ドリーム・シアターのドラマーであるマイク・ポートノイは有名ドラマーが相次いでバンドを去る状況になっていることについて冗談交じりに「誰も安全ではない」と語っている。
2010年に脱退したドリーム・シアターに昨年復帰したマイク・ポートノイはティム・ハイデッカーのポッドキャストの最新回に出演している。
ここでマイク・ポートノイはジョシュ・フリーズがフー・ファイターズを離脱したこと、ザック・スターキーがザ・フーを離れたこと、ジェイソン・ボーナムがサミー・ヘイガーのバンドから外れたことを振り返っている。ガンズ・アンド・ローゼズがフランク・フェラーと「友好的」に別れて、後任をアイザック・カーペンターが務めていることも話題に上っている。
「『スパイナル・タップ』的な陰謀論だと思っているんだ。誰も安全ではないよ。リンゴ・スターの息子がザ・フーから解雇されたんだからね」とマイク・ポートノイは語っている。
「ジョン・ボーナムの息子もサミー・ヘイガーのバンドから解雇された。つまり、リンゴやボンゾの子孫でも安全ではなかったら、誰も安全ではない。ジェイソン・ボーナムは数ヶ月前、昨年夏のツアーで離れることになったんじゃなかったかな」
マイク・ポートノイは次のように続けている。「クレイジーというしかない。クレイジーそのものだよ」
マイク・ポートノイは2022年に亡くなったテイラー・ホーキンスの後任としてフー・ファイターズのドラマーを務めたジョシュ・フリーズについて語っている。「率直に言ってショックだったよ。ジョシュ・フリーズはパーフェクトだと思っていたからね。だから、恐ろしいよ。ドラマーにとっては恐ろしい時代だね」
ジョシュ・フリーズに代わってテイラー・ホーキンスの息子であるシェイン・ホーキンスがフー・ファイターズのドラマーを務める可能性についてもマイク・ポートノイは言及している。シェイン・ホーキンスはテイラー・ホーキンスの追悼コンサートでフー・ファイターズとも共演している。
「でも、指摘したように有名なドラマーの息子であっても安全じゃないんだ。関係ないんだよ」
テイラー・ホーキンスの息子であるシェイン・ホーキンスはチェヴィ・メタルが行う今夏のツアーに参加することも明らかになっている。
ザック・スターキーがザ・フーと袂を分かつことになった件についてマイク・ポートノイは次のように語っている。「映像を観たかどうか分からないけど、ザック・スターキーの一件が始まったのは先月やったロイヤル・アルバート・ホール公演からなんだ。ザ・フーは“The Song Is Over”を披露したんだけど、2つ目のヴァースにロジャー・ダルトリーが早く入ってしまって、演奏を止めて、ドラムのミックスを理由に挙げた。ドラムの音がミックスを邪魔していると言ったんだ」
「ここで分かって欲しいのはザック・スターキーはエレクトロニック・キットを使っていたということだ。アコースティック・キットから既にダウングレードしていたんだよ。エレクトロニック・キットを使うということはヴォリュームなんかはサウンドの人間がコントロール可能ということで、もし何か問題があれば、モニターの担当者を解雇すべきで、ザック・スターキーではないんだよ」
マイク・ポートノイはドリーム・シアターのほか、他にも様々なプロジェクトに取り組んでいる自分の立場を心配していると口にしている。「いまや生活やキャリアのことを考えると恐ろしいよね。15のバンドに参加しているから、解雇される確率も15倍になる。今のところ、僕のオッズは非常に不利だよね」
ドリーム・シアターは今年2月にマイク・ポートノイ復帰第1弾となる通算16作目のオリジナル・アルバム『パラソムニア』をリリースしている。
昨年11月、マイク・ポートノイは妹が亡くなったことを知った30分後にライヴを行ったことが明らかになっている。
「クロアチアはザグレブの今夜の公演はこれまでで最も困難なライヴの一つだった」とマイク・ポートノイは述べている。「開演の30分ぐらい前に弟から電話をもらって、愛する妹のサマンサ・レオネ・カッタネオが亡くなったと言われたんだ」
「つらかったけれど、今夜の公演はやることになり、ジェイムズ・ラブリエが妹に“The Spirit Carries On”を捧げてくれた……この写真は今夜のものだ。この空中の光はサマンサのためのものだ。ずっと赤ん坊のように泣いていた。ジョン・マイアングがドラム・キットの傍まで来てくれて、ソロが終わるまで座っていてくれて、あれは大きかった」