ポール・マッカートニーは現地時間10月1日にウルグアイのエスタディオ・センテナリオで行われた公演でザ・ビートルズの“Now And Then”をライヴで初披露している。
ポール・マッカートニーはこの日の公演から南米、UK、ヨーロッパを回る「ゴット・バック」ツアーを再開させている。
ポール・マッカートニーはAIのテクノロジーを使って昨年リリースされたザ・ビートルズの「最後の楽曲」、“Now And Then”をライヴで演奏している。2023年11月にリリースされた“Now And Then”はジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、ポール・マッカートニーの4人が参加した最後の楽曲と評されている。
ポール・マッカートニーはYouTubeでリハーサルの映像も公開しており、“Now And Then”のミュージック・ビデオの映像が一部登場していることが明らかになっていた。また、現地のサウンドチェックでも“Now And Then”が演奏されていた。
“Now And Then”のリリース時、『NME』はアップル・コアのロンドン本社を訪れて、ザ・ビートルズ最後の新曲と言われた楽曲を検証している。
「ジョンを失った時、僕らは終わりだと思った」とポール・マッカートニーはドキュメンタリーで語り、生身の人間による再結成が可能だった時代を振り返った後、「でも1994年、驚くべきことに興味深い機会が訪れた」と続けている。
その時、オノ・ヨーコはジョン・レノンのデモが収録されたカセットテープを渡し、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ジョージ・ハリスンはそこから可能なものを救い出し、仕上げることになった。
そのうちの2曲、“Real Love”と“Free As A Bird”は『ザ・ビートルズ・アンソロジー』の一部としてリリースされることになった。3曲目はジョン・レノンの声とピアノの録音の質が悪く、復旧させることができなかったとされている。リンゴ・スターが言うように「ジョンがある意味隠れてしまっていた」とのことで、「これでまた3人にとってジョンの不在が明確になってしまった」という。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』の監督であるピーター・ジャクソンが『レット・イット・ビー』の制作過程を追った長時間のドキュメンタリーを作ることになるまで、“Now And Then”はお蔵入りすることになった。ピーター・ジャクソンの言う「機械学習」の技術を使うことで、まるで魔法のようにチームは楽器とヴォーカルを分離し、個々の会話に焦点を当てることができるようになり、史上最高のバンドに間近で迫ることができるようになった。ドキュメンタリーで使えるくらいなら、最後の楽曲のためにジョン・レノンの声とピアノを復元するのはまずいことだろうか? ショーン・オノ・レノンはそうは思わなかった。「父は喜んでくれたでしょう。父は録音技術について躊躇しない人だったので」
ポール・マッカートニーは今回再開された「ゴット・バック」ツアーでマンチェスターでの2公演とロンドンでの2公演を行う予定となっており、ポール・マッカートニーによるUKでの公演はグラストンベリー・フェスティバルでヘッドライナーを務めた2022年以来となる。ロンドンでの公演は2018年以来となり、マンチェスターでの公演は2011年以来となっている。
また、ザ・ビートルズはアメリカ進出から60周年を記念してアップルTV+で『1964』というタイトルのドキュメンタリーが公開されることが明らかになっている。