ムーンライダーズ

ムーンライダーズ、名盤「カメラ=万年筆」完全再現ライブを開催

ムーンライダーズが、8月25日(火)に東京・渋谷クラブクアトロで無観客ライブを開催し、公演の模様は動画配信サイトを通じて生配信された。この日は、彼らが1980年にリリースしたアルバム「カメラ=万年筆」の40周年を記念し、当時の発売日と同じ8月25日に開催。活動休止中だったムーンライダーズにとって4年ぶりの単独ライブ・パフォーマンスとなった。

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アルバム「カメラ=万年筆」は、「大人は判ってくれない(フランス・トリュフォー監督)」、「彼女について私が知っている二、三の事柄(ジャン=リュック・ゴダール監督)」といった実在のヨーロッパ映画のタイトルから取られたオリジナル作品が並ぶ架空の映画音楽集という設定で制作。
このコンセプトに当時、欧米で台頭していたパンク・ロック以降の新しい音楽ムーブメントであるニュー・ウェイブに真正面から対峙したアルバム。
ライブにはバンドと共同演出に、NHK『ムジカ・ピッコリーノ』や、GRAPHERS’GROUPを主宰する石原淳平(DIRECTIONS)を迎え、8台のカメラが40年前にリリースしたアルバム「カメラ=万年筆」の世界を2020年の視点で再現したステージを捉え、生配信された。

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普段は客席として使用される渋谷クラブクアトロのフロアに、互いに顔を見渡せるよう円状にメンバーが配置される。
19時30分になると各々の楽器が音を奏でインプロヴィゼーションがゆっくりと始まる。配信映像ではドレッシング・ルームを出てステージに向かう鈴木慶一をカメラが追う。
フロアの壁には「カメラ=万年筆」の世界観を元に当時撮影された「小さな兵隊」の映像が映し出される。
インプロヴィゼーションはやがて、同アルバムからのシングルB面に収められたインストゥルメンタル曲、「地下水道(KANAL DUB)」に変わり、ドラムのカウントが入ってオープニング曲「彼女について知っている二、三の事柄」へ。「カメラ=万年筆」ライブの幕が開けた。

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演奏の途中、フロア・ステージのセンターには2台のバケツが置かれ、鈴木博文が両手で水を掬ってチャプチャプと音を出す。各楽器が各々不協和音めいたノイズを発信し、やがて、そのノイズが映画「第三の男」の、お馴染みのメロディに変わる。
続いて、間髪入れず白井良明のギターリフがかき鳴らされ、3曲目の「無防備都市」に移行。画面の向こうのライダーズ・ファンなら既に気がついているだろう。そう、この日のパフォーマンスはアルバム「カメラ=万年筆」の収録曲順に演奏されているのだ。
まさに同アルバムの完全再現。前述のバケツ・パフォーマンスは、後半の「ロリータ・ヤ・ヤ」にも登場し、今度は鈴木慶一が担う。なんだか実験工房での光景のように見えるが、これは当時のレコーディングで実際に使われていたものをステージで再現。
楽器以外の音も貪欲に取り込む、今ならサンプリングで簡単に出来ることを敢えてアナログ・スタイルでアプローチしていた。ちなみにこのバケツ、故・かしぶち哲郎がステージで”演奏(?!)”用に購入したもので今回、それ以来2度目の使用となったこの実験工房スタイル、5曲目の「24時間の情事」でも登場。
後半の「エーヤーオー」コーラス・パートになると、鈴木慶一が電気掃除機を手に持って各々のメンバーの前に立ち、歌を吸い取っていくというパフォーマンス。なんとも不思議な光景だが、これも実際のレコーディングに使っていた電気掃除機の音をを再現。

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