FWD生命 × TOKYO FM 『ORANGE STATION LIVE 2025』 ライブレポート&ダイジェストムービーが到着

月が変わり7月16日(水)、まずは初日同様に別府由来のDJタイム。そして一組目に登場したインディーズ代表はヨイズ。「インディーズ×メジャー」と聞くと「若手×先輩」の図式を想像しがちなのだが、ヨイズのフロントマン・佐藤リョウスケはかつて組んでいたバンド・赤色のグリッターでの活動からカウントすれば、対バン相手のSHE’Sとは世代やキャリアの長さがほぼ同じ。一言にインディーズ×メジャーといってもこういう組み合わせも有るのだから面白い。

オープニングSEに合わせたクラップが和やかなムードを産んだのも束の間、「愛のパラシュート」でいきなりシャープかつ爆音のバンドサウンドを放つ。5限ベースのぶっとい低音と佐藤のハイトーンボイスの対比も鮮やかだ。「魅惑のGIRL」はミドルテンポのダンスポップだが、こういう曲調のわりにはギターが全面に出たバンドらしいアレンジが、ヨイズの個性を言外に伝えてくれる。

「Flash!!」では冗談を飛ばしつつコール&レスポンスをレクチャーして、初見多めのフロアにも積極的にアプローチ。積み重ねてきた場数と地力を感じさせると同時に、ベースのスラップなどファンキーな要素とロック然としたキメなど演奏面の見どころも充分だ。ちょっとレトロな歌謡テイストと現代ポップスらしいギミックを併せ持った「smoke」に続いては、かつて赤色のグリッターとしてSHE’Sと対バンした経験を明かし、「またこうしてできたことが何より嬉しいです」と佐藤。「もっと観てほしいし聴いてほしいし、もっと表現したいことがあって。今日がそのきっかけになれば」と率直な想いを口にした後、“ヨイズの始まりのナンバー”との紹介から「ともしび」を情感込めた演奏で届けていった。

後攻のSHE’Sは「Cloud 9」からスタート。打ち込み+シンセベースによって立ち上がったクールな音像へ井上竜馬(Vo/Key)が凛とした歌声を乗せ、サビでパッと花開く瑞々しいバンドサウンドが爽快だ。「SHE’Sです、よろしく!!」と両手を広げて叫ぶ井上にフロアから歓喜の声が上がる。ダンサブルな音とフロア参加型のコーラスを有する「追い風」に、スパニッシュ調のノリで揺らす「Masquerade」、ややダークでジャジーな装いの「Ugly」と、冒頭のブロックから見せつけた音楽性の幅で感じたのは、かつての「洋楽テイストを持つピアノロックバンド」という印象だけでは到底語りきることのできない奥深さ。来年でメジャーデビュー10周年となるバンドが身につけてきた地力の証明だ。

「メジャーもインディーズも関係なく音楽を楽しめたら、それだけで最高なんですよ」とイベントの核心に触れる井上のMCに続いては、ゴスペルフィーリングの「If」をフロアから送られるクラップとともに披露。井上がレスポールギターを弾く爽快なロックチューン「Kick Out」あたりで、フロアのボルテージも一段と高まっていく。その後のMCでは、アマチュア時代の仲間はもうほとんどバンドを続けていない今、ヨイズ・佐藤との久々の再会と対バンが実現したことを「音楽人生冥利に尽きる」と表現。当たり前だが、それはSHE’S自体が止まらずに走り続けてきたからでもあるわけで、だからこそ彼ら自身のことが歌われた「Four」がひときわ感慨深く、祝福感たっぷりに響いたのだった。

終盤のハイライトは、ハイテンポなダンスチューン「Raided」から「Grow Old With Me」へと繋いだ流れ。曲調の振り幅こそ大きいけれど、彼らのライブにはいつもあたたかでナチュラルな一体感がある。そんな空気は最後まで変わることなく、静から動へとドラマチックへ展開していくバラード「Amulet」でライブを終えた。終演後は別府の呼び込みで2バンドが全員集合して記念撮影。「アーティストとオーディエンスが一緒に音楽を楽しみ、お互いを讃え合って、明日への活力に繋げてほしい」というイベントの主旨そのままの、笑顔あふれる光景がそこにはあった。

取材・文=風間大洋
Photo by 佐多杏介

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