみんなにも聴いてもらう機会ができて喜んでいる。楽しんでくれることを願っているよ」
7枚の内容は、『ネブラスカ』と『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を繋ぐ重要なリンクとしてローファイ・サウンドを探求した『LAガレージ・セッションズ’83』、グラミー賞、アカデミー賞を受賞、ドラム・ループやシンセサイザーのサウンドに挑戦した『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』、未完の映画のサウンドトラック作品『フェイスレス』、ペダル・スティールを擁する小編成のカントリー・バンド編成の『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』、国境の物語を豊かに織りなす『イニョー』、オーケストラ主導の20世紀半ばのフィルム・ノワールを彷彿させる『トワイライト・アワーズ』、アリーナにおあつらえ向きなEストリート・テイスト満載の『パーフェクト・ワールド』となっている。
また、未発表ボックス・セットから選りすぐりの20曲を収録したハイライト盤『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』も1CD(日本盤は高品質BSCD2)、2LP(輸入盤のみ)で同じく6月27日に発売となる。
『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は、プロデューサーのジョン・ランダウ監修のもと、プロデューサーのロン・アニエッロとエンジニアのロブ・レブレーと共に、スプリングスティーンがニュージャージー州のスリル・ヒル・レコーディング(自宅スタジオ)にて編集されている。