きみとバンド

きみとバンド、 デビュー2周年ワンマンライブ~きみとZeep~を Zepp Hanedaで開催

8月20日、Zepp Hanedaできみとバンドデビュー2周年を記念したライブ「きみとZepp」が行われた。観客動員は2000人で全17曲を熱唱した。バンドにとっては初の1000人を超える動員のライブとなった。

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Zeppライブを発表したとき、ライブハウスで300人程度の動員のきみとバンドには誰もが無謀だと思った。しかし、メンバーの目の前に広がったのは2000人のきみ(ファンの名称)の姿だった。コロナ禍でデビューライブが4度の延期、47都道府県ツアー、今年に入り初期メンバー卒業と新メンバー加入などさまざまな出来事の中で迎えたデビュー2周年ライブであった。

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 客席が暗くなりステージの幕にZeepに向けたきみとバンドの活動が映し出される。映像が終わると幕の奥からドラムがリズムを刻みだしベースソロへ。セルフタイトル曲「きみとバンド」のイントロだ。幕が落ちるとステージには照明が当たり、そこには清原梨央(ギター・ボーカル)、森田理紗子(ギター・ボーカル)、大野真依(ドラム)、サポートメンバー早希(ベース)がいた。森田は普段のアコースティックギターではなく初披露となるエレキギターを持ち、大野のバスドラムヘッドには大野のきみとバンド色のサインがあった。セルフタイトル「きみとバンド」は全国をハイエースで駆け巡りライブを行っているきみとバンドのことを歌詞にしたアップテンポなナンバーだ。その勢いのままディスコチューンなナンバー「スローモーション」、荒削りだけど情感溢れる言葉の一つひとつが心に響く清原のハスキーボイスが印象的なギターロック「はなればなれ」ときみとバンドの中でもロック系な3曲を披露した。

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ここでメンバー3人が挨拶し、森田がエレキギターをアコースティックギターに持ち替えた。ここからは前の3曲と変わり、しっとりと聞かせる曲。きみとバンドの楽曲の全作曲をしているサウンドプロデューサー古城康行氏との出会いのきっかけとなったポップバラード「amulet」、きみとバンドでも1・2を争う人気のセンチメンタルな曲「rosemary」、森田が加入して初めてのシングル「シャボン玉」を披露した。この3曲では今年加入した森田の声量あふれるクリーンボーカルと清原との心地よいコーラスが印象に残った。

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「今日大きなステージに立ってみんなの顔を見ていると、この日を迎えるまでの色々なことを思い出します。学生時代、私は人と話すのも苦手で、学校にも行けなかったり、何かに夢中になって頑張れるようなものもない子でした。それが今は同じ夢を持った仲間と頑張れることの楽しさを知って、人との出会いが繋がって、こんなにも幸せな空間が生まれることを知ることができました。今まで感じたことのないくらい人の温かみを感じて、誰かと何かを成し遂げるってこんなに幸せなことなのだって、今噛み締めています。1人でいたら傷つくこともないし、悲しむこともないけれど、きっとこんな大きな幸せには出会えなかったと思います。これまで、私は私であることに苦しくなったり自分を誇りに思えない、そんな時もあったのですけど、諦めずに歩いてきてよかったです。」
そう清原が語るとMCの世界観そのままの清原作詞のロックなナンバー「オレンジ色の世界」だ。続いて「きみとふたり」、「蝉しぐれ」とバラード系の曲からステージからのコールに対しては客席が両手を振り上げてレスポンスを返し会場が一体化したシャッフル系の「レリビ☆」が演奏された。このロックからバラードまで幅広い曲調の展開は多様な音楽性を持つきみとバンドらしい構成だった。

「今日来てくれている方の中にはライブ配信から知ってくれた方も多いと思います。来るきっかけがDM(※きみとバンドの総SNSフォロワー約8万人にメンバーからDMを送付)からという方もたくさんいると思います。楽器を持ち始めてからまだ2年ほどで音楽のこともまだまだ分かっていないことがたくさんあるけど、自分たちなりに頑張ってきました。それと同時に楽器や音楽以外のこともきみとバンドに繋がるならと頑張ってきました。ただ普通のバンド、ドラマーがやらないことをやると色々な声が聞こえてくるようになりました。その声に傷ついたこともあります。例え少数でも気になって悩んでしまって。でもそれでも止まるわけにはいかないから走り続けていたら温かい言葉もたくさんもらうようになって、何か気づいたのです。大事なのはいつでも前を向いて泥臭く頑張ること。そうしたら誰かが必ず見てくれて応援してくれるのだなって。きみとバンドとしてしっかり目標をもってこれからも努力していきたいと思います。その目標のひとつに、次は日本武道館。ここにいるみんなでいつかあの場所に立ちたい。」
大野がそう語ると今日のライブのために「きみとバンド」名義での初めて作詞した曲「あの場所へ」を初披露した。BPM184ときみとバンドの中でも最速なハードロックである。大野はこのライブで初めてツインペダルを披露。この難解な曲を大野のツインペダルの重低音と清原の激しくかき鳴らすギター、森田のクリーンボーカルから一転した迫力のあるロックボーカルが奏でるアンサンブルで見事に演奏し、この日一番会場が盛り上がりを見せた。
続いて会場中のきみが一斉にジャンプして会場が揺れ、曲中に金と銀のテープ(一部のテープにはメンバー直筆メッセージあり)が飛び会場を彩ったアップテンポな「恋のモンスター」、「愛媛が好きやけん」の歌詞を「Zeppが好きやけん」に変えた「∞YAKEN」を披露。熱気に包まれたまま本編は終了した。

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