中田裕二<TOUR 19 “Sanctuary”>完遂! 今秋、トリオ編成&弾き語りツアー開催決定

8thアルバム『Sanctuary』を携えて5月16日からスタートした、バンド編成による全国ツアー「中田裕二 TOUR 19 “Sanctuary”」のセミファイナル公演が、横浜ランドマークホールで開催された。

「お待たせ、横浜!」という挨拶でスタートしたのは、アコースティック・ギターの軽快なカッティングとリズミカルな鍵盤がファンキーな「ランナー」だ。中田による歌うようなリラックスしたラップのノリと、このツアーを重ねてきたバンドのグルーヴとが会場の空気を瞬く間にほぐして、観客は自然と歓声をあげ、その音に体をあずけ躍る。この開放的で新鮮なはじまりから、続く「誰の所為」でさらにビートを加速させて、艶やかなシティポップ的な世界へとドライヴする。スリリングなスピードに観客の放つ熱も上がっていくのがわかる。「我がサンクチュアリへようこそお越しくださいました。このお洒落な街・横浜と、僕のお洒落な音楽が(笑)、マッチングするのが楽しみでございます」。中田はそうMCをすると、よりディープにアルバム『Sanctuary』の世界へと連れ立っていく。

「フラストレーション」「Deeper」、そして「月の憂い」という新旧織り交ぜた、美しくイマジネイティヴなミドル・チューンから、クラップが高鳴るモダンでゴージャスなダンス・チューン「ONLY I KNOW」や「テンション」へと、その歌心でバンド感を指揮し、あるいは軽やかにリズムに乗りながら中田は会場を一体化していった。今回のツアーのメンバーは、張替智広(Dr)、隅倉弘至(B)、sugarbeans(Key)、平泉光司(G)、カトウタロウ(G)という布陣。互いに笑顔をかわしながら、白熱したプレイでウネリのあるサウンドを生み出していくバンドの姿に、この「TOUR 19 “Sanctuary“」という旅の充実感が滲む。

ジャジーな戯れと骨太なロック感とが手をとって躍る「サンクチュアリ」や、哀愁のあるギターがジェントルなヴォーカルを縁取るワルツ「endless」から酔わせた後半は、徐々にグルーヴの密度と重厚なギター・アンサンブルで、観客の心を突き動かして歓声や叫びをあげさせる。「幻を突き止めて」、久々に歌うという「熱病」から「UNDO」へ、そして土煙を上げて地を駆っていく「レールのない列車」と、その興奮を加速度的にあげていく曲が並び、ライブはクライマックスへ。ラストに据えたのは、アルバム『Sanctuary』を締めくくる「終わらないこの旅を」。「この旅(ツアー)は終わるけれど、僕の音楽を追求する旅は果てしなく続いていきます。これからも永いお付き合いができたら」と語った中田は、静謐なピアノのイントロにすっと息を吸い、語りかけるようなトーンでグッド・メロディを歌い上げていった。耽美な歌謡的世界も覗かせながらも、ワクワクするような音楽的な好奇心、探究心や視点の鋭利さがあって、そして飾らぬ大人の戯れや色っぽさというものが、会場の心地よい空気、音を楽しむ空気を醸成していく。ナチュラルな中田裕二の魅力というものが満ち溢れたツアー。それが、アルバム『Sanctuary』の核となるものだ。自身を解放して、自由に音を追いかける躍動感や楽しさが、まっすぐに心を射抜くツアーとなった。

そして、9月からは、中田を含む3人編成、通称”trio saloon”(トリオ・サルーン)による3年半ぶりのツアーと、弾き語りツアー“中田裕二の謡うロマン街道”新規公演の開催が発表された。

“trio saloon”には、過去2回のツアーに参加したドラマー/パーカッショニストの朝倉真司に加え、近年数多くのアーティストの作品への参加で注目を集めるアレンジャー/キーボードプレイヤーのトオミヨウが初参加。トオミヨウは中田の近作『NOBODY KNOWS』(2018年)、『Sanctuary』(2019年)に続けて参加しているが、ライブでの共演は今回が初。先の作品群でも相性の良さは実証済みの2人なだけに、朝倉を加えた3人によるステージでの化学反応に大いに期待したいところ。

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