終わってみれば、『Covers』収録予定曲の一部に加えて、 シンガー清春のこれまでの歩みを感じることのできる、 詩情豊かなセットリスト。「 カバーアルバムを出そうとしながらも、“いつもの感じ”ですよ」 と独特の言い回しでこの『Covers』 ホール公演の性質を観客に説いた清春。その名曲カバーの数々は、 どこか懐かしくもあり、新しくもある。 常に挑戦を恐れない清春の稀有な表現に触れて、 観客は心地よい余韻に浸っていた。
いまだリリース日を発表できる段階ではないカバーアルバム『 Covers』だが、約90%は完成していると清春は言う。 この待望の音源を一日も早く味わいたいものだが、 その音像をライヴという形でダイレクトに感じることができたのは 、またとない経験だった。すべてが清春の色に染まる、 劇的で幸福な空間がそこには広がっていた。