THE STARBEMS interview vol.33

ー季節先取りとなる「JINGLE JANGLE SONG」ですが、これは詞先ですか?

日高:歌詞は後付けですよ。曲だけ先にあって、ドラムの高地がポップパンク好きなんで、モチベーションを上げてやろうかと。

高地:良かったっす。

一同:(笑)。

菊池:偉そうだな(笑)。

高地:曲ともポップパンクよりで、イメージとする曲を日高さんから教えてもらうんですけど、それもすごく良かったんで、これは力を発揮せねばと…。

ーモチベーションが上がったということですね(笑)。この楽曲はラウドさを一切失わないのに、どこか懐かしいメロにハンドクラップ・ベルと暖かさがもありつつ、バンドとしても新しいアプローチではありますよね。

日高:そうですね。ちょうど、マキシマム ザ ホルモンのダイスケはんとPUNKSPRING に行ってFALL OUT BOYを観たんですけど、そこで思ったのが、アメリカのパンクバンドも、二極化で言えば似たような状況でしたね…ゴリゴリかエンタメか、みたいな。お客さん側からすれば、どっちも楽しめるし、自分は両方とも好きだと言えれば、別に恥ずかしくない時代にはなっていて。 昔は、どっちかに寄ってないと敵対関係にあったけど、FALL OUT BOYみたいに”なんでもあり”なバンドもいるわけで、そこで自信を持って、ポップなことをやっても良いかなと。そういう中で、歌詞がクリスマスっぽくなったし、レコーディングの途中で鈴を入れようとか、思いつきでどんどん入れていきました。

ーハンドクラップもメンバー全員で?

越川:あれはみんなでやったよ(笑)。

菊池:アナログな感じで、データ上でなんてやってないですよ。

日高:秋葉くんが言うには「自分で叩いたのを貼っておきました」って(笑)。

ー小回りが利く部分ですね(笑)。

菊池:(笑)。それで言うと、歌入れ当日に歌詞を日高さんが持ってきて「クリスマスの曲になった」って言われたときは、びっくりしましたけどね。

越川:オレには見えてたけどね、「やっぱりな」って(笑)。歌詞が当日なのはいつものことで、47歳がギリギリまでやってこないんで(笑)。

日高:夏休みの最後の日まで、宿題をしないんで。一夜漬けパターンです。

ーそれでもやれちゃうのがTHE STARBEMSの凄さかなと。最後に「Anti-Rock’n’Roll」では、越川さんがエンジニアを務められたとのことですが、フィジカルで購入された人はびっくりすると思うんですよ。

越川:そうですね。これ、実は僕がドラムもやってるんですよ。

菊池:これ、言っていくの(笑)。

日高:隠されたストーリーがあってですね(笑)…、この曲を録る当日に、高地が手を怪我するというハプニングが起きまして。

高地:夜にレコーディングだったんですけど、その日の昼間に怪我をしてしまって。すぐ病院に行って、手を固定してもらってドラムを試したんですけど、無理でした。

山下:それで急遽、オレがキックとスネアのパターンを組んで。

越川:それに合わせて、オレがシンバルを叩くっていう。打ち込みなんで、逆に何をやってもありやなっていう汚し方にアレンジしましたね。最初は普通にやってたんですけど、打ち込み感が気になるし秋葉さんに寄せても面白くないから、とことん逆方向にしていきました。

機転の利かせ方が柔軟ですよね。それこそ、取りやめにすることも出来た筈ですし。

日高:結局、高地は一切参加してないの?

高地:コーラスは参加しました。

山下:そもそも、ドラムがダメになった時点で、この曲はなしにしようともなってたんですよ。

日高:そう。弾き語りとかも考えたんですけど、海外のメタルコアとか最近のパンクバンドとか「これ、貼って(音の継ぎ接ぎ)ない?」っていうのが多いんで。西くんからもオーダーがあったし、チャレンジしてみようと。

越川:スタートしてからは、みんなでそっちに振り切るようにしたんですけど、「言ってもうた、面倒臭い」って思いましたけどね(笑)。

菊池:シンバルを録るときに、手伝おうと思ってスタジオに来たんですけど、ヘッドフォンしながら西が一心不乱に叩いてて。飲みながらやったもんな。

越川:あれだけシンバルを叩いたことがないですし、誰よりもロックでしたね(笑)。

ー怒りのシンバル(笑)。それも奏して「Anti-Rock’n’Roll」の表現が、見事にハマりましたよね。

越川:ドラムはオレが叩いたと書いておいてください(笑)。

ー今回、新曲を届けるにあたり、無料配信と会場限定シングルのリリースとありますが、この経緯についてきちんと活字にしておきたいのですが。

日高:最初は、今年の後半をどう活動していくかという話が出たときで…普通にシングル・アルバムをリリースして、ツアー・ライブをするというルーティンから、どう回避してTHE STARBEMSらしさを出していくかという。そもそも、選択肢が多いし、CDからサブスクリプションに移行していく時期とも被ったけど、例えば「有料配信なのか?盤はそもそも作るのか?」とかをみんな悩んだし、メンバー間でも意見は割れたんです。そこで、西くんから「ゴチャゴチャ言わずに、タダで聴いてもらった方が良いんじゃないか」って言ってくれたことが、みんな腑に落ちたんですよね。

