プッシー・ライオットは新たにテレビ番組が製作されていることが明らかになっている。
プッシー・ライオットの結成メンバーであるナディア・トロコンニコワはSTXエンタテインメント社と回想録を元に「脚本化したドラマ」を製作する契約を結んだと報じられている。
『デッドライン』によれば、ナディア・トロコンニコワはプレス・リリースで番組制作の意図について説明しており、「新世代の反逆者を鼓舞したい」と述べている。「私は無一文の哲学を学ぶ20歳のアーティストで、その人は地球上で最も権力と富を持つ危険な男だった」と彼女は述べている。「2011年、結果を顧みず、その人に抵抗した。投獄、嫌がらせ、襲撃、トラウマの日々を経て、この物語を公開する準備はできていた」
「今、私はロシア最高の指名手配犯で、外国人工作員として見なされ、ロシアの裁判所で欠席逮捕された」と彼女は続けている。「私の親族や友人は毒を盛られ、政府は私に死んでほしいと思っているが、後悔していることは一つもない。プッシー・ライオットの物語が新世代の反逆者を鼓舞するのならば、すべては無駄ではなかった」
プレス・リリースは製作される番組について次のように述べている。「シベリア出身の若い女性が世界で最も権力のある独裁者に挑んだ物語であり、アート集団の起源と結成、ナディアと若い女性の仲間たちによるモスクワでプーチンに挑んだ行動を掘り下げます。かの有名な『パンク・プレイヤー』と呼ばれる抗議の後、逮捕され、裁判を受け、罪を宣告され、実刑を受けたこと、釈放後にソチ五輪で行われた抗議運動も取り上げられます」
製作総指揮のソフィー・ワッツはこのプロジェクトについて次のように述べている。 「ナディアの人生は並外れたものに他なりません。手に汗握る現実に起きたスパイ人生は、断固とした勇敢な運動に満ちたもので、不屈のアーティストの精神が世界を変えることを見せてくれます」
プッシー・ライオットのマリア・アリョーヒナ、ナジェージダ・トロコンニコワ、エカチェリーナ・サムツェヴィッチは2012年2月にモスクワの教会でプーチン大統領の選挙不正への抗議でパフォーマンスを行ったことで逮捕されている。エカチェリーナ・サムツェヴィッチは2ヶ月で釈放されたが、マリア・アリョーヒナとナジェージダ・トロコンニコワは1年以上にわたって勾留され、2013年12月にソチ五輪開催直前に可決された恩赦法案で釈放されている。
その後、プッシー・ライオットはソチ五輪でのパフォーマンスや2018年W杯でのピッチ乱入、2022年6月には「ロー対ウェイド」事件における中絶の権利を覆す判決を受けてインディアナ州議会議事堂での抗議活動など、複数の抗議活動を行っている。
今年5月、プッシー・ライオットは2023年のウディ・ガスリー賞を受賞している。プッシー・ライオットは受賞について声明で次のように述べている。「今日、ウディ・ガスリー賞を受賞しました。ウディ・ガスリーは曲をもって不当な行為や戦争と闘った唯一無二のアーティストです」
「父親の作品の正当な継承者であるノラ・ガスリーから賞を受け取ったことは光栄なことです。今はプーチンがウクライナに対して始めたひどい戦争で難局を迎えています。この戦争とプーチン政権に対してできるだけ大きな声で闘っていくことを約束します」