ドライブインコンサート

車の中で音楽ライブを楽しむ、万博記念公園でドライブインコンサート オフィシャルレポート

8月21~23日の3日間、大阪・万博記念公園ドライブインシアターにて「Grand VIEWTY 2020 Drive in Concert」が開催された。出演は21日にWILYWNKA、SIRUP、22日にTempalay、Chara、23日はビッケブランカ、SKY-HIが登場。さらにDJ HASEBEが’80~’00年代のスペシャルセットを連日披露し、FM802からはDJ吉村昌広、飯室大悟、浅井博章が開場時のスペシャルラジオプログラムをオンエアするなど、ライブ以外の空間演出も展開。これまでにない新しいスタイルのライブに3日間で約600台、約1500人の観客が集まった。

ドライブインコンサート

 「コロナ時代」と言われる昨今、音楽ライブの形は様々な変化を遂げている。有料ライブ配信がスタンダードとなりつつあるなか、観客を入れての公演も少しずつ増えてはいるものの、元のように戻るのはまだまだ難しいのが現状。そこで、「Grand VIEWTY」が提案したのが“ドライブイン”の音楽ライブだ。広い駐車場にはスクリーンが配置され、車に乗りながら音楽ライブが楽しめるもので、来場者は各自の車で会場へやってくる。目の前にはステージがあり、音はカーラジオで受信。安全面や衛生面も安心して参加でき、ライブの臨場感やアーティストの熱量をダイレクトに感じ取ることができる。

また、「太陽の塔」の真裏に位置する同会場は大阪府がエンターテインメントの街・大阪を活性化させるために特設ステージを期間限定で設置したもので、音楽イベントとしての開催はこの日が初めて。

酷暑真っ只中な初日、まずは大阪出身のラッパー·WILYWNKAが「5か月ぶりのライブ、みんなに負けへんように楽しむんで!」と「Return of the Rap」から完成度の高いラップスキルとサウンドで観客の気分を早々に上げていく。と言っても、観客は声を上げることができないので車窓から手を上げたりすることでステージの音に応えているのが感じ取れるので、WILYWNKA自身も初めこそ慣れないライブスタイルに戸惑いを見せていたが、ステージが進むたびにご機嫌な表情を見せてくれる。「Wake Up」「Merry Go Round」など、ストーリ―性の高いリリックや夕暮れ時にぴったりのチルミュージックはプライベート空間に近い車内で聴くのも最高に気持ちが良い。

ドライブインコンサート

続くSIRUPが始まる頃には辺りは暗い夜に。“SIRUP”のネオン管が夜空に映え、会場はライブハウスやクラブとは違った雰囲気をまとっている。「みんなが目の前にいるのが嬉しい!」と、久しぶりの生のライブに興奮気味で「音に合わせて光をつけてよ」と、車のパッシングやハザードランプがスポットライトのようにステージを照らす。「LOOP」での幅広く艶やかな歌声やグルーヴィーなサウンドに魅せられ、車内で肩を寄せ合うカップルがいたり、車メーカーのCM曲でもおなじみの「Do Well」では仲間同士で車を大きく揺らして音に反応したり。コロナ禍での自粛期間に仲間とオンラインを通じて楽曲制作したという新曲「Online」では緩やかなサウンドのせいか、座席シートを倒しゆったりと曲を聴く人の姿も。車の大きな窓から見えるステージはまるで自分のためだけに用意されたものに感じるようで、楽しみ方も様々で面白い。ラスト曲「SWIM」では「今日を忘れたくない!」と満面の笑みを見せ、初日のステージが幕を閉じた。

 イベントが終了後、観客を乗せた車が一台ずつ退場口へと走っていく。普段のライブとは違い、退出がスムーズに終わるのもドライブインならでは。帰路に向かう車内、ライブ直後の高まる気分で流すドライブミュージックはもちろん、今日の出演者たちで決まりだろう。

初日の晴天から一転、曇り空で2日目を迎えた会場では開演を前に、観客はみな涼しい車内で思い思いの時間を過ごしている。今回のイベントのチケット代金は車1台ごとの料金設定で、乗車定員さえクリアしていれば、人数が多いほどお得に。家族連れなど複数での来場が多く、「子供との夏休みの思い出に」「昔流行ったドライブインが懐かしくて」など、世代を超えた観客の言葉を聞くこともできた。

ドライブインコンサート

 2日目のトップバッター、Tempalayは浮遊感たっぷりな「脱衣麻雀」から変幻自在なサウンドを打ち鳴らしていく。生ライブならではの迫力はそのままに、カーラジオならではの良い感じの音の雑味も加わって独特な風合いを感じさせてくれる。「未知との遭遇」「どうしよう」と続いたところで、突然の雷雨によりステージが一旦中断に…。観客はカーラジオから、急遽、豪雨中断中のピンチヒッター登場となったDJ HASEBEのDJプレイを聴きながら、雨雲が過ぎ去るのを待つ。

 雨が落ちつきライブが再開される頃には辺りは夜に。ここからのTempalayがまた凄まじかった。壮大なMVでも話題になった「大東京万博」で不穏な香りを漂わせるギターのディレイが爆発。観客が盛大にパッシングで応えると、ラスト「そなちね」で大きく吠声を上げステージは終了。フルステージではなかったものの、夕暮れに雷雨、夜に続くステージで、大きなインパクトを残したのは間違いない。

1

2