T$UYO$HI ( The BONEZ / Pay money To my Pain / MUSIC SAVED MY LIFE ) インタビューvol.54

The BONEZ/Pay money To my Painのベーシスト、M.S.M.L. / MUSIC SAVED MY LIFEのデザイナー&ディレクター、そしてトラック制作までと幅広くその活動の場を広げるT$UYO$HI。
もしかしたら、人はマルチクリエイターとか、もっともらしい肩書きをつけるたがるかもしれない。しかし、私にはその活動全てが、ミュージシャン・T$UYO$HIとして写っている。
そう思えたことが確信となる、T$UYO$HIの思想や姿勢を、そしてThe BONEZの今とこれからについて、存分に語ってもらった。

ーこの風は止めない

—ここ最近のT$UYO$HIさんの活動を見ていると、The BONEZがあるのはもちろんなんですけど、より”T$UYO$HI”という個の匂いが強くなっている印象があって。
まあ、去年に関して言えばRIZEの20周年があったから、The BONEZの活動は基本的に夏までの予定だったんすよ。蓋を開けてみたら、結果的には思っていた以上にThe BONEZのライヴをやれたんだけど。
本来、RIZEがツアーしてる間は「何しようかな」って結構楽観的に考えてたんだけど、タイミングよくスクエア・エニックスのDISIDIAのレコーディングや『咲-Saki-』の映画音楽の話があったりして、その期間はそういう個人仕事があったんで、人との繋がりにありがとうっていう(笑)。

—(笑)。RIZEのことがあるから、動きが見えなくなる期間があってもおかしくないのかなと思っていたので、良い意味で裏切られたなと。
そういう意味では、止まっているとは見せたくなかったですね。去年はそのバランスでいうと、個人活動が占める割合が、たまたま増えたっていう。
一言で言えば充実してたって言えるんだけど、洋服(MSML)や映画音楽、バンド。蓋を開けてみたら昔からやりたかった好きなことに囲まれた一年でしたね。
もちろん、まだ結果が出ているわけじゃないけど、その足掛かりとなるような名刺作りが、去年はできたんじゃないかなと思ってます。

—確かに、矢継ぎ早にT$UYO$HIさんのインフォメーションが飛び交っていましたしね。
常に何かしてたし忙しくしてたかな。1番大変な『咲-Saki-』の楽曲制作が、ちょうどThe BONEZからRIZEヘのバトンタッチのタイミングだったのが、時間的には助かりました。
そういう意味では、アウトプットをし続けたって言えるのと、洋服(MSML)の方で言えば上から下まで全身どうぞっていうラインナップだったし。かなりいい感じのコレクションになってます。ちょうどデリバリー開始され始めたんで是非って感じです(笑)。

—The BONEZでも、そういった過程を去年は踏めた?
もちろん。例えばフェスとかでも、初めてメインのステージに立てたりとか。SiMのDEAD POP FESTIVALもそうだし10-FEETの京都大作戦もそうだし、やってきた結果がやっと花開いてきた感はあったかな。
これは嫁さんによく言われるんだけど”風を止めちゃいけない”って。自分が止まると思ってしまったら止まるから。だから「この風は止めない」ってトライしてます。
JESSEなんて、The BONEZやってRIZEをやって常にステージに立ってるわけでしょ。あいつがThe BONEZをやってないタイミングだからといって、俺はお休みじゃないからね。逆にやれること・やりたいことがやれる時間があるわけだから、そこで自分の経験値もあげる。それが去年はそういう結果に繋がったのかな。

—T$UYO$HIさんはアウトプットしまくりでしたからね(笑)。そんな中でも、実はThe BONEZに言葉で表す”止まっている”感をあまり感じなかったんですよ。
ああ、でも12月に水戸でやった「The BONEZ×SHADOWS”Defend Your Style 2017″」で1ヶ月振りくらいにメンバーに会ったしライブハウスに行ったんだけど、そのときに俺はものすごくシーンに置いてけぼりを喰らってる感じがしたんだよね。

—バンドではなくT$UYO$HIさん自身がですか?
なんか、ものすごいスピードで流れている今、毎日のように誰かのライヴがあるわけでしょ。1ヶ月だけかもしれないけど、SNSとか見てると毎日ひっきりなしに色んなバンドの情報があがってて、俺にはもうその1ヶ月だけで”過去の人、過去のバンド”になっているような感じがしたよ(笑)。

—世間でいう会社を1ヶ月お休みしてると「あれ?」っていう空気感と、似てるのかもしれないですね。それがT$UYO$HIさんの場合は、ライヴハウスというかステージなのかなと。
そう。もちろん、俺は俺で曲を作ったり個人のことをやっていて充実はあるんだけど、基本バンド仲間にも会わずにひとりで仕事をしてたからね。CrossfaithのKAZUKIなんて、俺よりもそういうみんなに会わない期間が長かったでしょ?きっと色んな感覚を味わったんだろうなぁと思ったよ。

ー”俺らは俺ら”って感じ

—たまたまT$UYO$HIさんがいる現場は、生々しくいうと肉体的な感じ方をする場所でもあるから、尚更かもしれないですよね。
確かに。それで言うとその1ヶ月振りの水戸のライヴでリハしてるSHADOWSを観て「こんなに音うるさかったっけ?」って思ったし(笑)。

