リンプ・ビズキットのフロントマンであるフレッド・ダーストは自身が監督を務めたジョン・トラヴォルタ主演作『ザ・ファナティック(原題)』の公開初日の興行成績が振るわなかったことが明らかになっている。
『ザ・ファナティック』は8月30日に全米52箇所の映画館で公開され、初日の興行収入は3153ドル(約33万円)となっている。先週末を通しての興行収入の合計は現時点で明らかになっていない。
「ハリウッド・レポーター」によれば、ジョン・トラボルタにとって出演した作品の興行成績が振るわなかったのはこれで4作連続になるという。
『ザ・ファナティック』はジョン・トラボルタ演じる主人公のムースがデヴォン・サワ演じるアクション俳優のハンター・ダンバーをストーキングするというスリラー映画で、ハンター・ダンバーに会う機会を逃すにつれてムースの行動がエスカレートしていくというものになっている。
公式のあらすじにはムースの「執着はストーキングからスターの人生を壊す野望へと形を変えていく」と記されている。
フレッド・ダーストは脚本にも参加しており、かつてファンからストーキングを受けた自身の実体験が基になっているという。
ジョン・トラボルタは昨年、フレッド・ダーストに称賛の言葉を送っており、彼との仕事について「これまででもお気に入りと言える体験だったかもしれない」とした上で、フレッド・ダーストについて「とても寛大」で「素晴らしいアーティスト」だと語っている。
「彼は僕に他の人たちには許してもらえなかったようなキャラクターを生み出させてくれたんだ」とジョン・トラボルタは続けている。「ものすごく野蛮なキャラクターを演じたんだけど、とても自由にやることができた気がしているよ」
ジョン・トラボルタはさらに次のように語っている。「彼はもう自分の想像の中で映画を編集しているだろうから、それをどう繋げるかイメージできているはずだよ」
映画評論家のレックス・リードは『オブザーヴァー』紙に『ザ・ファナティック』の否定的なレヴューを寄せており、本作について「安っぽくてありきたりな大惨事」と評している。
「フレッド・ダーストとデヴィッド・ベッカーマンによる間抜けな脚本を基に、低俗なフレッド本人が監督を務めた『ザ・ファナティック』は、クエンティン・タランティーノが手掛けた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のように、堕落したハリウッドの苦々しい記憶への感動的なトリビュートにするつもりだったのかもしれないが、記憶するに値するのはジョン・トラヴォルタによる大胆で見当違いな演技だけだ」とレックス・リードは評している。
『ザ・ファナティック』の日本での公開の有無については現時点で明らかになっていない。