kein、TOUR 2025 「delusional inflammation」ツアーファイナル ライブレポート到着!10月9日に東京・Spotify O-WESTにて追加公演決定

この夜のライブにおいても、そうした「通常であれば一度に味わえないはずのもの」が渦巻いているのを感じずにはいられなかったし、それがある種の中毒症状に繋がっているのだと気付かされた。白ではなく、あらかじめ黒く塗りつぶされたカンバスの上に極彩色を重ねていくようなダークさ、固体のような揺るぎなさと気体のような流動性、緻密に編まれた中に敢えて仕掛けられた綻びのスリル、80~90年代的な背景と今日的なアップデート感、冷静さと衝動性――随所から感じさせられるそうしたコントラストや重層さに、筆者は最初から最後まで、他では味わうことのできない興奮をおぼえていた。

ここまで実際の演奏内容についてほとんど触れずにきたが、ひとつ具体的な重要事項をお伝えしておくと、今回のライブでは『delusional inflammation』に収録の5曲はもちろんのこと、前作『PARADOXON DOLORIS』からの5曲もすべて網羅されていた。それが意味するのは、現在の5人で作られた楽曲が、ライブ全体の過半数を占めていたという事実だ。この8月21日には再始動から満3年を迎える彼らだが、その日をもってkeinの現在進行形の歴史は、過去に経てきた活動歴を超えることになる。

玲央(g)は今回の『delusional inflammation』について「この先を見据えた時の、起点となる作品にしたかった」と発言していたが、実際にこの作品が新たなスタート地点であるならば、果たしてkeinにはこの先どのような未来が待ち受けているのか? もちろん筆者自身にもそれは想像しきれないが、このバンドが現在、他のどんな世代のバンドにも、ずっと止まることなく活動し続けてきたバンドにさえも持ち得ない現実を手に入れていることは間違いないはずだ。しかも、わずか3公演ではあったものの、今回のツアーが彼ら自身にとっていかに手応えのあるものだったかは、本稿の冒頭でもお伝えしたように、追加公演が急遽組まれた事実にも裏付けられている。

実際、その急遽という言葉に嘘はなく、この公演実施が確定したのは、この日のライブが開演する10分前のことだったのだという。そんな逸話ひとつさえも、現在のkeinが歴史の中ではなく刺激的な現実の中で動き続けていることを実感させられる。しばらくはこの濃密なライブの余韻を味わいながら、彼らが提示してくる次の一手がどんなものであるかを楽しみにしていたい。

(取材・文 増田勇一)

kein TOUR 2025 「delusional inflammation」追加公演決定!
2025年10月9日(木)
TOKYO Spotify O-WEST
*詳細後日発表

kein TOUR 2025 「delusional inflammation」
ツアーファイナル SUPERNOVA KAWASAKI公演セットリスト

M1 斧と初恋
M2 リフレイン
M3 Spiral
M4 幻想
M5 Toy Boy
M6 絶望
M7 幾何学模様
M8 思い出の意味
M9 嘘
M10 FLASHBACK THE NEWSMAN
M11 Puppet
M12 Rose Dale
M13 君の心電図
M14 グラミー
M15 晴レノチアメ
M16 波状

EN1 Be Loved Darlin’
EN2 an Ferris Wheel
EN3 keen scare syndrome

W EN1 暖炉の果実

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