Katy Perry、“Dark Horse”を巡る盗作裁判の判決について茶番劇と批判

Katy Perry

ケイティ・ペリーは2013年発表の『プリズム』に収録の“Dark Horse”がフレイムによるクリスチャン・ラップ・ソング“Joyful Noise”を盗作したという判決が下された裁判について、同曲の共作者らと共に「権利侵害はない」と主張した上で今回の判決について「法廷の茶番劇」だと批判している。

カリフォルニア州の裁判所は現地時間7月29日に本名をマーカス・グレイというフレイムら原告の訴えを認め、ケイティ・ペリーの“Dark Horse”についてフレイムによる“Joyful Noise”のビートを盗用したとする判決を下している。フレイム、ビートメイカーのチャイク・オジュク、共同作曲家のエマニュエル・ランバートらは、ケイティ・ペリーおよび彼女とコラボレーションした関係者を2014年に訴えており、“Dark Horse”が2008年の“Joyful Noise”のビートを許可なく使用していると主張していた。ケイティ・ペリーは同曲の共作者らと共に278万ドル(約2億9700万円)を損害賠償として支払うよう命じられている。

「“Dark Horse”の作者らは今回の判決を法廷の茶番劇だと考えています」とケイティ・ペリーの弁護士を務めるクリスティーン・ラペラは現地時間8月2日に発表した声明で述べている。「著作権には一切抵触していません」と彼女は続けている。「実質的な類似性もありません」

クリスティーン・ラペラは次のように続けている。「“Dark Horse”と“Joyful Noise”における唯一の共通点は、等間隔でシとドの音が繰り返されるという(著作権で)保護されていない表現があるという点のみです。今回の判決に対しては、音楽学者を含む多くの方々が懸念を表明しています」

今回の裁判では盗作の真偽を明らかにするため、数人の音楽学者がそれぞれの証人として法廷に立っている。米『ビルボード』誌によれば、ワシントン大学で音楽学部の学部長を務めるトッド・デッカー教授は“Dark Horse”と“Joyful Noise”を聴き比べてピアノを弾きながら歌い比べた後に、“Dark Horse”について“Joyful Noise”の下地となっているビートを「盗用している」とする結論を下したという。また、トッド・デッカーは両曲中で繰り返される音楽的なシーケンスについて、両曲のビートには「5つか6つの類似性がある」と指摘しているという。

一方で、ニューヨーク大学で音楽学を教えるローレンス・フェラーラ教授は“Dark Horse”と“Joyful Noise”について、“Jolly Old St. Nicholas”や“Merrily We Roll Alon”といった昔の楽曲と類似した楽器のシーケンスが使われていると指摘している。

「彼らは全員のものであるべき音楽の基本要素としての基盤を所有しようとしているのです」とAP通信によればクリスティーン・ラペラは弁論の中で主張している。

今回の評決はオンライン上でも議論を呼んでおり、多くのミュージシャンや作曲家、音楽学者らが“‘Dark Horse”と“Joyful Noise”との類似性にそれぞれの見解を示している。また、一部からは今回の判決をロビン・シックとファレル・ウィリアムスによる“Blurred Lines”をめぐる過去の裁判の判決になぞらえる声も上がっており、同曲がマーヴィン・ゲイの“Got To Give It Up”に似ているとして賠償金の支払いを命じられた一件に言及しながら、今回の判決が今後の音楽業界に与える影響を懸念する意見も寄せられている。

ポップ・ミュージックを分析するポッドキャスト「スウィットド・トゥ・ポップ」で司会を務めるチャーリー・ハーディングは『ヴォックス』とのインタヴューの中で、クリスティーン・ラペラと共通する見解を示している。チャーリー・ハーディングは両曲が基本的なリズムとして徐々に下っていく短音階を採用していることに言及して、これについて多くのトラップ・ミュージックのビートに共通したリズムだと指摘している。「過去や現代、未来の芸術の中核を成すこれらの基礎的な要素は、誰かが永久的に所有していいものではありません」

「ケイティ・ペリーは音楽のことを知らない判事によって略奪されたんだ」とテキサスを拠点にリアリティー番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』やテレビ番組『アメリカン・グリード(原題)』に楽曲提供を行っている作曲家のポール・クロトーはインスタグラムで述べている。

「キーもテンポも違うし、音符やビートだって違うのにさ! トラップ・ミュージックはマイナーキーを繰り返す音楽なのであって、グルーヴは似通っているものなんだ。盗作だって? それはないね」とポール・クロトーは述べ、別の投稿では両曲におけるキック・ドラムのテンポや主となる旋律の違いを指摘している。

ポール・クロトーによる投稿はこちらから。

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