キッスのポール・スタンレーは「過去と争うことはできない」ため、バンドとしての新曲を書くことに興味がないと語っている。
ポッドキャスト『ハウイー・マンデル・ダズ・スタッフ』に出演したポール・スタンレーは2012年発表の『モンスター』に続くアルバムを近いうちに作ることはないとして、新曲を出しても「人生において重要な時期にある人たちとは繋がれない」からと語っている。
新曲に取り組んでいるのかと訊かれたポール・スタンレーは次のように答えている。「やってないんだ。というのも、現時点では過去と争うことはできないという結論に達したんだよね。いいものが作れないということじゃないんだ。人生において重要な時期にある人たちとは繋がれないんだよ」
「『18歳の時にこの曲を聴いたのを覚えている』とか、『初めてのデートの時にこの曲を聴いていた』とか、そういうことにはならないからね。過去と争うことはできないんだよ。それは曲以上のもので、人生のある時期のスナップショットになるんだ」
「10年ぐらい前に2枚のアルバムを作ったんだけど、それは今まで書いてきたものと同じくらいよかったんだけど、なにぶん新しいんだよ」
「『なんで新しいアルバムを出さないの?』と言う人もいるけど、“Modern Day Delilah”という曲があってね。“Love Gun”とか、そういう曲と同じくらいよかったんだけど、年季が入っていないんだ。ワインのように重要性が増していく機会はないんだ。曲だけじゃなく、それを取り囲むものが重要なんだ」
ポール・スタンレーは新曲を書くことになったら「自分自身を失望させる」ことになると感じていると語っている。
「意気消沈とまでは行かないにしても、魂と心を込めたものが頷いてしかもらえないとしたら、他のことをやったほうがいいと思うね」
先日、ジーン・シモンズは現在のラインナップでツアーを終えた後も「考えたこともなかった形で」バンドが続いていくだろうと語っている。
キッスは2018年にあの象徴的なユニフォームを脱ぐ前に最後のツアーを行うことを発表している。インタヴューでジーン・シモンズは引退の理由について「プライドと自尊心」を挙げていた。「ツアーを止める理由はプライドと自尊心、ファンへの愛と称賛のためなんだ」
今回、彼は次のように語っている。「ツアーをするバンドとしてのキッスは終わることになる。でも、ツアーをするバンドとしてだけどね。キッスは他の形で続いていくよ。4人の20歳の若者がメイクアップを施して、その素性を隠しても問題はないわけだしね」
「キッスは考えたこともなかった形で続いていく。でも、考えていることとしては……ブルー・マン・グループや『オペラ座の怪人』は違う人物が世界をツアーしているわけだからね」