冷牟田竜之 presents Taboo 15th Anniversary ~殺しの唄~

12月6日、恵比寿The Garden Hallにて「冷牟田竜之 presents Taboo 15th Anniversary ~殺しの唄~」が開催された。

本イベントは、昨年行われた「Taboo -Before the 15th anniversary “Smell of the blood”」に続く、Taboo15周年のイベントであり、さらに”入場無料”という、前代未聞の公演となった。

開催にあたり、いくつものコンテンツが用意されたのだが、改めて紹介したい。1つ目は、冒頭でも記述した”フリーイベント”であることだ。15周年に際し「より多くのファンと祝いたい」いう、冷牟田自身からのプレゼントとも言えるだろう。
そして2つ目はJ CROWD MUSICにて、冷牟田自身のバンドである「THE MAN」が、当日のライブをDSD でレコーディングするにあたり、クラウド・ファンディングを募った。結果として目標を大幅に超える約150%の達成率を誇り、「最高音質のライブレコーディング」を行うに至ったのだ。こちらの音源は、後日ファンディングしたファンに届けられることになる。

最後に3つ目は、この15周年に駆けつけた出演者たちであるだろう。
DJ陣は「沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)」「田中知之(FPM)」「Ken Ishii」からなる、超豪華な顔ぶれで、これらのアーティストが一堂に会すことはそうそうないはず。

バンド陣は浅井健一率いる「ROMEO’s blood(浅井健一、小林祐介 from THE NOVEMBERS、MASUO from BACK DROP BOMB)」と冷牟田自身のバンド「THE MAN」、ルパン三世テレビ版 ファーストシリーズの主題歌を歌った「チャーリー・コーセイ」をゲストヴォーカルに招いた「THE MAN with チャーリー・コーセイ LUPIN Special」だ。

長年、冷牟田の夢でもあったコラボレーションが遂に実現されるとあって、開催前からの反響が多かった組み合わせである。


MCは「WTF? What the Friday?」でお馴染みのFurukawa TaroとMike Rogers(マイクに至ってはサンタクロースのコスチュームで登場)が務め、「沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)」からスタートした。

普段のDJでは見られない、ロックverでの選曲のクリエイティビティに、会場を大いに沸かせる。
選曲された楽曲には、前後の整合性を遥かに超えた意外性があり、Taboo15周年を祝福するような跳躍力に溢れた時間となっている。”沖野修也”というアイデンティティは、このTabooというロック色の中でも打ち出され、オーディエンス全員を躍らせた。

続いて「田中知之(FPM)」。特筆すべきは、自身が手掛けたリミックスバージョンのSHEENA & THE ROKKETS”LEMON TEA”、東京スカパラダイスオーケストラ”美しく燃える森”、PE’Z”Hale no sola sita~LA YELLOW SAMBA~”をプレイ。
さらには先月、残念ながらこの世を去ったジョニー大倉が作詞を手掛けた”ファンキー・モンキー・ベイビー”まで、往年のロックファンを唸らせる選曲で会場を大きく揺らした。

そして、ホストである冷牟田竜之のバンド「THE MAN」の登場。伊藤隆郎のドラムロールから始まったステージは、ライブを中心に活動してきた彼らだからこその激しさ、そして楽曲毎に魅せる妖しさを放っている。

「みなさん、Taboo15周年〜殺しの唄〜へようこそ、爆発しよう!爆発しよう!」とアジテートする冷牟田竜之に共鳴するように、飯川賢・寺谷光はステージを縦横に動き、中村和輝は轟音のギターを鳴らす。会場は狂気に満ちた世界が作り上げられ、観客はその渦に引き込まれている。”Ghost Dog”ではステージ上で二本木潤が低音を激しく鳴らし、加藤洋平も弾き乱れる。青木ケイタがステージを降り、そのままフロアで盛り立てると、会場中で拳が突きあがった。
全11曲を披露した「THE MAN」は、大盛況の中「チャーリー・コーセイ LUPIN Special」への期待を会場に残し、ステージを後にした。

