圭、ツアー完走。誕生日と重なった最終日に伝えた“生きる理由”と次なる挑戦

圭はここから明るく軽快なテイストの楽曲を連発して、場内を盛り上げていく。まずはBAROQUEで1度も演奏していなかった「STAY」。この曲は、今回のツアーから圭の「3,2,1,ジャンプ!」の掛け声で、オーディエンスが一斉にジャンプ。ジャンプでテンションが上がった客席は、次に「17.」が始まると、イントロから盛大なクラップを巻き起こしてみせ、「the salvation.」では腕を上げ、体を揺らしてアップチューンをどこまでも楽しみ尽くした。
この後、圭は「曲は正直だよ」といって「17.」、「the salvation.」を作った時期に思いを馳せ、当時は人生に挫折し、壁にぶつかり、誰か俺になり代わってくれと叫んでこれらの曲を作ったこと。そうして「STAY」を作ったあと、なにもかも失ったことを伝え、その上で「いまはバンドを失っても、もっと大きなものを得たと自信をもっていえます。いつ、どんな瞬間でも自分を信じて、諦めずに見つけばいい」とフロアに向けて熱いメッセージを投げかけた。その言葉を体現するように「the primary.」、そして観客それぞれの内へと潜っていって、どこか温かく心地よいタイム感で響く「utopia.」、そこから視界がどんどん開けていくスケール感をもった「spirit in heaven.」へと続け、陽のエネルギーで会場を包み込んでいった。
「今日はエモいライヴでした」と充足感たっぷりの表情で本公演の感想を述べた圭は、続けて「子供の頃、なんで自分は生まれてきたんだろうと思って。それぞれ自分にしっくりくる理由を見つけていくんだろうけど。俺はなんで生まれてきたのかが分かったよ」といって、とても真剣な表情で会場内を見つめた。そうして「みんなに会いにきたんだよ」と告げたのだった。その言葉に観客たち強く心を震わせているのが伝わってきた。そして、ライヴはついにクライマックスへ。圭がピアノの前に座り、ラストソングのバラード「ring clef.」を静かに歌い出す。
“麗らかな日も 病める日も その笑顔を見つめているよ 隣でずっと”と歌う圭の姿はこの日凛とした強さがあって、その声はどこまでもやさしく、心が洗われるようだった。そうして、会場に集まった人々を清々しい気分にしたところでライヴは終了。
演奏が終わったあと、3人は仲良くお立ち台に並んで挨拶をし、ステージを後にしたのだった。

圭

この日の公演のなかで、次のワンマンライヴはSHIBUYA STREAM HALLにて12月26日、27日、自身初の2DAYS公演に挑戦すること。さらに、その間に「新曲が聴けたり、リリースがあるかもしれないので楽しみにしてて欲しい」と告げた圭。
まずはその前に、9月3日、埼玉・秩父ミューズパークで行われるBugLug主催のロックフェス<バグサミ2022>、10月15〜16日(圭の出演は15日のみ)、大阪・服部緑地野外音楽堂にて行われる<Band Shock REVOLUTION〜びじゅある祭2022〜>への出演が決まっているので、圭のソロでは初の野外、初のフェス出演となるステージも期待して欲しい。

文◉東條祥恵
ライブ写真◉尾形隆夫

【LIVE INFO.】
圭 
NEXT // ONEMAN LIVE
2022年12月26日(月) shibuya STREAM HALL
2022年12月27日(火) shibuya STREAM HALL
To be announced…

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