ここでようやくMCが。
瑞葵がこのライブへの歓迎の挨拶と、予想の台風が結局来なかった安堵感が伝えられる。
その後、「大切なメンバー」と木下とUが呼び込まれ、「私にとって大切な始まりの歌をこの4人でやりたい」と「かえるの子」を。
どことなく感謝の気持ちのようにも響いた同曲。安堵感と帰着感、繋がっている感覚に場内が満ちていく。
最後の瑞葵のMCには人を惹きつけるものがあり、まさにこの日のライブを総括したかのような言葉が贈られた。
と、その前に秋の東名阪ワンマンツアー『覚醒』の決定の告知と、この日、集まってくれたことへの謝辞が。
それを経て、「歌は自分自身の人間性をさらけ出す行為でもあり、時々苦しかったり、悩んだりもするけど、みんなが落ち込んでいる時や日々のニュースに心がきしむ時に、自分たちの音楽が寄り添えられればと思う。
今日はなんだかUNIDOTSとみなさんが一対一で対話しているみたいな気持ちで凄く喜びを感じます」と告げ、続けて、「孵化、幼生、そして覚醒と、ちょっとずつやり方が見えてきて、やっとゆっくり眼が開いてきている実感があります。私たちの進化の過程に寄り添ってくれて本当にありがとう」と告げ、最後は「東京の精神」がとてつもない荘厳さと感動性を伴って会場全体へと広がっていった。
11月4日には渋谷CLUB QUATTRO、11月16日は愛知伏見JAMMIN’、11月17日は大阪梅田SHANGRI-LAと各地過去最大規模の東名阪のワンマンライブツアー『UNIDOTS Live Tour 2019 覚醒 – adolescence -』も発表した彼ら。
「幼生」とタイトルされた今回のツアーでは、まさに成体になる進化の過程や成長が存分に確認でき、次の変体へと想いを馳せさせ、その美しさを確信させるものがあった。彼らは間もなくしっかりとした成虫となり、多くの人にその美しく完璧な全貌を惜しみなく披露していくに違いない。
それがより確信され、確かなビジョンとして私の眼前に広がっていった。
文=池田スカオ和宏
UNIDOTS『Live Tour 2019 幼生 – larva -』
2019.7.27 渋谷 WWW
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