J「Limitless」インタビュー

Jが4年振り、通算11枚目となるオリジナル フル・アルバム『Limitless』をリリースする。
LUNA SEA結成30周年、ソロデビュー20周年を超えた節目に、Fenderとのワールドワイドなエンドースメント契約を締結するなど、益々その活動に注目が集まる中放たれたアルバムには、Jがロックという無限の可能性を求めて作り上げた”今鳴らすべき音”が詰め込まれている。

自分の欲求に対して、忠実で素直にあること

-『eternal flames』から約4年、その時間軸をJさんはどう感じていますか?

本当にあっという間の4年間だったというのが、正直な感覚だね。『eternal flames』が10枚目ということもあって、自分自身の活動の節目をいろんなところで感じていたし、そういった中で、LUNA SEAとしても30周年を迎えるような節目もあって。自分がしてきたことをいろんな角度から見つめることができたし、そういったことが繰り返し続いていた4年間でもあるんだよね。

-Jさん自身の20周年もありましたし、1つ1つの活動で節目を感じるには、それまでにそのとてつもない時間を背負って続けていないとやって来ないわけで。そこには、Jさんの中に途切れない”何か”というものがあったわけですよね?

自分でも不思議なんだけど、その瞬間にこうありたい・こうしたいっていう自分の欲求に対して、忠実で素直にあることの連続が今に繋がっていってるような気がしていて。ある意味、ものすごい快楽主義なんだと思うよ(笑)。”求めることをやめない”っていうことに対して、疑問は何一つ浮かばないんだよね。簡単な話で言えば、ものすごい美味しいコーヒーを飲んだとして、そこで止まらなくて「これより美味しいコーヒーあるかな?」って、ちょっとでも探っていきたくなっちゃうことに近いんだよね。その連続で今がある感じがすごいしてるから、「とてつもない時間」って言われると、逆に緊張しちゃうよ(笑)。

- (笑)。”いろんな角度から見つめる”という部分には、続けてきたことで迎えられた節目に、新しい何かを得るためのきっかけのような要素がある気がしていています。

J

ありがたいことに、自分たちのような人種は作品を以って、自分自身がやってきたことを確認できるんだよね。今と過去を写真とかいうレベルじゃなくて、表現している全てのディテールが時間軸で繋がって測れるんだよ。そういったことを経験できるってなかなかないけど、だからこそ自分自身がどこまで進んできたか、どこに向かってどこに行こうとしてるのかみたいなものを、いつも突きつけられてもいるんだ。もしかしたら、ライヴも曲を作るときも、もっと言えばこういったインタビューも毎回毎回が節目であり勝負というか。そういった時間を過ごしてきているから、実際に時間だけで区切った節目っていうのは、あまり意味を持たなかったりするんだよね。ただ所謂、世間でいう節目というものに当てはめたときに「さあ自分はどうなんだろう?」っていう問いかけを自分自身で出来るんだろうね。

- 最近で言えばFenderとのエンドース契約は、ミュージシャン・アーティストとしてもですが、何よりベーシストとしてのチャレンジとも捉えられます。

まさにこういった節目が、自分自身に突きつけてくれたものだと思う。自分自身のベースやスタイル、ベーシストとしてサウンドも含めての挑戦は、まだまだこれからも続くんだっていう。もちろん、これまで作り上げてきた音やTVBが作った沢山の記録もあるけど、それを永遠にするのも俺自身なんだよね。そこから先に何もないかというとそうではないし、世界にまだまだたくさんある良い音たちを自分の中に取り入れて、今の自分自身を放てるような存在にならないと、ただ過去が色褪せてしまうよね。

- 様々な場面で、Jさんが”これが最後かもしれない”という思いで臨んでいる理由も頷ける話ですよね。常に可能性を追い求めることで、初めて未来に繋がるという。

その場所までいかないと、真理が見えてこないんだよね。何にでもリスクは存在するけど、それって得るものへの対価だと思うんだ。簡単に手に入れたものは、簡単に失くすし要らなくなるから。自分が欲しい物で簡単に手に入るものって、欲しくないんじゃないかなって。例えば、何かを手にしたりどこかの場所に立ってみたりすることが大変なことだったとして、「じゃあ、やめようか」って当然思う人もいる。でも、自分で選んだことにそういうリスクはあって当たり前だったし、昔からJってヤツはそういう物やそういう場所にしかドキドキしなかったんじゃないかな。