DJタイムに変わり「Ken Ishii」の登場。活動の場を世界に持ち、テクノ・シーンを牽引してきたライブはまさに圧巻だ。
DJブースとフロアの垣根がほぼないステージでは、プレイ中の手元が生で見れるとあって、多くのオーディエンスがブースを囲む。2013年で活動20周年を迎え、他のアーティストや異ジャンルの音楽ともクロスオーバー出来る、圧倒的な存在感でフロアを盛り上げた。

そして「ROMEO’s blood」のステージが始まる。未だ音源が発表されていない中、各音楽フェスティバル等でその衝撃と衝動を体感した人は、”ロックの持つスリリングさ”を改めて味わったはずだ。

”アメリカ”から演奏され、各々が持つ”血液”が交錯するように、ロックの新しい世界観を表現するステージは、唯一無二である。「We are ROMEO’s」とバンド紹介をする浅井健一が続けて、「今日はタダなのに来てくれてありがとう」とMCを取る。往年のファンなら気付いていた筈だが、約20年前の95年8月に「BLANKEY JET CITY 」が1万人を超えるファンを集めた、代々木公園でのフリーライブで浅井健一が放ったMCと同じだったのだ。そして、ベースに持ち替えた浅井健一が掻き鳴らすグルーヴは、小林祐介・MASUOとで新しく作られた”血液”が、脈打つ様に会場を巡った。全9曲を披露し、会場を染めてステージを後にした。

最後を飾るのは、本イベントの目玉とも言える「THE MAN with チャーリー・コーセイ LUPIN Special」。黒のスーツを身に纏った「THE MAN」のメンバーと、パーカッションで参加した松岡 matzz 高廣、ゲストボーカルに武田カオリを迎え入れる。

そして、チャーリー・コーセイと共に” Afro LUPIN”を演奏する。青木ケイタのフルートが妖しく響き、加藤洋平のキーボードが盛り立てる。
衰えることないチャーリー・コーセイの声から発せられるのは、まさに〜殺しの唄〜。冷牟田竜之のアジテートに、飯川賢・寺谷光が応える様に吹き鳴らす。「ルパンを歌って43年、THE MANと一緒に歌えて光栄です」と話す、チャーリー・コーセイに続けて演奏されたのは、中村和輝の軽快なカッティング・ギターから始まる” 闇を走る”。二本木潤のベースラインが、心地よいリズムを鳴らす。
“愛のテーマ””ワルサーP38”では、会場から歓声が沸き起こり「ルパン三世」の世界とオーセンティック・スカが溶け合った瞬間だ。武田カオリのコーラスが華を添える” I’m a Super hero”では、会場全体が揺れ、大歓声に包まれてステージは終了した。

そして「THE MAN」による” Misirlou”” GABBA GABBA HEY”を演奏し、イベントの幕は閉じた。
大盛況に終わった「Taboo 15th Anniversary ~殺しの唄~」。次に冷牟田竜之がこのTabooで起こすであろう”新たな創造”、それを期待せずにはいられない、圧倒的な破壊力であったことを付け加えておきたい。



-セットリスト-
#THE MAN
1. Erase Your Traces
2. Step On Gas
3. Rudies On The Law
4. James Bond Thema
5. The Man Still Standing
6. Good Gravy
7. GOZZILLA
8. Serenade
9. Charles Bukowski
10. Ghost Dog
11. BODY HEAT# ROMEO’s blood
1. アメリカ
2. コズミック
3. ブリスティールのフィードバック
4. 内気なフランケンシュタイン
5. ドリブル
6. ライフ
7. BAD CHELL
8. スマイルキング
9. GALAXY HEAD MEETING

# THE MAN with チャーリー・コーセイ LUPIN Special
1. in the Dark
2. Shot in the dark
3. Afro LUPIN
4. Yeah!! LUPIN
5. 闇を走る
6. 愛のテーマ
7. Cool Lounge
8. Gallop Samba
9. ワルサーP38
10. ルパンOP
11. I’m a Super hero
EC-1 Misirlou
EC-2 GABBA GABBA HEY

取材:2014.12.06
撮影:山尾 健太(Culture Geek)
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330