2022年カンヌ国際映画祭 国際映画批評家連盟賞受賞『青いカフタンの仕立て屋』を6月16日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国公開、世界が注目する女性監督マリヤム・トゥザニの最新作『青いカフタンの仕立て屋』の新たなビジュアルと場面写真を解禁!あわせて、モロッコ刺繍作家、アタマンチャック中山奈穂美さんによるカフタンについての解説も到着!
新ビジュアルは、ハリムが一針ずつ繊細に施したペトロールブルーが鮮やかなカフタンを大きく配置、シルクをより滑らかに美しく魅せる。ミナの笑顔と「あなたの人生は素晴らしい」のコピーとが、全体を優しく包み込み、ミナのボタニカル柄の服装と、カラフルな刺繍色が魅惑の国モロッコの仕立て屋の雰囲気をよりエキゾチックに表現するデザインとなっている。
新場面写真では、体力がなくなってきたミナが、25年連れ添ったハリムと楽しい思い出を残そうと、ご馳走を作って一緒に食べたり、繊細なハリムの指先で髪を洗ってもらったり、大好きなタンジェリンの香りを嗅いだりと、何気ない幸せを噛みしめる姿が映し出されている。
また、モロッコで伝統的なフェズ刺繍を習得して作家として活動するアタマンチャック中山奈穂美さんによるカフタンの解説も到着!
モロッコの都市を訪れると、オートクチュールの色鮮やかで華やかなカフタンに目が留まる。カフタンはペルシャ起源で、イスラム社会で広く着用される前開きの長着。日本の着物のように捉えていただけるとわかりやすい。モロッコでも古くから権威の象徴とされてきた。やがて人々の憧れにより、儀式的なものから普段着寄りのものまで広く着用されるが、20世紀になると社会習慣の西洋化が進む。20世紀後半から国民性の回帰が言われるようになると再びカフタンが見直されますが、徐々に現代の華やかでモダンな結婚式などで着るものに変わる。
当然作り方も変わり、手縫いより時間が短縮できるミシンが多くなり、刺繍も機械や輸入品、市販のレースなどに変わり、腕のいい職人も少なくなってきている。映画の中で仕立て屋ハリムの妻・ミナが嘆いていたように、できたものを受け取ってしまえばお金はいつ払うかわからない人も多く、カフタンの作り手は、長い修行と工賃が労力に合わず安いため、人気職業とはとはいえないのが現状だ。
映画の中で、ハリムが新入りのユーセフに細かく指示しながら糸を撚る場面が何度も出てくるが、糸の縒り方で刺繍の出来栄えが決まってしまうため、ハリムがこだわる気持ちが分ります。
また糸を作る人と縫う人の感性がしっくり合わないと、均一な美しい糸の輝きが生かせません
と中山さんは話す。
青いカフタンの仕立て屋
監督・脚本:マリヤム・トゥザニ
出演:ルブナ・アザバル サーレフ・バクリ アイユーブ・ミシウィ
2022年/フランス、モロッコ、ベルギー、デンマーク /アラビア語/122分/ビスタ/カラー/5.1ch /英題:THE BLUE CAFTAN/字幕翻訳:原田りえ 提供:WOWOW、ロングライド 配給:ロングライド 公式サイト:https://longride.jp/bluecaftan/
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