中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015

2013年からの開催地となった中津川。核廃絶宣言をした街であるモニュメントが掲げられ、今日の野外大規模コンサートの先駆けともなった「全日本フォークジャンボリー」の聖地であったことは、もはや必然的に感じられる。また「フェスは未来の社会へのサンプルである」と語る佐藤タイジは、新たにフード全てに放射線量表示という、食の安全配慮を掲げる。人任せにしていたシステムを新しいマナーで取り戻すように、1つのフェスの在り方を提示した。そして「小学生(12歳)まで保護者の同伴に限り入場無料」「ママ応援プロジェクト」「親子で参加出来るワークショップ」 などのファミリー企画から、ソーラーワークショップ、アートパフォーマンス、青空ミュージックスクールの様々なアクティビティを展開。中津川ならではのプロジェクトと、自然豊かな岐阜県中津川市という立地を活かした、キャンプや自然を親しむコンセプトを打ち出した。
中津川での開催に際し、佐藤タイジはこんなメッセージを掲載した。
「新しい絆、新しいアイデア、新しいエネルギー、新しいマナー、勇気を持って一歩踏み出せば新しい道が見えてくるんだ。 「THIRD SUMMER OF LOVE」はもうここで始まっている。 さあ、勇気を持った右脳たちよ、中津川に集まれ!」

燦燦と太陽が照らす中、500枚を超えるソーラーパネルが並び、2日間に渡って開催された中津川での初年度は、大トリであるシアターブルックのステージが終わると同時に雨が降るという、もはや伝説の幕開けともなった。
続く、2014年には”WE AS ONE”を掲げ、総勢50組ものアーティストと、2日間合計15,000人のオーディエンスが、それを体験した。2年目の開催に際し、佐藤タイジはこんなメッセージを掲載した。

—太陽の力でお祭りをするのです—
去年よりも楽しいものにしたいし、去年よりためになるものにしたい。電源はもちろん、音のこと、食べ物のこと、アートデコレーションのこと、トークセッションのこと。去年よりもっと「PARTY」らしいものにしたいのです。去年より多くの世代、多くのジャンルの人が集まって太陽の力でお祭りをするのです。

—未来をたぐりよせる「PARTY」—
今年ももちろん100%ソーラー電源ですし、食べ物の放射線量表示ももっとわかり易くします。我々の思う未来をたぐりよせる「PARTY」にしたいのです。
ーWe AS 1 —
もっと新しいアイデアを積み上げましょう。もっと新しい友達を増やしましょう。やり遂げられる自分たちのイメージをもっとふくらましましょう。『We as 1』を合言葉に。

2年目の中津川でも、一切の雨に見舞われることなく”太陽”と”賛成運動”の勝利となった。


中津川での3年目となる今年は、当初「We’re gonna change」というコンセプトを掲げていたのだが、シアターブルックの最新アルバムのタイトルでもある「LOVE CHANGES THE WORLD」へと昇華した。その理由について、佐藤タイジは「ジャーナリストの後藤健二さんが亡くなった事件があったて、ただ変えるだけじゃダメで、何によって変えるのかが大事やと思ったんだよね。”暴力に対して暴力”という連鎖を望んでないんですよ。そこで、清志郎さんの”愛し合ってるかい?”という言葉が、日本のロックの宝であり財産なんだなって思えたし、もう1度その言葉を日本のロック・ミュージシャンは振りかざすべきなんだろうなと」と話す。
そして開催に際して掲載されたメッセージでも、いくつもの”愛”が伝えられている。

今、私たちは理性を保てているのでしょうか?
今まで私たちは「敵」をつくり「標的」となることで問題を解決してきたのでしょうか?
「敵」の本質とは「恐怖」です。「恐怖」による生産活動は新たな「敵」を必要とします。
「恐怖」は巨大化すると連鎖するのです。
でも「恐怖」では子孫繁栄しません。いつの時代も「希望」である子供が生まれ育つのは「愛」によってなのです。
かつて「愛と平和」(LOVE&PEACE)が叫ばれた時代がありました。
その時代も今と同じように「恐怖」が連鎖していたのです。その時、誰かがステージで叫びました。
「愛し合っているかい?」
そしてまた誰かが叫びました。
「ALL WE ARE SAYING. GIVE PEACE A CHANCE」

私たちはこの言葉にどれだけ支えられたでしょうか?
そう、私たちは明らかにお互いを支え合って生き抜いてきたのです。そしてこれからもお互いを支え合うのです。
だからこそ今もう一度「愛」を叫ばなくてはならないと思うのです。
「恐怖」を制圧する「愛」を叫ばなくてはならないのです。
今年でシアターブルックはデビュー20周年になります。
お祝いコメントをたくさんの方にいただきました。
この場を借りてみなさんにお礼をさせて下さい。
本当にありがとうございました。シアターブルックを続けてきて本当によかったと思います。 これからもギンギンにやっていきます。よろしくお願いします。
追伸
今年の中津川THE SOLAR BUDOKANでは次世代を担う子供から若者に向けた、 いろんなジャンルのワークショップを充実させようと思っています。
そしてもちろん今年も100%ソーラー電源&食品とエリア内空中放射線量表示をやっていきます。
「愛」で世界を変えましょう。

生憎の雨予報が続き、小雨の降る開催前日、岐阜県中津川市 田瀬小学校にて、佐藤タイジ、辻コースケ、うじきつよしによる”ソーラーパネル組み立て指導””パーカッション教室“”「もう一度世界を変えるのさ」 合唱練習”を行った。
ワークショップの拡充を公言していた通り、太陽光発電を中心とした自然エネルギーの普及啓発と環境教育を子供達に向け開催した。 また、小学校で制作したパネルと蓄電池は、中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015会場のEnjoy Solarブースの電気として活用され、中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015終了後に、田瀬小学校に寄贈されている。
開催当日、連日の雨と雨予報を見事に覆し、快晴の中津川THE SOLAR BUDOKANとなった。
今年は、シアターブルックの「もう一度世界を変えるのさ」の歌詞/コードを事前にサイト、来場者へ配られたパンフレットに掲載した。その理由について、佐藤タイジは「”LOVE CHANGES THE WORLD”のコンセプトには、ジャンルとか関係ないじゃん。ある意味、プラットフォームになれたアルバムで、曲もみんなが歌えるものになってる」と話す。そこには「音楽=平和」という、共通認識によって表現されたものだからだ。

シアターブルックによる最後のステージで、佐藤タイジは「どうもありがとう、太陽だけで出来ました!」と高らかに叫ぶ。
来年の開催を宣言し、2015年の中津川THE SOLAR BUDOKANは幕を閉じた。
“「愛」で世界を変える”ことを出演アーティスト、来場者、全ての集まった人々が愛を叫び、体感したはずだ。
中津川THE SOLAR BUDOKAN。この先、何かあっても続いていくはずだ。

“気に入ってんだ 太陽、音の良さを 賛成運動なのさ じゃまをするな”

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