Kanye West、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に謝罪の一面広告を掲載

Kanye West

カニエ・ウェストは『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に一面広告を出して、これまでの反ユダヤ主義的な発言について謝罪している。

カニエ・ウェストは一面広告に長文のメッセージを掲載しており、「傷つけてきた人々へ」というタイトルで、不安定で物議を醸した行動について説明している。

「25年前、交通事故に遭って、顎を骨折して、脳の右前頭葉に損傷を負うことになった。当時は目に見える損傷、つまり骨折、腫れ、そして直接的な身体的外傷に焦点が当てられ、頭蓋骨内部のより深い損傷は見過ごされていた」

「包括的なスキャンは行われず、神経的検査も限られており、前頭葉損傷の可能性は一度も指摘されなかった。2023年まで正式に診断されることはなかった」とカニエ・ウェストは続けている。「こうした医療過誤は私のメンタル・ヘルスに深刻なダメージを与え、双極性障害I型に繋がることになった」

「双極性障害には独自の防衛行動、否定がついて回る。躁状態の時は自分のことを病気だとは思わない。周りの人が過剰反応していると思ってしまう。これまでにないほど世界が鮮明に見えているように感じるけれど、実際には完全に冷静さを失っている」

「一度クレイジーというレッテルが貼られると、世の中に意味のある貢献ができないような感じになる。冗談を言って笑い飛ばすのは簡単だけれど、事実として死に至ることもある非常に深刻な、消耗する病気なんだ」

「世界保健機関とケンブリッジ大学によれば、双極性障害の患者は平均で寿命が10~15年短く、全死因死亡率が一般に較べて2〜3倍高い。これは重度の心臓疾患、1型糖尿病、HIV、癌など、いずれも治療しなければ致命的となる病気と同等となっている」

「この病気の最も恐ろしい点は『あなたは助けを必要としていない』と告げる説得力だ。あなたを盲目にしているのに、洞察力があると確信させる。力強く、確信に満ち、誰にも止められないと感じたりする」

「私は現実と乖離してしまっていた。問題を無視すればするほど、事態は悪化していった。私は深く後悔するようなことを発言したり、やったりした。最も愛する人に最もひどい扱いをしてしまったりもした。恐怖、混乱、屈辱、認識もできない人物を支えることの疲弊にみんなは耐えなければならなかったはずだ。振り返ると、私は本当の自分自身から切り離されていた」

「分裂状態の中で私は最も破壊的なシンボルである鉤十字に惹かれ、それが描かれたTシャツを販売したりもした。双極性障害1型の難しい側面の一つが我を忘れる時だ。その多くは今でも思い出せないが、それが誤った判断や無謀な行動に繋がり、しばしばまるで幽体離脱のような感覚に陥った」

「あの状態での自分の行動を後悔しているし、深く恥じている。今は責任を果たし、治療を行い、意味のある変化を起こそうと思っている。私がしたことについて言い訳はできないが、私はナチスでも反ユダヤ主義者でもない。私はユダヤ人の人々を愛している」

「人生の浮き沈み、そして最も暗い時期を通して私を支え続けてくれた黒人のコミュニティに伝えたいのは、黒人のコミュニティが紛れもなく私の礎だということだ。失望させてしまい、申し訳ない。みんなのことを愛している」

「2025年初頭、4ヶ月に及ぶ精神病の症状を伴う躁状態、妄想、衝動的な行動に襲われ、人生が破壊されることになった。状況がますます耐え難いものになるにつれ、もうここにいたくないと思う時もあった」

「双極性障害は常に精神疾患を抱えている状態ではない。躁状態になると、その時点で病気となる。躁状態でない時は完全に正常だ。そうした時が病気の残骸が最もつらくなったりする」

「数ヶ月前、ドン底に落ちた私に妻はようやく助けを求めるように勧めてきた」

「いろんなレディットのフォーラムに励まされた。様々な人々が同じような躁状態や鬱状態について語っていた。そうした話を読んで、自分だけではないことに気づいた。毎日薬を飲み、世界でも最高峰と言われる医師に双極性障害ではなく、自閉症の症状を経験しているだけだと言われているにもかかわらず、年に一度、全人生を台無しにしてしまうのは私だけではなかった」

「コミュニティのリーダーとして私の言葉は世界規模で影響力を持っている。躁状態の時はそのことを完全に見失っていた」

「効果的な投薬、セラピー、運動、そして健康的な生活を通して、新たな基準と中心を見つけるにつれ、私は切望していた明晰さを新たに見つけることになった。音楽、服飾、デザイン、世界を助けるための新しいアイディアなど、ポジティブで意義深いアートにエネルギーを注いでいく」

「同情や免罪符を求めているわけではないが、みなさんの許しを得られることを切望している。私がホームへの道を見つけるまでの間、我慢と理解をお願いできればと思って、今日この文章を書いている」

昨年11月、カニエ・ウェストはラビと面会して、反ユダヤ主義的な発言について謝罪している。彼はその前にジェイ・Zとビヨンセの子どもたちに対する下品で侮辱的な発言にジェイ・Zにも謝罪している。

2022年、カニエ・ウェストの反ユダヤ主義的な発言については非難を受けており、弁護士、事務所、レコード会社、アディダスやバレンシアガといったファッション・ブランドから契約を打ち切られている。世界各地の有名人や政治家もその発言を批判していたが、カニエ・ウェストはクリス・クオモとのインタヴューで「反ユダヤ主義」という概念自体を否定していた。

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