平岡恵子とスーパーバンドの融合、海の底バンドの自主企画<The Circle>はまるで“前例のない音楽会”

デビュー曲が今、楽曲タイトルを冠したスーパー・バンドで高らかに伸びやかに奏でられる光景は実にまばゆく感動すら覚える。そんな多幸感が満ちる中、本編が終了。アンコールはライブ前日に書き下ろした「The Circleのテーマ」でユーモア全開に今夜の全出演者の「あるある」エピソードを歌に乗せながら大いに盛り上がり、トロンボーンのSASUKEが飛び入り参加の一幕も。全編を通じてエバーグリーンからエキセントリック、エクストリームまで自在に行き来して、玉手箱が溢れかえって宝物が続々と飛び出すような、音楽の新しい扉が次々と開け放たれるような、まるで“前例のない音楽会”が幕を閉じた。

海の底バンド

「好きなことをやろう」、「素直になると近道ができる」―海の底バンドと<The Circle>についてそう語った平岡恵子。人間味のかたまりでありながら研ぎ澄まされた音楽性、枠や壁やボーダーなどそもそも持ち合わせていない自由な発想や音楽表現。自然体と高次元のアーティスト性を併せ持つ稀有なシンガーと、個性的かつ確かなセンスを誇る当代無双のミュージシャン達による真新しい音楽世界はこの海の底にある。また、「海の底バンドが稼働すると他の音楽現場が回らない」と言わせしめるほど強力布陣が揃ったバンドメンバーのステージングも特筆すべきで、希代のトップ・ミュージシャン達の博覧会、はたまたレアもの楽器フェアのようなそんな楽しみ方もあるだろう。音楽シーンにまたひとつ、ブックマークすべき存在が現れたことをリマインドしておきたい。

海の底バンド

文:上田優子
写真:三浦麻旅子

海の底バンド

平岡恵子(Vo/G)上田健司(B)名越由貴夫(G)中幸一郎(Dr)細海魚(Key)五十嵐慎一(Key)加藤哉子(Cho/Fl)吉田隆一(B.Sax)

ゲスト・ミュージシャン

佐藤タイジ(シアターブルック)・TIGER・稲泉りん ※安藤裕子は体調不良のため出演キャンセル

[セットリスト]
1. Theme For Imaginary Bremen
2. Bottom Of The Sea
3. 今日の人間
4. 待ってたい魔法
5. おっかない黄昏
6. 帰れない二人
7. アイム・セクシー(Da Ya Think I’m Sexy)
8. I Would Die 4U
9. SPARKLE
10. White Rhythm
11. 粛々と
12. コーヒー猿
13. Time Of The Season
14. 青いトゲ
15. 三年間
16. あなたは海の底
アンコールThe Circleのテーマ

◆平岡恵子/海の底バンド オフィシャルFacebookページ
https://www.facebook.com/hiraokakeiko20th/
◆海の底バンドTwitter
https://twitter.com/uminosokoband
◆平岡恵子と上田健司によるポッドキャスト『どくでんぱ』 ※毎週木曜更新
https://itunes.apple.com/jp/podcast/どくでんぱ/id1289574439?l=en

1 2

3

4