イギリスの音楽業界、Boris Johnsonに首相として音楽業界を支援するよう要請

ロビー団体の「UKミュージック」は新たに英国の首相となるボリス・ジョンソンに対し、首相として国内の音楽業界を支援してくれるよう求めている。

ボリス・ジョンソンは現地時間7月23日に行われた保守党党首選に勝利し、英国の次期首相になることが決定している。ボリス・ジョンソンは本日正式に首相に就任する予定で、離脱協定を繰り返し可決できずに5月に辞任することを発表したテリーザ・メイを引き継ぐことになる。

英国の経済に年間45億ポンド(約6000億円)の貢献をしているイギリスの音楽業界の集団的利益のために活動を行っている「UKミュージック」でCEOを務めるマイケル・ダガーは現地時間7月23日に行ったスピーチの中で、新たに首相になるボリス・ジョンソンに対してEUからの離脱が「崖っぷち」の状況にある中で音楽業界が直面している様々な困難に迅速に対処してくれるよう求めている。

マイケル・ダガーはブライトンで行ったスピーチの中で、草の根の音楽を守るための団体「ロンドン・ミュージック・ボード」の設立に繋がることとなった「ミュージック・ヴェニュー・タスクフォース」を設立するなどしたボリス・ジョンソンのロンドン市長時代の功績を称えた上で、新たな政権に対して学校における音楽教育の充実に力を入れてくれるよう訴えている。

「グーグルのような企業が音楽クリエイターたちに正当な報酬を支払うことなくそのコンテンツを利用して何十億ポンドも稼ぎ出しているような時代において、政府は音楽クリエイターたちのために立ち上がらなければなりません」とマイケル・ダガーは語り、今年4月にEUで成立した、ネット上の著作権の認可が降りていないコンテンツについてはそのテクノロジー企業が責任を負うとする新たな著作権指令に言及しながら次のように続けている。

「新たな著作権指令は(音源の権利者とテクノロジー企業が得る収入間の)バリューギャップを埋めるための重要な役割を担う可能性を秘めており、UKミュージックは依然としてその履行を望んでいます。しかしながら、移行期間を設けずにEUから『合意なく離脱』してしまったり、離脱協定を結ばないままに離脱してしまえば、著作権指令は履行されなくなってしまいます」

「こうした理由で、UKミュージックは合意なくEUから離脱した場合にも著作権指令を履行することができるよう、政府に対してそのための方法を早急に模索してくれるように求めます」

マイケル・ダガーはEUから離脱した後もミュージシャンたちによる組合への支援を続けていくとし、「ツアーが必要なアーティストやミュージシャンのニーズに応え、余分なコストを支払うことなく自由に移動できるよう、UKにいる多くのミュージシャンにとってヨーロッパ全土で演奏することが有益でないとする官僚制度」を撤廃できるよう取り組んでいくとしている。

「新たなイギリス政府に対して私が求めるのは以下のことです。10月末に『合意なく』EUから離脱するための準備を進めていることや、崖の端からでも喜んで飛び下りる可能性があることは承知していますが、どうかイギリスの音楽業界を放ったらかしにしないでほしいと思っています」

マイケル・ダガーは草の根のライヴ会場を保護するための支援についても言及して、固定資産税の減額を保証する制度を小規模な会場にも適用してほしいと呼びかけている。

「財務省の見解を引用すれば、これらの会場はパブやクラブと『本質的に異なる』という理由で、現時点では保証制度の適用外となっています。このような仕打ちは不適切だと思いますし、差別的で損害を与えるようなものだと思います。これらの会場の中には、固定資産税が800%増額したところもあります」

「『エージェント・オブ・チェンジ』等のおかげで、私たちはロンドンにおけるライヴハウスの閉鎖に歯止めをかけることができていましたが、『ミュージック・ヴェニューズ・トラスト』によれば、私たちはこの約10年の間に草の根のライヴ会場の約35%を失ってしまっています。こうした状況の見直しは、首相の未解決箱の中に入れておくべき問題です」

ボリス・ジョンソンが英国の次期首相になることが決定したことを受け、音楽業界の様々な著名人が反応を示しており、トム・ヨークやスロータイ、ザ・シャーラタンズのティム・バージェスらがソーシャル・メディアでこのニュースに言及している。

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