THE YELLOW MONKEY、初のドームツアー2本目、4万人が熱狂した京セラドーム 「これからも自分たちが信じるロックンロールを」

「ここからはセンターステージコーナーです」と、中盤はサポートキーボードの鶴谷崇をメインステージに残し、メンバーだけでセンターステージへ移動。そこから客席を見渡した吉井は、約20年前に「大阪ドーム」と呼ばれていたこの会場に立ったときのことを振り返ると、「そのときの記憶が……僕は正直言って、薄いです。こんなにアットホームだとは思いませんでした」と、晴れやかな笑顔を見せた。ここからは360°を客席が囲み、まるでライブハウスのようにお客さんとの親密な距離感のなかでライブは進んだ。2000年頃、活動休止直前の混沌とした時期に作った曲と紹介された「カナリヤ」、再集結後、新たなバンドの代表曲に加わった「砂の塔」。一つひとつ、バンドの道のりを振り返るようなMCを挟みながら届けたセンターステージのラストは「JAM」だった。温かいハンドクラップがドームいっぱいに響き渡るなか、真っ赤な光が4人を包み込んだ美しい光景は、この日のハイライトのひとつだろう。

THE YELLOW MONKEY

photo by横山マサト

4人がセンターステージを降りると、イエローモンキーの最初のデモ音源に収録されていたという未発表曲「PENITENT」が流れ出し、過去の全ライブの日程と会場がスクリーンに映し出された。そして、チンドン屋さんと吹奏楽隊を迎えたスペシャルな編成で結成30周年を記念した楽曲でもある「DANDAN」を披露。歌詞のエピソードにあわせて、吉井とヒーセがアドリブでセリフを挟む遊び心でも会場を湧かせる。そこからはドームの熱狂を一気に沸点へと導いた「SPARK」、盛大なシンガロングを巻き起こした「バラ色の日々」や「太陽が燃えている」を一気に畳みかけて、怒涛のクライマックスへ。「このバンドは最後のひとりが死ぬまでやるんだよね?」と問いかける吉井に、3人が笑顔で頷いたり、「これからも自分たちが信じるロックンロールをやっていきたいと思います」と伝えるなど、この日は、これからもイエローモンキーを続けるという覚悟を感じるMCも印象的だった。最後に、先ほど披露した「カナリヤ」と同じく2000年頃の作った曲であり、「いつか明るい未来が待っているじゃないかと思って書いた曲です」と紹介したラストナンバーは「BRILLIANT WORLD」。暗闇から光を掴もうとするように、“最高な世界へ”と何度も歌い上げたその楽曲は、それぞれの時代ごとに、バンドが歌うべき言葉を紡ぎ、鳴らすべき音楽を届けて続けてきたイエローモンキーの道のりに無駄なことはなかったと、その30年間を高らかに誇る万感のフィナーレだった。

THE YELLOW MONKEY

photo by上山陽介

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