力強い歌で、ポリープ切除手術からの 復帰第1弾ライブを成功させた ZIGGY

そのMCの流れで届けられたのは「BIRDS ON STRINGS」。森重がアコースティック・ギターを手に歌い上げるバラードは前半のハイライトの 1 つであっただろう。
“Ladies & Gentlemen, Mr. CHARGEEEEEE…!”という森重のシャウトに続いて、ドラム・ソロへ。

派手なルックスと派手なアクションでドラムを叩きまくる CHARGEEEEEE…。そして、CHARGEEEEEE…が“相方”と言う Toshi(b)をステージに呼び込み、ベース・ソロ・タイムへ。
ZIGGYではピック弾きと指弾きを交えたグルーヴィなプレイでライブを支える Toshi だが、このソロ・タイムではスラップや タッピングも見せ、驚かせてくれる。
リズム隊でのソロ終盤での CHARGEEEEEE…が叫んだ“これが今の ZIGGY のリズム隊だぜ!”という言葉には強い自信も感じられた。

後半は、再始動後の楽曲を中心に組まれたこともあり、今の ZIGGY をより強く印象付けることになったのではないだろうか。 ステージを左右に動き、拳を振り、全身で盛り上げていく森重、着実でいて個性も感じるプレイとコーラスで大活躍するカト ウタロウ(g)、そのカトウタロウとともにフレーズと多彩な音色で ZIGGY のロックン・ロールを彩っていく佐藤達哉(key)、 そして Toshi と CHARGEEEEEE…のリズム隊。
バンドならではの一体感、ZIGGY ならではの世界観が繰り広げられていく。
「踊らされたくないのなら」を終えての MC では、ニュー・アルバムの曲作りを進めて、日本全国にもっともっとロックン・ ロールを伝えていきたいと語ってくれた森重。
その決意表明に続いて、アコースティック・ギターを手にバラードの「君の笑顔より美しい花を知らない」を届けてくれた。
レポート冒頭ではポリープ切除手術の影響を感じさせないと記したが、最後の サビのハイ・トーンの伸びを聴いた時、手術がいい結果に結びついたなと感じられた。

また、この楽曲はリリースから 1 年半ぐらいだが、すでに ZIGGY の代表曲と呼んでも差し支えないほどにファンに浸透して いるのではないだろうか? そして、そのことは ZIGGY が自身の過去の名曲に頼ることのない、現在進行形で名曲を生み続 けているバンドである証しにもなっていると思う。

本編最後はアルバム『ROCK SHOW』収録の「WONDERFUL FEELING」からシングル「ヒカリノアメ」収録の「MELODY」 という流れ。
これは、今年春のツアーの最終公演だった 5 月 24 日の Zepp DiverCity Tokyo の本編最後と同じだったのだが、ここにも最新の ZIGGY が最高であるという自負が表われているように感じられた。

アンコールでは、まずニュー・シングル「I STAY FREE FORVER」の話に触れ、森重は表題曲は「ここから消え失せろ」にし たかったが歌詞で“f××k”を連発しているからムリということになったと語り、軽く笑いを誘う。
その話からてっきりニュー・シングルがプレイされるのかと思いきや、流れてきたのは「君のままでいいから」だった。うんうん、新曲は 10 月 9 日まで楽しみに待っておこう。
そして、「君のままでいいから」を聴いているとグイグイと曲に引き込まれ、カトウタロウのソロ・フレーズも含めてアンコールでこの曲を聴けてよかったなと思わせてくれた。
2 度目のアンコールでは CHARGEEEEEE…のツー・バスで疾走感を煽る「TEENAGE LUST」から代表曲中の代表曲「I’M GETTING’ BLUE」へ!
観客の大合唱とともに、この夜の何度目かとなるクライマックスを迎えることとなった。 そうなると、メンバーが去ってもアンコールの声は大きくなるばかりだ。

ZIGGY

すぐに 5 人がステージに現われる。 そして、森重がこの曲の背景となった当時の新宿の話から“その曲を今、八王子でやります”と語り「TOKYO CITY NIGHT」 へ。続けざまに最後の最後に「GLORIA」をプレイ!!
森重と観客全員の歌声が会場を揺らして、ZIGGY 復帰の第 1 弾ライブは幕を閉じた。
そう、今夜は ZIGGY 復帰第 1 弾ライブだったのだ。
終わってみれば、全 29 曲、3 時間弱というヴォリューム、そしてグリッターでハード、そしてメロディアスな ZIGGY のライ ブという面では、いい意味で“復帰第 1 弾”というスペシャル感はなかったかもしれない。
それぐらい自然で、上り坂にいる近年の ZIGGY の姿を見せてくれたように思う。
さて ZIGGY の今後だが、10 月 9 日にはシングル「I STAY FREE FOREVER」をリリース。
そして、恒例となっている秋冬の 全国ツアーが行なわれる。そのツアーは全 26 公演と、ZIGGY 再始動後、最大規模のもの。 この夜、加速し続ける自分自身を証明した ZIGGY、その秋冬ツアーにも期待が高まるばかりだ。

ZIGGY 「ROCK’N’ROLL SINGER NEVER DIE」
2019.8.24 @東京オリンパスホール八王子
セットリスト

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