矢野顕子

矢野顕子 渋谷パルコ8階で「アッコちゃんとイトイ。」展『矢野顕子ミニライブ(イトイもいます)』開催

11月20日に92年発表の歴史的カヴァー・アルバム『SUPER FOLK SONG』、27日に80年代の代表作である『オーエスオーエス』と『峠のわが家』をアナログ・レコードでリリースした矢野顕子。約3年の時を経て再開業した渋谷パルコ内に、ほぼ日刊イトイ新聞が運営するスペース「ほぼ日曜日」もオープンし、その記念として糸井重里+矢野顕子の曲をテーマにした展覧会「アッコちゃんとイトイ。」が12月8日まで開催され、初日に矢野がミニ・ライヴを行なった。

矢野顕子

会場の「ほぼ日曜日」には糸井重里と矢野顕子がふたりで作った曲をイメージして制作された10人のアーティストによる作品が展示。深谷かほる×「春咲小紅」、鹿児島陸×「へびの泣く夜」、ヒグチユウコ×「SUPER FOLK SONG」、和田ラヂヲ×「SUPER FOLK SONG RETURNED」、松本大洋×「自転車でおいで」、三國万里子×「にぎりめしとえりまき」、なかしましほ×「夢のヒヨコ」、福田利之・Bonami×「ニットキャップマン」、福田利之「気仙沼においでよ」、増田セバスチャン×「ふりむけばカエル」による10作品に囲まれた空間で、約100名の観客を前にしたプレミアム・ライヴがスタートした。
まずは糸井と矢野が自分たちが作ってきた曲について振り返るトークから始まったが、何曲作ったかはおぼえていないよね、とふたりは口を揃えて言う。

矢野顕子

「死ぬまでには何とか1101曲作りたいと思っているんです。ぼくはどこかのタイミングでひとりで仕事をするスタイルに戻るような気がするんだけど、そのときに何をするかというと作詞をすることを決めている。そうすると、これから1000曲くらい作らないといけないんだけど(笑)」(糸井)
「まあ、1000曲くらい軽いですよ、私たちだったら(笑)。私と糸井さんのタッグはCM音楽を請け負って作ることからスタートしたんです。でも、そのうちCMとは関係なく作るようになっていき、できた曲はそのままアルバムに入るようになっていった」(矢野)
「そうそう。『自転車でおいで』という曲は、当初CM用の“自転車でおいでよ 僕の家はすぐそこだよ”という一節しかなかったけど、いいねと言われ始めて曲にしようかということで楽曲化されたこともあったりね。こうやって松本大洋さんに絵を描いてもらうと、21世紀の宮沢賢治になったような気がするよ(笑)」(糸井)

矢野顕子

ふたりの構えないスタンスと関係性がわかる軽妙なトークがひとしきり続いた後、キーボードの弾き語りによる矢野のライヴがスタートした。1曲目はPARCOとかつて同じグループであったことにちなみ、糸井が考案した西武百貨店のキャッチコピーを曲にした「おいしい生活」。軽やかに鍵盤を弾きながらふくよかで丸みを帯びた独特の歌声が空間をたっぷりと満たしていった。続いては「春咲小紅」。歌い出しでつまずくものの飾らないトークで笑いが起こり、より親密で距離感の近い雰囲気が醸し出された中で再びスタート。歌い継いできた年輪を刻む表現力と、当時と変わらないみずみずしさを共に感じさせる歌唱と矢野の天使爛漫な笑顔に観客も自然と笑みをこぼしていた。演奏後、「春咲小紅」の思い出を語る一幕も。

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