—T$UYO$HIさんの制作だと、まぁ1人が多いですもんね(笑)。
1ヶ月振りのライヴまでほぼ家にいたもんね(笑)。なんか、隔離されてる感じ?だから年末に行った合宿は最高だったよ。初日に数時間メンバーと濃いミーティングしたりもしたんだけど、とにかくこの合宿はメンバーと一緒に時間を過ごすって事が一番。
言ってしまうと曲を作るって事よりも、来年に向けてのみんなのヴァイブス合わせがメインだと思ってたから。まぁでも、夕方くらいに楽器をセッティングして晩飯の時間まで40分くらいあったから、軽く音でも出すかってジャムったら「こう言うテンポのリフの曲があってもいいかなぁ」って思ってたテンポ感のリフをJESSEが弾き出したから、そのまま俺が考えてたリズムとリフを合体させて、「あ!ZAXこういうリズム叩いて」って言って、みんなで音出して晩飯までに一曲完成(笑)。

—流石、ヴァイヴスが擦り合わさったあと(笑)。
うん(笑)。まぁでもそれもあるけど、やっぱ下準備も大事で。会うタイミングのときまでに「こういうイメージの曲やりたいな。」とか、ほんの少しの作業かもしれないけど、俺だったら軽いデモを作っておいてイメージをみんなに伝えやすいようにするとかが大事で。料理も一緒でさ、一手間掛けるだけで違うでしょ。そういうのを面倒くさがらずに、誰かしらがやってくれるでしょって待ってるだけじゃダメ。
みんなでやっていることではあるけど自分のことでもあるからね。そう思うことは誰でもできるけど、それを行動までするかどうかで運命というか人生って変わってくると思うな。

—そこも踏まえてT$UYO$HIさんらしいというか。好きなこととか大事なものに手を抜かないところですよね。
好きな事以外はスーパー面倒くさがりだけどね(笑)。あとはね、同じくらい行動のスピード感も大事だと思ってて。新曲の「NICE TO MEET YOU」の話なんだけど、女性の声が俺の頭の中で鳴ってて。
コーラスを入れてみんなどう思うか聴かせる為に、プロのシンガーの人に何人か声かけてたんだけど、なかなかスケジュールが合わなくて。そしたらマクシムから「知り合いで歌やってる子いるんですけど」っていう話があって。でもスケジュール的にこの3日間くらいの間でやらないとって感じだったから、一応連絡してみようと。そしたらその子が「やります。明日行きます!」って即答で。
俺そういう行動力、スピード感のある人好きなんですよ。結果声の感じもイメージぴったりで、みんなもいいじゃん!ってなって、そのままその子に決定ですよ。
こういう行動力の早さって大事だと思うんですよね。言われたらすぐやるっていうか。

—それもちょっとした偶然が結果的に左右してる話ですよね。これまで何度もT$UYO$HIさんにインタビューしてる中で、良い意味で同じことを伺ってる気がするんです。それは裏を返すと、T$UYO$HIさんの思想とか姿勢が変わらないからなんじゃないかなと。
そうっすねぇ…。というか繕って、嘘とか誤魔化すのとか面倒くさいんすよ(笑)。

—ここまで痛快なところもT$UYO$HIさんらしいです(笑)。The BONEZの話になりましたけど、先ほど「シーンに置いてかれている」と感じた話がありました。T$UYO$HIさんはそういうシーンに対してどういう想いで見ているんですか?
うーん…正直、あんまどうでもいいかなぁ(笑)。なんて事を言うと誤解を招くかもだから説明するけど(笑)、自分達の事をしっかりやりましょうっていうかさ。今年の正月にアップしたBONEZの写真が表している通り、”俺らは俺ら”って感じなんだよね。もちろん、シーンがあってそこには属さないとか、他のバンドはまったくチェックしないとかではなくてね。
もう人は人というかさ。世の中の流れは早いしシーンがどうあったとしても、俺らは俺ららしくやっていくしかないし、それにどう言っても仕方ないよね。

—そうか、そんなことよりは今あるThe BONEZを吐き出したいことの方が強いってこと?
そう。で、趣味なんて人それぞれだからさ、もっと言うと気の合うヤツらの事をまず考えてれば良いんだよ。世の中みてるといるじゃん?揚げ足とったり、くだらないイチャモンつけてくる人。そういう人達に説明したりする労力や時間があるんだったら、自分たちの音楽や感覚を良いと思ってくれる人達との時間を大事にしたいんだよね。それで広がっていけばいいし、趣味や価値観が違う人達のところに「それは違うだろ!これだろー!」ってねじ伏せに行く気はあまりないかな。

—ロックバンドとして「世の中ひっくり返してやろうぜ!」みたいな思想ではないですよね。
かな。そもそも俺らは世の中をひっくり返すような新しい事も、別に何か特別なことをやってるわけでもないからさ。超カッコイイとは思ってるけど(笑)。

—それがThe BONEZのスタイルであって、良いと思ったらこの輪に入りなよっていう。
The BONEZはシンプルなんだよね。「あれ食べたくない?食べようぜ!」っていう感覚と近い感じ(笑)。そういう自然体でカッコ良かったらそれが最高で、わざわざカッコつけるのも怠いっていう(笑)。

—「世の中そんなに甘くないぞ」っていう輩もいそうですが、とてもシンプル過ぎるけれど、今までそうして輪を広げてきたThe BONEZだから、すごく説得力があります。
そういう人がいても「まぁ、そうだよね」っていう感じ。例えば日本で1番になるためにとか、チャートで1番になるためにっていう目標があったとしたら、それじゃ1番は無理っしょ。
世の中そんなに甘くないよって、誰よりも俺が思いますよ(笑)。ただ俺らはそれが目標じゃないからさ。

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