沖縄のコザを舞台に、幼い息子を抱える17歳のアオイ(花瀬琴音)が社会の過酷な現実に直面する姿を描き、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 [クリスタル・グローブ・コンペティション部門]に出品、Variety誌が“貧困にあえぐ日本の性差別を、痛烈に告発する。溝口健二的な現代悲劇。”と激賞した映画『遠いところ』が、全国劇場にて絶賛上映中、反響コメントとあわせて本編映像を解禁します。
「嗚咽するほど泣いてしまいました。覚悟が必要ですが見るべき作品です」「必ず心に残る映画」「貧困問題への怒りや悲しみ、そしてやるせなさが心に浮かんでくるのを感じた」「本当にこれは映画(フィクション)でなく現実(ノンフィクション)だと思います」「多くの人の目にこの作品が届き 少しでも未来が変わることを信じたい」(映画公式感想キャンペーンより)など、6月に沖縄で先行公開され、わずか3館の上映でミニシアターランキング3位にランクイン、7月7日に待望の全国公開を迎えると、再びミニシアターランキング3位に返り咲き大ヒットを記録している『遠いところ』が熱い反響を巻き起こしている。「少女が抱え込む悩み、痛み、現状の生活と友人への想いの葛藤を演じ切っています」「体当たりの演技に圧倒されました」と、理不尽で不寛容な社会に追いつめられていく17歳のアオイを演じた花瀬琴音の熱演を絶賛する声も数多く発信されている。貧困、格差社会、非正規雇用、若年出産、家庭内暴力など、世界が抱える社会的な問題を突きつける問題作へ熱視線が注がれている。
今回、アオイが幼い息子、健吾(長谷川月起)と引き離されてしまう悲涙にむせぶこと必至の本編映像が解禁となった。働きもせず酒に溺れるに夫マサヤ(佐久間祥朗)と健吾との生活を支えるために年齢を偽ってキャバクラで働いていたアオイ。だが、突然のガサ入れで警察沙汰となり働けなくなり、いざという時のために貯めていた“へそくり”も夫に持ち出されてしまう。拍車をかけるかのようにマサヤが起こした暴力事件で多額の示談金が必要となってしまう。仕方なく義母の由紀恵(松岡依都美)に健吾を預けたアオイは、心身を削りながら生活費を稼いでいた。
今回解禁された映像は、疲れ果てたアオイが仕事から帰宅した場面から始まる。道には合羽を着た男が立ち、家の中を見知らぬ人々が伺っている。ただならぬ気配に慌てて玄関に駆け寄ったアオイが「なにや?」と問う。奥からひとりの女性が健吾を抱いて現れると、「新垣さん、健吾君、一旦預かりましょうね」告げる。「なんでよ?」と戸惑うアオイの横を、児童相談所の職員たちは息子を連れて行く。その姿を玄関に現れた義母の由紀恵が言葉なく見つめている。
雨が降り始め傘を差した職員たちを追ったアオイは、「ちょっと待ってよ。いいよ。大丈夫。ねえ待って」と健吾に手を伸ばす。更に「待って、健吾」と追いすがるが「大丈夫だから」と2人がかりで止められてしまう。その視線の先には健吾が大好きなぬいぐるみが見える。「健吾、待ってよ。ねぇ、待ってよ」、心の支えである息子と離れ離れになってしまうアオイの悲痛な叫びが心を揺さぶる内容となっている。
ただ「普通に生きたい」と願いながらも、社会の苛酷な現実に追いつめられ、最愛の息子まで失ってしまうアオイは、どんな未来を選ぶのか。沖縄から日本、そして世界へと放たれる強烈なメッセージを、ぜひ劇場で受けととめてほしい。
『遠いところ』が描くのは沖縄の局地的な社会問題ではなく、日本中のどこでも今まさに起こっている問題である。
遠いところ
【キャスト】 花瀬 琴音
石田夢実、佐久間祥朗、長谷川月起/松岡依都美
【スタッフ】 監督・脚本:工藤 将亮
エグゼクティブプロデューサー:古賀 俊輔 プロデューサー:キタガワ ユウキ アソシエイトプロデューサー:仲宗根 久乃
キャスティング:五藤 一泰 撮影:杉村 高之 照明:野村 直樹 サウンドデザイン:木原広滋、伊藤 裕規
音楽:茂野 雅道 美術:小林 蘭 共同脚本:鈴木 茉美
主題歌:“Thanks” by 唾奇
製作:Allen、ザフール
【作品公式サイト】 https://afarshore.jp
【公式SNS】:https://twitter.com/afarshore_jp
【配給】ラビットハウス https://usaginoie.jp/