ビートルズ、“In My Life”の作曲者について統計学を使って分析した研究結果が発表に

ザ・ビートルズの“In My Life”について、ポール・マッカートニーが曲を書いたというのは「勘違い」であり、実際はジョン・レノンによる作品だったとする新たな研究結果が発表されている。

“In My Life”はザ・ビートルズによる1965年発表のアルバム『ラバー・ソウル』に収録された楽曲で、当初はジョン・レノンの曲と見られていた。しかしながら、楽曲の作曲者についてはその後何年にもわたって議論の対象となっており、ポール・マッカートニーはリリースからおよそ10年後にラジオDJのポール・ガンバッキーニに対して次のように語っている。「ジョンがあの歌詞を書いて、僕がそれに曲をつけたんだ。あれは素晴らしい曲だよね」

ジョン・レノンは1980年に、ポール・マッカートニーが作曲のパートナーとして書いたのはミドルエイトとハーモニーだけだと語っていた。

今回、ハーヴァード大学で統計学の准教授を務めるマーク・グリックマンとダルハウジー大学で数学の教授を務めるジェイソン・ブラウンによる新たな共同研究によって、“In My Life”を巡る議論に一つの結論がもたらされている。

共同研究の結論としては、ポール・マッカートニーは同曲を書いたことについて「勘違い」をしており、統計学的に見ると、“In My Life”はジョン・レノンの作品のほうが遥かに酷似しているという。

“In My Life”の音源はこちらから。

彼らの分析によれば、ポール・マッカートニーが“In My Life”を作曲した可能性は50分の1以下の確率となるという。

「我々は、どちらが楽曲を作ったのかということを区別するために、データ分析の技術を用いてその楽曲で何が起こっていたのかを調べられないだろうかと考えました」とマーク・グリックマン教授は研究の目的について綴っており、研究は1962年か1966年にかけて書かれたザ・ビートルズの楽曲におけるコーラスの周波数やコード進行、楽譜などを分析したものとなっている。

「基本的な考え方としては、統計学的なアプローチを用いて楽曲の作家を確定させるために、様々なデータ構造の中に楽曲を当てはめてみるというものです。一つの色を、重さに応じて赤や緑、青といった構成している成分で分解すると考えてみてください」

「“In My Life”がポール・マッカートニーによって書かれた可能性は0.18%です。すなわち、基本的にこの楽曲がジョン・レノンによって書かれたものであることを意味しています。ポール・マッカートニーは勘違いしているのでしょう」

分析の結果、ポール・マッカートニーの書いたザ・ビートルズの楽曲は複雑で変化するものが多い一方で、ジョン・レノンの楽曲はほとんど変化がないことが明らかになったといい、2人は次のように結論づけている。

「ジョン・レノンの楽曲である“Help!”を考えてみてください」とマーク・グリックマンは続けている。「基本的には『When I was younger, so much younger than today』のように続きますが、ピッチはほとんど変わっていません」

「ほとんど同じ音に繰り返しとどまっており、音は僅かにしか変化しません。一方で、“‘Michelle”のようなポール・マッカートニーの楽曲を考えてみてください。ピッチに関して言えば、至るところで変化しています」

ポール・マッカートニーの代理人はポール・マッカートニーについてこの研究結果に関してコメントする予定はないと伝えている。

ポール・マッカートニーは先週、リヴァプールの由緒あるキャヴァーン・クラブで緊急ライヴを行っている。

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