The Cheserasera

The Cheserasera 念願のWWWソールドアウト達成! ファンと喜びを分かち合ったツアーファイナルで、 11月に新宿ロフトでイベント開催発表

2019年7月13日、東京・渋谷 WWWにてThe Cheseraseraによる「2019 幻のワンマンツアー」のファイナル公演が開催された。

5月8日に発売した4枚目のフルアルバム『幻』の音楽を、6月8日の東京・下北沢Daisy Barを皮切りに全国に届けてきた彼ら。

その締め括りとなったこの日には、通常のツアーファイナル以上に強い思い入れがあった。会場となったWWWは、過去にメンバーの体調不良によるキャンセルなど、苦い思い出がある因縁の場所なのだ。

それ以来、彼らにとってWWW公演の成功は、超えるべき壁としていつも頭の片隅にあったに違いない。

そしてその思いはファンも同じで、この公演が発表されるとチケットは瞬く間に完売。当日は出入り口の扉の開閉もままならない程の超満員となったのだった。

The Cheserasera

いつものようにドリス・デイの「Que Sera, Sera」が流れる中メンバーが登場し、アルバムと同じくアップテンポな「ワンモアタイム」で開幕。

今までの悔しさと、目の前に広がる現実への喜びを全てぶつけるようなエネルギッシュな演奏に、思わず圧倒される。続く「最後の恋」も豪快に鳴らし、昂ぶる感情のまま西田裕作(ベース)が拳を突き上げると、それに応えるようにフロアからも次々と拳が上がった。

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「今日からまた始めよう」と宍戸翼(ヴォーカル&ギター)が告げて始めた「ファンファーレ」では、リズム隊の刻む軽快なビートに合わせて手拍子が始まる。

そして宍戸が〈皆好きにやればいい〉と歌ったところで観客たちが手を伸ばしたり歓声を上げたりと、思い思いのアクションでステージへ想いを届けている姿が印象的で、この日がバンドとファン双方の願いが叶って実現した場なのだと実感した。

The Cheserasera

美代一貴(ドラム)の息もつかせぬドラミングでテクニカルかつハイテンションに魅せた「ずっと浮かれてる」で始まったパートでは3ピースの限界に挑むような、激しい曲が並ぶ。

阿吽の呼吸で鳴らしては止め、を繰り返して緊張感たっぷりにスタートさせたソリッドなロックチューン「Random Killer」ではそれぞれの鳴らす音が、ものすごい熱量でぶつかり合う。

The Cheserasera

そして衝動的なギターと、蛇行するベースラインが絡み合うサウンドと、伸びやかなヴォーカルの対比が絶妙な「Night and Day」と多彩なアプローチで畳み掛ける。

気合ゆえの荒削りはあれども、激しさの中にそれぞれの曲の個性をしっかりと描き出す手腕は流石だ。

ライヴも中盤にさしかかったところでアルバムのタイトルであり、今作の核とも言える楽曲「幻」について宍戸が語り始めた。

作曲中から名曲になる手応えを感じていたこと、そして〈息が止まるまで続けよう 僕はあなたの味方 毎日は過ぎるまぼろし 悩むだけ 阿呆らしい〉というサビのフレーズには自身が音楽を続ける理由や、悩みながらも日々を送る人たちへの想いを込めたことを明かす。

The Cheserasera

「誰も褒めてくれないような毎日を今日は俺がひとつ、褒めてやろうと思って歌います」という言葉と共に、やわらかな歌声とジャジーなベースラインが基調のゆったりとした演奏が会場を包み込む。

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