エミネムはラジオの特別番組でトゥパックとノトーリアス・B.I.G.によるビーフがいかにヒップホップにおけるディス・トラックの歴史を変えることになったかについて語っている。
エミネムは衛星ラジオ局「シリウスXM」の自身のチャンネルである「シェイド45」で「12デイズ・オブ・ディスマス」と題された番組を放送して、自身のマネージャーであるポール・ローゼンバーグやDJフー・キッドと共にお気に入りのディス・トラックを12曲挙げている。
エミネムはその筆頭としてトゥパックの“Hit ‘Em Up”を挙げ、同曲がその後のヒップホップに与えた影響について語っている。「俺はこの曲で初めて、誰かが個人に対して攻撃しているのを聴いたと思うんだ」と彼は語っている。「この曲ではほとんど、曲の大部分でジャブが打たれているような感じだからね。けど、それをすごく器用にやっていてさ、曲自体も最高なわけでね」
「新たなビーフが生まれることになったんだ。トゥパックとビギーのビーフには、つらいものがあったよ。俺は二人とも好きだったから、この奇妙な応酬の間に挟まれているような気分だったね。トゥパックのディス曲に夢中になったと思ったら、ビギーも新曲を出して、もしかしたら彼もトゥパックをディスっているんじゃないかっていうさ」
エミネムは若い頃にトゥパックやノトーリアス・B.I.G.のファンだったことについてさらに言及して、次のように続けている。「あの時期は本当に難しかったね。トゥパックのほうが長く活躍していたから、俺はどちらかというと彼のファンで、彼の音楽ばっかり聴いていたんだけどさ」とエミネムは語っている。「そうしたら、ビギーが(1994年に)『レディ・トゥ・ダイ』をリリースして、それを聴いて『マジかよ、これはすごいな。最高だよ』 って思ったんだよね」
エミネムが選んだお気に入りのディス・トラック12曲は以下の通り。
Tupac – ‘Hit ‘Em Up’
YZ – ‘Diss Fe Liar’
Eazy-E – ‘Real Muthaphuckkin Gs’
Common – ‘The Bitch In Yoo’
Tim Dog – ‘Fuck Compton’
Dr Dre – ‘Dre Day’
Ice Cube – ‘No Vaseline’
N.W.A. – ‘Fuck The Police’
LL Cool J – ‘Jack The Ripper’
MC Lyte – ’10% Diss’
Roxanne Shanté – ‘Roxanne’s Revenge’
KRS-One – ‘The Bridge Is Over’
エミネムは最新アルバムの『カミカゼ』で多くの著名人を批判しており、その中でマシン・ガン・ケリーとのビーフを再燃させている。エミネムとマシン・ガン・ケリーはその後、お互いを批判する楽曲をリリースしており、エミネムはマシン・ガン・ケリーを批判した“Killshot”で多くの記録を打ち立てている。
一方、トゥパックが所属していたデス・ロウ・レコードの設立者であるシュグ・ナイトは先日、トゥパックが亡くなる数週間前に彼の死を偽装することについて話し合っていたと主張している。シュグ・ナイトによれば、彼と共にハワイのマウイ島を訪れていた時にトゥパックがこの話を持ち出してきたのだという。
今年10月、シュグ・ナイトの息子であるシュグ・J・ナイトは、現在は削除されているインスタグラムへの一連の投稿の中で、トゥパックは今も生きていてマレーシアで生活していると主張している。シュグ・J・ナイトは「トゥパックは生きている」という文字だけを最初に投稿して、続けて匿名の人物とのメッセージのやり取りを収めたスクリーンショットを投稿している。シュグ・J・ナイトはその中で、匿名の人物に対して「お前は喋りすぎた。ここまでにしておけよ」とメッセージを送っている。