冷牟田竜之 presents Taboo 15th Anniversary ~殺しの唄~

普段のDJでは見られない、ロックverでの選曲のクリエイティビティに、会場を大いに沸かせる。
選曲された楽曲には、前後の整合性を遥かに超えた意外性があり、Taboo15周年を祝福するような跳躍力に溢れた時間となっている。”沖野修也”というアイデンティティは、このTabooというロック色の中でも打ち出され、オーディエンス全員を躍らせた。

続いて「田中知之(FPM)」。特筆すべきは、自身が手掛けたリミックスバージョンのSHEENA & THE ROKKETS”LEMON TEA”、東京スカパラダイスオーケストラ”美しく燃える森”、PE’Z”Hale no sola sita~LA YELLOW SAMBA~”をプレイ。
さらには先月、残念ながらこの世を去ったジョニー大倉が作詞を手掛けた”ファンキー・モンキー・ベイビー”まで、往年のロックファンを唸らせる選曲で会場を大きく揺らした。

そして、ホストである冷牟田竜之のバンド「THE MAN」の登場。伊藤隆郎のドラムロールから始まったステージは、ライブを中心に活動してきた彼らだからこその激しさ、そして楽曲毎に魅せる妖しさを放っている。

「みなさん、Taboo15周年〜殺しの唄〜へようこそ、爆発しよう!爆発しよう!」とアジテートする冷牟田竜之に共鳴するように、飯川賢・寺谷光はステージを縦横に動き、中村和輝は轟音のギターを鳴らす。会場は狂気に満ちた世界が作り上げられ、観客はその渦に引き込まれている。”Ghost Dog”ではステージ上で二本木潤が低音を激しく鳴らし、加藤洋平も弾き乱れる。青木ケイタがステージを降り、そのままフロアで盛り立てると、会場中で拳が突きあがった。
全11曲を披露した「THE MAN」は、大盛況の中「チャーリー・コーセイ LUPIN Special」への期待を会場に残し、ステージを後にした。

DJタイムに変わり「Ken Ishii」の登場。活動の場を世界に持ち、テクノ・シーンを牽引してきたライブはまさに圧巻だ。
DJブースとフロアの垣根がほぼないステージでは、プレイ中の手元が生で見れるとあって、多くのオーディエンスがブースを囲む。2013年で活動20周年を迎え、他のアーティストや異ジャンルの音楽ともクロスオーバー出来る、圧倒的な存在感でフロアを盛り上げた。

そして「ROMEO’s blood」のステージが始まる。未だ音源が発表されていない中、各音楽フェスティバル等でその衝撃と衝動を体感した人は、”ロックの持つスリリングさ”を改めて味わったはずだ。

”アメリカ”から演奏され、各々が持つ”血液”が交錯するように、ロックの新しい世界観を表現するステージは、唯一無二である。「We are ROMEO’s」とバンド紹介をする浅井健一が続けて、「今日はタダなのに来てくれてありがとう」とMCを取る。往年のファンなら気付いていた筈だが、約20年前の95年8月に「BLANKEY JET CITY 」が1万人を超えるファンを集めた、代々木公園でのフリーライブで浅井健一が放ったMCと同じだったのだ。そして、ベースに持ち替えた浅井健一が掻き鳴らすグルーヴは、小林祐介・MASUOとで新しく作られた”血液”が、脈打つ様に会場を巡った。全9曲を披露し、会場を染めてステージを後にした。

最後を飾るのは、本イベントの目玉とも言える「THE MAN with チャーリー・コーセイ LUPIN Special」。黒のスーツを身に纏った「THE MAN」のメンバーと、パーカッションで参加した松岡 matzz 高廣、ゲストボーカルに武田カオリを迎え入れる。

そして、チャーリー・コーセイと共に” Afro LUPIN”を演奏する。青木ケイタのフルートが妖しく響き、加藤洋平のキーボードが盛り立てる。
衰えることないチャーリー・コーセイの声から発せられるのは、まさに〜殺しの唄〜。冷牟田竜之のアジテートに、飯川賢・寺谷光が応える様に吹き鳴らす。「ルパンを歌って43年、THE MANと一緒に歌えて光栄です」と話す、チャーリー・コーセイに続けて演奏されたのは、中村和輝の軽快なカッティング・ギターから始まる” 闇を走る”。二本木潤のベースラインが、心地よいリズムを鳴らす。
“愛のテーマ””ワルサーP38”では、会場から歓声が沸き起こり「ルパン三世」の世界とオーセンティック・スカが溶け合った瞬間だ。武田カオリのコーラスが華を添える” I’m a Super hero”では、会場全体が揺れ、大歓声に包まれてステージは終了した。

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