UNIDOTS 初の東名阪ワンマンツアーレポート!11月に秋の東名阪ツアー発表!

瑞葵(Vo)とコンノツグヒト(Ba)によるUNIDOTSが初のワンマンライブツアー『Live Tour 2019 「幼生-larva-」』を成功に収めた。
7月6日の名古屋 APOLLO BASE、7月7日の心斎橋 VARONを経て、7月27日に渋谷 WWWにて幕を閉じた同ツアー。そのファイナルの渋谷WWWは約4ヵ月前のワンマンと同会場でもあった。
しかしこの日の彼らは、その前回とほぼ同じ選曲ながら、曲順やプレイ、意志や演出、向き合い方や応変さを更に加味。結果、前回とはまた違った新しい感受や別の物語として終始繰り広げていったのも興味深い。

Koji Nishida (nirnor inc.)

ここで今一度、UNIDOTSを説明したい。瑞葵とコンノツグヒトによるこのユニットは2016年1月に始動。
以後、サポートメンバーを交えライブ中心の活動を行ってきた。
公式にはMVが2曲YouTubeにアップされてはいるが、これまで音源等のリリースは一切なし。にも関わらず、2017年夏には初の東名阪ツアーを敢行し、同年11月の初ワンマンはソールドアウト。
2018年には2マン企画ライブを春夏秋冬に行い全てをソールドアウトさせてきた。
また、上述の今春開催されたこの渋谷WWWでのワンマン『孵化』も大成功に収め、そこではまさに彼らの孵化を確認すると同時に、その後の美しい羽ばたきまでもを確信させた。

Koji Nishida (nirnor inc.)

瑞葵の神秘性を帯びた伸びやかで艶やかな歌声に加え、バンドサウンド+同期によるフレキシブルなサウンドも特徴的な彼ら。

エレクトロやトレンド、逆に80’s感覚やファンキーさ、歌謡性や哀愁、色気や感情移入たっぷりの歌も魅力的だ。ことそれはあえてリリースしていない音源も手伝い、確固たる概念が無いが故のライブでの刹那や尊さ、その場限りの贅沢な儚さの味わいへと結びつかせてもいる。

そして、この日は特にその辺りを如実に実感。

前回と同会場や曲種でありながらも、以前とはまた違った捉え方や感受、全体的に異なった物語を楽しむことが出来、これまで若干感じていた孤高性もいい意味で薄れ、逆に彼らがとても身近に感じ、より幻想的ながらも明るく映るものがあった。

Koji Nishida (nirnor inc.)

場内がゆっくりと暗転していく中、間を置き登場SEが流れ出す。

薄紫に浮かび上がったステージに、まずはコンノ、サポートギターの木下哲、サポートドラムのUが現れ、この日用のオープニング曲「fringe~幼生のテーマ~」を始める。明るく弾んだインストの中、瑞葵もステージへ。

まるで楽器のような歌声を場内いっぱいに広げていく。

続く「僕らの終着点」では疾走8ビートが現れライブを走り出させ、合わせて照明類もキラメキ度を上げていく。

また、「神様の言うとおり」ではミラーボールも回り出し、天空まで引き上げるが如くの歌声と共に幻想さを場内に寄与。対して「白昼夢」では、これまでの歌謡性に更なる幻想性の増加を感じた。

更に「渇き」からは楽曲に妖艶さが加わり始め、「サンデーブルー」では歌のみの出だしから、途中より加わったバンドサウンドが楽曲に生命力を付与していった。

中盤は躍動感のある曲やダンサブルな曲たちが次々と現れた。「memento」では、たゆたうようなギターとレアグルーヴのビート、しかしながらそれをクールに感じさせる彼ららしいレトリックが楽しめ、「狐の嫁入り」ではファンキーさが、「バスルーム・リフレクション」ではディスコティックさが、「sayosigure」では、ニューウェーヴィーさも味わえ、とりわけ「裏街道ハイウェイ」の際には、ダンサブルながらスピード感も有したサウンドと歌が会場をグイグイと惹き込んでいく様を見た。

ラスト2曲は切ないほどの不器用なラブソング類が会場に育まれていった。

「舗道に咲いた花」では、荘厳さとそこを抜けた凛とした覚悟と決意が歌われ、舗道にたくましく咲く花の雄姿を想像させ、本編最後は昇華させるように神秘性を帯びた「あなたは嘘つきだ」が精一杯の感情を交えて歌われ、どことなくの安堵感を伴いライヴを着地へと至らせた。

また、印象的であったのは、どこまでも高く長く伸びゆく同曲での瑞葵の歌声。

それらを場内いっぱいに響かせ終えると、まるで使命を終えたとばかりに袖に引っ込むも、バックの演奏は場内を惹き込むように、しばらくは荘厳さを保ちながら繰り広げられていった。

Koji Nishida (nirnor inc.)

アンコールではまずは二人だけで現れ、前回のワンマンの際に初披露された「睡眠」がそこからの進化を我々に掲示してくれた。<キスミー>の連呼も印象的な同曲。深海性のあるくぐもったシンセとビート、そしてトラップを交えたグリッチサウンドの上、コンノの躍動的なベースと瑞葵の歌がたゆたうように乗り歌の完成を見た。

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