宍戸 翼(The cheserasera)インタビューvol.35

素の部分を高めるしかない

ーメンバー間が阿吽で出来る関係性になれたことによって、制作面でも良い作用がありましたか?

仮に3人が同じ場所にいなかったとしても、自分の中で会議が出来ちゃうっていうか(笑)。例えば「こうするとアイツは嫌がるからやめておこう」とか、曲を作るときに浮かびますよね。それは他のメンバーも、僕に対してそうしていると思います。

ー各楽曲によるとは思いますが、今回の「YES」に収めた曲の原曲と呼ばれるものは、全てこのタイミングで出されたんですか?

そうですね。「灰色の虹」だけは少し前にできていたんですが、結局は詞をこのタイミングで書き直したので。僕がワンコーラスの弾き語りを作っていって、3人で広げていくんですけど、ギターアレンジは僕がして、他のパートについても話し合いながら進めていきますね。

ー今回のキーワードとして”ポジティブであること”を前面に出せた理由に、もしかしたらきちんと自分たち自身を把握できたこともあるのではないでしょうか?

そうかも知れないです。「こうでなくてはないらない!」という、自ら作ってきた強迫観念みたいなものが精神的にもあって、自分たちの見せ方とかに追われてやってたのが前作までだったから。改めて、4〜5月で自分たちを考え直したときに、どうしたらもっと自由で在ることが出来るかは、素の部分を高めるしかないって気づきましたね。自分たちで楽曲や世界観、衣装、例えば「◯◯と言ったらチャラついて見える」とか(笑)、そういう細かいところまで考えて、プロデュースしていく必要がある。それに伴って、自由にライブが出来るし、ライブ・パフォーマンス自体を素の部分で出来なければ、いくら大きく見せたところでまた強迫観念に追われると思いましたね。

ーでは、楽曲について伺っていければと思いますが、リード曲でもある「賛美歌」については既にライブでも披露されていますが、曲順としてもすんなりこの位置に収まったと考えて良いのでしょうか?

リード曲なのはもちろんですけど、”この曲を中心にアルバムを聴いてもらいたい”という要素があって1曲目にしましたね。”明日には他人かもしれない”っていう部分は、僕たちバンドがどうなっていくかという想いもあったし、それはお客さんやスタッフさんとも同じことが言えて。最終的には恋人同士の歌ですけど、色んなことが重なった僕たちに、ポジティブなものが必要だと思っていたときに「賛美歌」っていう言葉が出てきたんです。

ーサビの”たけど僕は今も忘れない 胸をたぎらせた僕たちが語り明かした日々を”の倒置法がグッときますよね。先ほどの”明日には他人かもしれない”というネガティブな言葉たちを超える強さが備わっているというか。

ポジティブになることが1番苦手な人間なので(笑)、3人とも後ろめたいこととか、何かがないといけないんですよね。”そういうのもあるけど”っていう書き方にはなってしまうんですけど、ポジティブを目指す感じが入ってると思います。

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