越川:僕自身も「シングルを出したところで、どこまで届くんかな?」っていう疑問があったんです。モノを売るということは、色んなことを巻き込まんとダメやし、色んなプロセスを踏まないといけない。だけど、それによってスピードが出せないジレンマもあったし、ミュージシャンとしてCDも売らないとダメなんですけど、それよりも「ライブに来てもらいたい」って考えが強いんですよね。どれだけダウンロードされても、ライブに来てくれなかったら、バンドにとっては致命的やし、生き物なんで、現場(ステージ)で音を鳴らしたいのが1番だから、CDの優先度は必然的に低くなって。確か、ボブ・ディランが「CDは過去のもので価値がないんだから」って言ってて、そうだなと思ったし。

日高:ボブ・ディランも現場主義だよね。

越川:元々そうやったと思うんですよ。ライブで演奏したものを家でも聴きたいからフィジカルが出来たけど、今は使い捨てになってるというか。だったら、使い捨てでいいから聴いてもらって、良かったらライブに来て欲しいっていう、単純なバンドの在り方を確認したかったのはありますね。

ー個人的には、違法ダウンロード万歳の時代に、逆にアンチというか。「違法ダウンロードしなくても、元々フリーだよ」って言ってるように思えて。

日高:そうですね。違法サービスがいっぱい増えてて、20歳くらいの世代って、ほぼそれを利用してるんですよね。結局はイタチごっこだし、先に無料にして手を打つことは、バンドとしても理にかなってるなと思いましたね。

菊池:そういう、今のバンドの方向性と結びついたのは大きいですね。だからこそ、西の提案にみんな納得できた筈なんで。

ーそれが、ライブへの入り口でもありますし、”Trick or Treat”に掛けられたツアータイトル「CLICK OR TREAT」の意味にも繋がっていくんでしょうか?

日高:ちょうどハロウィンの時期に周るし、ツアーを先に発表していたから、今回の無料配信を匂わせられればというタイトルですね。

ー前半はイベント出演が多かっただけに、現体制でもという部分も然りですが、久しぶりのツアーでは、フルセットのライブも堪能できる場所となりますね。

越川:そうですね。ありがたいことにたくさん呼んでもらえましたけど、イベントだと30分尺が多いので。

日高:35分くらいはやろうかと(笑)。

ーそれ以上は期待しています(笑)。また、対バン相手として、若手バンドからその地のバンドまで、幅広く組まれているのも1つの楽しみにもなりそうですね。

日高:これまでは、サウンドが違うバンドを選ばないようにっていう、変な気を遣ってたんですけど、この際、音が違っても単純に好きだったら呼ぼうって。そこでお客さんが混ざる・混ざらないをオレたちが気にしなくてもいいというか。

ーとは言え、混ざることに期待しつつ。

日高:そうですね。あと、さっきの役割の話ですけど、バンドに声を掛けたメンバーが連絡係になってて。例えば「挫・人間」は西くんが声を掛けたから、細かいやり取りをしてもらってたり、全てをメンバーで組んだツアーになっていますね。

ー今のTHE STARBEMSが提示した活動方法や、バンドとしての在り方を各地のライブで目撃出来るはずですので、是非見逃さないで欲しいですね。

日高:オレたち的にリスナーが固定化されてきている印象もあって、もっと幅広く聴いてもらいたいというのが、今回の配信の狙いでもあるんです。この無料配信が決まってから曲を作ったので、オレたちのモチベーションが開かれた状態を「FIGHTING FATE」と「JINGLE JANGLE SONG」に込めれたし、今までの曲との親和性も良いです。暗い曲をやっても前向きで、どことも被ってない活動が出来てると思うので、バンドメンバーの年齢層もバラバラですけど、「面白そうなおっちゃんがやってるなぁ」って、気になったら是非、ライブに足を運んで欲しいなと思います。


取材:2015.09.10
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330
撮影:Hiromi Morimoto

http://www.thestarbems.com/freedownload/

 

【ライブ情報】

◇10/10(土) 札幌Bessie Hall
OPEN17:30/START18:00
GUEST:ALL IN A NUTSHELL
INFO:SMASH EAST 011-261-5569◇10/12(月祝) 仙台PARK SQUARE
OPEN18:00/START18:30
GUEST:PULLING TEETH / ANCHOR
INFO:ノースロードミュージック 022-256-1000

◇10/24(土) 大阪Pangea
OPEN17:30/START18:00
GUEST:waterweed / THE→CHINA WIFE MOTORS
INFO:清水音泉 06-6357-3666

◇10/25(日) 名古屋CLUB UPSET
OPEN17:00/START17:30
GUEST:挫・人間 / and more
INFO:JAILHOUSE 052-936-6041

◇11/7(土) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
OPEN17:30/START18:00
GUEST:挫・人間 / THE→CHINA WIFE MOTORS
INFO:夢番地(岡山)086-231-3531 [平日11:00−19:00]

◇11/8(日) 福岡QUEBLICK
OPEN17:00/START17:30
GUEST:挫・人間 / STEP LIGHTLY
INFO:BEA 092-712-4221

◇11/14(土) 下北沢SHELTER<2Days>
OPEN17:30/START18:00
GUEST:TBA
INFO:クリエイティブマン03-3499-6669

◇11/15(日) 下北沢SHELTER<2Days>
OPEN17:00/START17:30
GUEST:TBA
INFO:クリエイティブマン03-3499-6669

全公演GUEST有り
全公演チケット代 ¥3,100(Drink代別)
チケット発売中!

 

【アーティスト情報】

WEB http://www.thestarbems.com/
Twitter https://twitter.com/THESTARBEMS/
Facebook https://www.facebook.com/thestarbems

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