AI、ニュー・アルバム『DREAM』を引っ提げての全国ツアー<AI DREAM TOUR>をスタート

中盤最大の見せ場は、『SOUL TRAIN』よろしく、70sなセットが登場してのディスコ/ブギー・パート。衣装も曲のアレンジも振り付けも70年代風となっていて(ジェイムス・ブラウンのマント・ショーのような演出も!)、ディスコティックな音世界にその場にいたみんなが心から楽しんだことだろう。AIの指導のもとディスコなダンスをみんなで踊ったりと、会場の一体感も素晴らしく、このみんなで楽しめる感じもAIのライヴの醍醐味だなと思った次第だ。

AI

後半もダンスを前面に押し出したアップ・チューンがメイン。例えば今回披露した「MORIAGARO」はジェレマイ、「Welcome to my city」はエリック・ベリンジャー&ジュニア・リード、「Let it go」はスヌープ・ドッグといった、元々はアメリカ&ジャマイカのアーティストをフィーチャーした楽曲であり、音もド直球のUSヒップホップ・サウンド。AIに対して「Story」や「アルデバラン」といったイメージを強く持っている人には、ゴリゴリのベース・サウンドの上で激しいダンスをしながら英語で歌うAIにビックリしてしまうかもしれない。けれどその両方ともAIであるし、その両方を完璧にできるのがAIなのだ。とりわけライヴではテレビ番組などでは見せないハードな面を見ることができて、とても興奮してしまう。これが味わえるのもライヴに来た人だけの特権というわけである。

AI

新作『DREAM』でもラストを飾るメッセージ・ソング「We Have A Dream」で一体幕を閉じ、観客の大きな拍手に煽られてアンコールへ。アンコールでは豪華ゲストが登場して会場を盛り上げつつ、「アルデバラン」「ハピネス」を披露。2曲とも今この時代だからこそ一層響く曲であり、だからこそ最後に持ってきたのであろう。

AI

この2曲を聴きながら世界のみんなが幸せになることを思わずにはいられなかったし、ライヴを観てそう思わせてくれるAIの凄さを改めて思い知った次第だ。なかなか不安が拭えない日々が続いているが、この日この空間は間違いなく幸せと笑顔で溢れていたし、AIが希望の光を灯してくれていたように思う。この先半年以上続くAIのロング・ツアー<AI DREAM TOUR>、ぜひ足を運んでいただいて、一人でも多くの人にこの幸せな空間を体感してほしい。

Text by 川口真紀
撮影 cherry chill will.

1

2