ナタリー・ポートマンは1990年代末にモービーと交際していたという彼の回想録の内容を否定している。
モービーは新たに刊行した回想録『ゼン・イット・フェル・アパート(原題)』の中でナタリー・ポートマンと飲みに行き、ハーバード大学のキャンパス内でキスをしたことを振り返っている。ナタリー・ポートマンはそうした恋愛関係を否定しており、彼が自身とのエピソードを回想録のプロモーションに利用していることに「困惑している」と語っている。
「彼が私と知り合ってからの短い期間を、私と交際していたと思っていただなんて驚いたわ。私の記憶としては、かなり年上の男性が、高校を卒業したばかりの私に気味悪く近づいてきたという感じだったから」とナタリー・ポートマンは『ハーパーズ・バザー』誌によるインタヴューで語っている。
「彼は私が当時20歳だったと言っているけど、それは絶対に違うわ。私はまだ10代だった。18歳になったばかりだったの。彼自身や出版社は事実確認をしなかったみたいね。意図的だったんじゃないかとも思ってしまうわ。本を売るためにこの話を利用しているだなんて、すごく困惑している。これは事実じゃないわ。誤った事実や、でっち上げられているものがたくさんある。事実確認のために、彼か出版社が私に連絡をくれればよかったのに」
彼女は次のように続けている。「私は彼のファンで、高校を卒業したばかりの頃に彼の公演を訪れたの。終演後に会った時、彼からは『友達になろう』って言われたわ。彼はツアー中だったし、私も仕事で映画の撮影をしていたから、数回しか2人では会っていないわ。最終的に年上の男性が私に不適切な形で興味を持っているだけだということに気付くまでね」
モービーの記憶はナタリー・ポートマンのそれとは異なっていたようで、彼は『ゼン・イット・フェル・アパート』の中で次のように記している。「オースティンにある500人を収容できる会場で、450人のお客さんを相手にした公演を終えたんだ。きっと勘違いだとか、冗談だろって言われるだろうけど、バックステージの扉のほうへ向かうと、ナタリー・ポートマンがずっと僕のことを待っていてくれたんだ。彼女は黒い瞳で僕を見つめて、こう言ったんだ。『こんにちは』ってね」
「当時の僕は、カビや古いレンガの匂いがするアパートに住む、禿げた大酒飲みの男だった。ところがナタリー・ポートマンは美しい映画スターだ。そんなナタリー・ポートマンが僕の楽屋にいて、僕を誘惑してきたんだ」
モービーはその後、1999年のMTVビデオ・ミュージック・アウォーズでナタリー・ポートマンと会った時のことも回想している。「ショウの後で、僕のターンテーブルが置いてあったバルコニーにナタリーが来てくれた。身体に完璧にフィットしたベージュのドレスを着ていた彼女は、驚くほどにオードリー・ヘップバーンにそっくりだった。『僕のスーツはどうかな?』って、僕は緊張の笑みを浮かべながら彼女に尋ねたんだ」
「パパラッチたちは僕の名前を知っていた。それまでパパラッチになんて撮られたことがなかったのにだ。誰かに怒られる時以外で、自分の名前を大声で叫ばれることなんてなかった。そこに留まってフラッシュを浴びようとしていた僕の手をナタリーが取って、ホテルまで連れていってくれたんだ。僕はバーまで歩いて行って、ウォッカのソーダ割りを二杯頼んだんだ。僕らが1杯ずつ飲めるようにね。『あら、私は飲まないわ』と彼女は言って、部屋の中を見渡した。ところが、部屋もまた、僕らのことを観察していたんだ」
モービーはまた、1999年に当時ケンブリッジにあるハーバード大学に通っていたナタリー・ポートマンのもとを訪れていたとも綴っている。「ナタリーに会いにタクシーでケンブリッジまで行った。手を繋いでハーバードの周囲を歩いたり、樹齢数千年のオークの樹の下でキスをしたりしていたよ。夜になるとナタリーは僕を寮の部屋に案内してくれて、小さいベッドの中で隣り合わせになって2人で寝転がったんだ。彼女が寝た後で、僕は慎重に彼女の腕から出て、タクシーで自分のホテルまで帰ったんだ」
モービーは本書の中で他の知人とのエピソードについても綴っており、当時はリジー・グラントとして知られていたラナ・デル・レイとの交際についても綴っている。
「彼女は美しくて、賢くて、チャーミングな人だった。彼女と会うことは、僕自身の望みでもあったけど、当時のセラピストに言われたことでもあったんだ」とモービーは綴っている。
モービーはまた、本書の中でかつてニューヨークのパーティーでドナルド・トランプに自身の「ペニスを擦り付けた」ことも明かしている。