T$UYO$HI ( The BONEZ / Pay money To my Pain / MUSIC SAVED MY LIFE ) インタビューvol.54

ー「Sun forever」と「Remember」だけ

—それはもっと多くの人に聴いて欲しいとか、もっと多くの人にライヴに来て欲しいということと、似ているようで違うわけですよね。良い曲を作るとか良いライヴをするとかもそうなのかもしれないですね。
そうそう。それに似た話でさ、この前BUCK-TICKの今井さんと飲んでて「世の中には腐るほど曲があるのに、なぜ人は新しい曲を聴きたがるんすかね?」っていう話の内容で(笑)。例えばだけど、エアロスミスみたいに大御所になればなるほど初期の曲が盛り上がるし。じゃあなんで新しい曲を出すんだ?みたいな。

—あるあるの話ですけど、それを大御所の今井さんと話してることが面白い(笑)。
The BONEZで去年やった「SPRING OUT TOUR 2017」が正しくそうで、音源をリリースしないとツアーができないのは違うよねって。そんなことで消費されたくないっていうのもあったし、ライヴをやりたいからツアーをするだけでさ。もちろん、今作ってる新曲はすごく良いんだけど、ツアーをするために新曲を書かなきゃってのもなんか違うからさ。で、今井さんはやっぱ表現者だしクリエイターなんだなぁというか、曲を作るのがそもそも好きだし、LIVEで定番曲ではなく「新曲で1番盛り上げたい」って言ってて、わかる!!やっぱ今井さんはカッコイイなぁーと(笑)。
昔、好きな某USバンドの最新アルバムが凄く良くて、その新曲聴きたいからLIVE行ったのに定番曲ばかりで全然ニューアルバムの曲やらなくてさ。弱気なセットリスト組みやがってクソが!と思った(笑)。

—(笑)。そこまで行くと良し悪しとかの話ではないですし、バンドや個人のスタンスでしかないような気がしますし、セットリストの兼ね合いだってありますよね。
持ち時間にはすげぇ左右される。フェスとかで言えば仕方ない部分はあるんだけど、もう少し長い尺のライヴをやりたい。やっぱり初めましての人が多いから、新曲と定番曲の比率が難しい。俺らみたいな曲の振れ幅が広いとどの曲をやるかによって、イメージも変わっちゃうから持ち時間によっては、新しい曲をあまり入れられないジレンマみたいなものはあるよ。
そういった意味だと、去年の京都大作戦でDragon Ashが結構新曲を演ってて、しかも2曲目にPULSE [THE MAD CAPSULE MARKETS]をカバーしたりしてて、おぉー!カッコイイって思ったな。

—Dragon AshもそうだしBUCK-TICKなんかもっと活動歴が長いバンドですけど、双方とも新曲を投入する背景は似ているような気がしますね。
多分、新しい曲を作ったりすることが確実にモチベーションにはなってると思うし、表現することが好きなんだろうね。俺もそういう何かを産み出すのが好きなタイプではあるかもしれないんだけど、「どうしてもこの感情を音楽で吐き出さずにはいられない!」っていう感じで作った曲は「Sun forever」と「Remember」だけかな。人生でその二曲だけ。

—新しい曲を作りたいという欲求よりは、そのときのT$UYO$HIさんの気持ちを音楽で残しておきたかったんですかね。
そうですね。あの二曲に関しては。まぁ基本はただみんなとバンドを、何かをしてたいっていう欲だけなのかもしれない。だって、ぶっちゃけそれがそば屋でもいいのかもしれないからさ(笑)。
音を出してるときが楽しいのはもちろんだけど、あの3人と一緒にいること自体が楽しいっていう。そんな奴らに出会えるって本当に幸せなことだから。

—それは深いですね… Pay money To my Painが止まったからThe BONEZがあるわけで、昔のままだったらこの未来にはなっていないですもんね。
タイミングだよね。それこそ昔はRIZEメンバーとだとあっ君(金子ノブアキ)といる感じだったもんね、俺は。旅行も行ったりしたしさ。でも今はJESSEとの日々が自然というか、The BONEZメンバーの存在っていうのはメチャクチャでかい。今関わってくれてるスタッフももちろんだし、なんか日々笑ってばっかりなんだよね。

—学校みたいな感じ?
というか放課後?会社とかじゃないチームなんだよね。まぁ、会社に勤めたことないからよくわからないけど(笑)。で、The BONEZの場合は初期段階で決めたんだけど”カリカリ・タイム”ってのがあって。

—なんですかそれ(笑)。
誰かが思い詰めたりバーストして「もうやってらんねぇよ」ってなる前に、自ずから「ゴメン、俺ちょっとカリカリ・タイム!」って申告すると、「あ。そうなの?じゃあちょっと休みにするか」って、メンバー間を壊すならムリして活動すんのはやめようぜってシステムで、年に2回までOKなの(笑)。

—(笑)。それ、The BONEZはもう5年位経ちますけど、使用実績はあるんですか?
まだ誰もないよ(笑)。でもさぁちょうど、5年前の(インタビュー時1/10)明日がThe BONEZの初ワンマンライヴだったんだけど、時間の経過で驚いたのがKの事でさ。
嫁さんと会って10年経つんだけど、「Kが死んで5年て事は、うちら夫婦が一緒に過ごしてきた時間の中で半分はKがいないの?」っていうことが信じられなくて。まだ2年くらいに感じるというか…でも何が遅くて何が早いのかっていう時間の感じ方がわからないんだよね。

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