coldrain、2月開催の初主催フェス『BLARE FEST. 2020』、地元・名古屋が熱狂し伝説となった二日間のライブレポ公開

 「久しぶりの曲をやる、回れ!」と山中(Vo/G)は煽り、ダンサブルな「STARGET」を放つなど、終始お祭り騒ぎの熱狂を生み出したTHE ORAL CIGARETTES。「このステージ(「WATER STAGE」)、ほぼ外タレじゃないですか。こんなメンツ集めるのは凄いなあ」とMCを挟み、「カンタンナコト」では観客同士が肩を組んでヘドバンしたり、最後の「BLACK MEMORY」までフロアを焦がし続けた。

 MAN WITH A MISSIONは冒頭曲「Raise your flag」からシンガロングの嵐を吹かせ、百戦錬磨の手腕を遺憾なく発揮。鉄板曲「FLY AGAIN」で会場を束ねた後、「やばいフェスに呼んでくれて、ありがとうございます!」とジャン・ケン・ジョニー(G/Vo/Rap)は感謝の意を述べ、月9ドラマ主題歌となった「Remember Me」も披露。哀切なメロディと美しいコーラスが際立った曲調で歌モノの力を存分にアピールする。

 クレイジー過ぎるライヴが評判を呼び、3度目の来日にして初の名古屋上陸を果たしたのは米ロセンザルス発のFEVER333。coldrainも絶賛するバンドの一つで、この日も期待を裏切らない野獣パフォーマンスを叩き付ける。途中、ジェイソン(Vo)は上半身裸になり、モニターの上を飛んだり、機材用ケースに乗ってスケボーのごとく滑ったりとやりたい放題だ。ラスト曲「Hunting Season」に入ると、ジェイソンとステファン(G)はステージ両脇の鉄格子に猿のごとくよじ登り、ステファンに関しては天井近くで上空でギターをブンブン振り回すヤンチャぶりで初見の観客も度肝を抜かれたに違いない。

 そして、1日目のトリ前を務めたのはHEY-SMITHだ。「バンドキャリア14年、一番やばいライヴするぜ!」と猪狩(Vo/G)は気合いの入った言葉を投げかけ、「Endress Sorrow」でスタート。ヘヴィなリフと突き抜けるホーンの音色で、一瞬にして観客を狂乱の渦に巻き込んでいく。「California」で爽快な歌メロを響かせ後、「名古屋飛ばしって言葉があるけど、今日は世界の中心やな。こんなフェス、世界を見てもない!」、さらに「開催おめでとう!自分のことのように嬉しい。地元で最高のフェス、本気で感動してます!」と仲間のフェスを心から祝福する猪狩。みんなの記憶の中にこの曲がずっと残りますように、と言った後にプレイした「Summer Breeze」はとりわけエモーショナルだった。

18時38分にSEが流れると、1日目のトリを飾るcoldrainが遂に登場。午前11時からライヴ猛者たちのバドンを受け、どんなライヴを披露してくれるのか。「全員かかって来い!」とMasato(Vo)は告げ、「REVOLUTION」から鮮やかなスタート・ダッシュを決める。続く「ENVY」で2万人の観客がジャンプしているではないか。その光景を目の当たりにして、名古屋が本当に世界の中心ではないかと肌で感じた。「気づいたらかっこいいバンドしかいない。日本の音楽がどれだけ凄いのか、日本が一番ロックの最先端、それで組んだフェス!」とMasatoは熱く語り、さらに「毎年やって何が楽しいんだよってスタンスです。2010年に『BLARE DOWN BARRIES』というイベントを始めて、700人売り切れなかった。10年間で俺らの周りのバンドは何十倍もでかくなった」と付け加え、ラウドロックを掲げてきたおかげで様々なバンドやあなた(リスナー)と繫がれたと力説。その後に聴いたバラード「JANUARY 1ST」におけるMasatoの繊細な歌声はあまりにも美しかった。後半、「MAYDAY」でCrystal LakeのRyo(Vo)、続く「24-7」ではSiMのMAH(Vo)を招いて最高潮の盛り上がりを記録。そのままアンコールに応えると、「The Revelation」においてはCrossfaithのKoie(Vo)とHEY-SMITHのホーン隊3人が加わるスペシャル・バージョンで披露。爆音の中で鳴り響くホーンの音色は爽快で、フロアのあちこちでヘドバンやダンスが繰り広げられていた。もう1日目からとんでもない熱狂図を作り上げて1日目は終了した。

●DAY2(2020.2.2)

 濃厚過ぎた1日目を経て、2日目はどんなドラマが待ち受けているのだろうか。1日目に引き続き、「FIRE STAGE」、「WATER STAGE」を中心にレポートしたい。この日の「THUNDER STAGE」はAGE FACTORY、GOOD4NOTHING、NOISEMAKER、dustbox、NAMBA69、lynch.、SHADOWS、THE WORD ALIVEという顔ぶれが揃った。

 まず「FIRE STAGE」の一番手を務めたのはSURVIVE SAID THE PROPHET。「TRANSlated」が始まると、朝っぱらから耳をつんざく爆音を響かせると、Yosh(Vo)のキャッチーな歌メロで観客の心を鷲掴みにする。ラウド、ポップ、エレクトロ、R&Bなど多彩なジャンルを横断するハイセンスな音楽性が魅力的な彼ら。しかしながら、泥臭い日本語詞でシンガロングを巻き起こす「Bridges」もライヴで抜群に映えていた。「Pay money To my Painを連れ戻して、フェスをやってるcoldrain、頭上がらねえっす」とMCを挟み、「このシーンを大切にしましょう!」と熱く呼びかけ、トップバッターの役割をきっちりと果たす。

キュウソネコカミはFEVER333の「BURN IT」をSEに現れ、ロックでポップ、突如ダンサブルに急カーブする展開で観客を巻き込んでいく。オリエンタルなイントロを用いた「TOSHI-LOWさん」ではお約束のようにヤマサキ(Vo/G)はフロアで仁王立ちになった後、「DQNになりたい、40代で死にたい」においても好リアクションを得ていた。「音楽性は浮いてるけど、面白くて踊れて笑える、どんなバンドにも負けない!」と言い放ち、最後はご当地ソング「Welcome to 西宮」で締め括り、親密かつ荒々しい演奏を叩き付けてくれた。

 04 Limited SazabysのGEN(Vo/B)は序盤に「YON FES 2020にようこそ!」と自身のフェス名を叫びつつ、後半には「せっかく名古屋にこんなやばいフェスができたんだから、続けてほしい!」と同郷の先輩(coldrain)に対してエールを送り、「ちんちん(”非常に熱い”という名古屋弁)の状態でバトンを渡す」と言った後、「Feel」をプレイ。「夢を観てる まだ夢は続く ただ先へ進め」と最後に歌い上げる歌詞が胸に突き刺さった。

 続くMONOEYESは5曲目「Borderland」をやり終え、細美(Vo/G)はMCを挟む。「俺らの世代にとってはPay Money To my Painがいるのがとんでもなくデカくて、Kに久々に会えるのかなって。Kのバカ野郎に捧げます!」と告げた後に「Get Up」を披露。まるでKに立ち上がれ!語りかけているようであり、この場所で聴いた楽曲は特別な輝きを帯びていた。ラストは「My Instant Song」、「Border & Walls」とノリのいい曲調で大いに盛り上げてくれた。

1

2

3 4