- ロックがJさんにもたらしてくれた、無限の可能性ですよね。

J

そう、ロック・ミュージックが与えてくれた刺激は、どこにもないものだったしそれほど崇高なものだったんだ。見渡せば、世界中にそういう刺激的な音がいっぱいあって、とんでもないヤツらがうごめいている。そんなすごい世界に足を踏み入れて、いろんなことを自分自身でも経験して、それを放ってみんなと共有していくことに限界はないんだよね。

- 今回のアルバムで題された『Limitless』には、そういった想いも込められているんですね。

まさにそうで、俺自身が感じたロック・ミュージック、ロックンロールは無限なんだよね。限界って、結局その人の思った場所でしかない。物理的なリミットはあるけど、イメージしたり求めることや思うことに限界はないでしょ?今回のアルバムを作っていくときに、そういう思いが初めて進む力に変わっていくような気がしたんだ。自分自身が追い求めていく情熱・熱量みたいなものはまだまだ更にその先があって、そこには限界はないんだと。それを聴いてくれたみんなに伝えたいし、一緒に共有して盛り上がりたいんだよっていうね。

- Jさん自身、これまでも体現して放ってきたことを敢えてアルバム・タイトルに題されたことは、尚も求めることをやめない所信証明のようにも受け取れます。

そうだね、もしかしたら「何カッコつけて言ってんだよ」って思う人もいると思う。でもね、イメージすることをやめないことっていうのは、次に向かう自分自身に対しての道標になっていくはずなんだ。目線ってよく言うけど、とんでもない世界を見てる人はとんでもない世界に行くんだよね。だとすればさ、見据えた先がいつもよりちょっと高めのイメージを持ったとしたら、世界中ものすごく変わっていくような気がするんだよね。もっと言えば、人間は想像する生き物でその想像力がなかったらさ、多分今ある日常の物も生まれてないんだよね。それって「何バカ言ってんだよ」って言われた、誰にとってもバカみたいな事を言った人が作っちゃったわけだから、その可能性ってすごくないですかっていうことだよね。

バンドとしてのカッコよさ

J

- この『Limitless』のアルバムアートワークには、その可能性のような表現もあったりするのかなと。安直ではないですけど、赤だったとしてもJさんらしさは出るけれど、そういった想いやイメージが詰まっている気がしました。

まさに。『Limitless』というタイトルを付けたときに、何もなくしたキャンバスの中に、聴いてくれた人が何を感じるのかなっていうものにしたいから、1番シンプルな真っ白にしたいと。それぐらい白い色が絶対的なイメージだったし、もしかしたら前のアルバムから繋がってるのかもしれないね。

- でも繋がりで言えば、アルバムの冒頭を飾る『the Beginning』からも繋がりを感じます。”永遠の炎”というキーワードから『eternal flames』、その炎自体は『PYROMANIA』からだとすれば、もはや炎を灯すプロのJさんからしたら、そういった連想は必然的だったのでは?

本当にね、そういうイメージで置いた言葉なんだ。1つのアルバムの物語を進めていく、開いていく扉としてはそのキーワードが必要だったというか。この4年間の時間を一緒に繋いでくれる言葉で、もっと言うと自分自身のキャリアも全部繋いでくれるような言葉がないかなと思ったとき、すっと閃いた言葉だったんだよね。1つのキーワードを探すのは結構時間はかかってはいたんだけど、このキーワードが降りて来たときにすごく腑に落ちて、ものすごい速度でいろんなイメージが始まったかな。

- アルバム制作あたって、『the Beginning』は最初の方にできた曲ですか?

仮タイトルでは『オープニング』って書いてるぐらい、この曲だなって思いながら作ってたし、曲のアイデアは初期の方にはあったんだよ。

- 制作のタイミングで、すでにアルバムの道標となるような存在になっていたんですね。

そう、それってすごい助かるんだよね。ずっとそういうものが頭の中にはあるんだけど、形にすることができない経験もしてるからね。当然、その4年間の中でいろいろな曲を書いているから、初期に書いた曲もあれば、アルバム制作作業の最終局面で出来上がった曲もある。そこに至るまでの自分の気持ちのセッティングとか、アルバム制作に向かうまでの自分に問いかけるようなことみたいなのは、その4年間の中で何度も何度も向き合ってきたから、いざ形にするっていうときには、もうその全ての儀式が終わって臨めた感じはすごくあったかな。

- そうやって『Limitless』に収められた楽曲は、敢えて”バンド”という言い方をしたいんですが、ロック・バンドとしてカッコイイ音が詰まっています。Jさん自身はLUNA SEAのメンバーでありながら、Jという”ソロ”ではなくあくまで”バンド”で熱量を惜しみなくサウンドに乗せていると感じます。

1

2