佐藤 タイジ(シアターブルック)×和田 唱(TRICERATOPS)インタビュー vol.37

ーこうやって、同じ時間を過ごすようになったのは、最近になってからですか?

和田:先輩・後輩のエピック時代から、こうやって頻繁にお会いするまで割とブランクがあるんですよ。それ以降は、よく会ってますよね?

タイジ:ここ4、5年はそうだよね。やっぱ、震災以降じゃない?

和田:下北(3.11復興支援ライブ「LIVE FOR NIPPON Vol.11」)ですね。

タイジ:和田 唱に対しては、エピックの後輩というよりも、ミュージシャンの仲間同士として、今は一緒にやれることがたくさんあるぞってなれてるな。

ー当時としては、ここまで距離が縮むことを予想できなかったんですか?

タイジ:やっぱ、逆にエピック同士で近かった分、どっかで”ライバル”みたいな意識もお互いにあっただろうし、90年代の半ばのバンドマン同士って、そんなに仲良くなかったよ(笑)。

和田:今とは違いますね。当時の僕らも、今に比べたら人見知りで。今でこそ、コラボとかセッションをしてますけど、そんなのなかったですよ。

タイジ:そもそもない。マナーとして、”ロックバンド同士はピリピリしてるもんだ”っていう。

和田:フェスの雰囲気も全然違う。当時のお客さんは、僕らに興味のない人はおもいっきりシカトでしたからね(笑)。

タイジ:そうそう、冷たい(笑)。

和田:最近は、フェス自体を楽しもうとしてくれている人が多いから、温かい雰囲気になるし、今の方がフェスはいいですよ(笑)。そのくらい、昔はフェスがイヤでしたね。

タイジ:「アンタらを観に来てんじゃないから」っていうのが、あからさまだったからね。

ー(笑)。最近は、随分とピースフルなフェスが増えましたよね。中津川 THE SOLAR BUDOKANを主催しているタイジさんにズバリ伺いたいんですけど、皆勤賞でもある和田 唱・TRICERATOPSの魅力はなんでしょう?

タイジ:やっぱね、”暗くない”ってところなんですよ。もちろんね、唱にも俺にもあるんだけど、その部分で突破しようとしなくて、明るい部分で突破しようとしているところが好きだからさ。

ー端的に言うと、タイジさんと和田さんは”似た者同士”なんでしょうね。

タイジ:そういうトコあるっす。そこにミュージシャンとして腕も耳あって、信頼ができるよね。

和田:僕らも、例えば「戦争反対」とかのマイナスのパワーを売りにするのではなくて、「ソーラーエネルギー賛成」っていう、ポジティブなプラスのパワーを打ち出すことがタイジさんらしいし、共感するんですよね。「反対、反対…」っていうパワーを使うと、結果として引き起こしてしまうと思うし、そうじゃない「賛成」のパワーを使った方が、よっぽどみんなの気持ちを一つにできると思うんですよ。”太陽”と”佐藤タイジ”がすごくリンクしているし。

タイジ:だから、そこに唱がいることが自然なんだよね。

ー因みに、お互いで影響を受けたりしますか?

和田:まずステージを観ていても、エネルギーがすごいですよね。僕もそれなりに頑張るんですけど、タイジさんのギターの高音の行き方が違います(笑)。

ーチョーキングにまで滲み出てしまっていると(笑)。

和田:それを観たあとのステージは、僕も高音に行きたくなるし、前回の2マン(THE SOLAR BUDOKAN 2014 IN SHIBUYA Vol.1)以降に「レスポールいいな」って、実際に使ってます。

タイジ:唱はSG使ってたもんね。あのアンプも良いんだよな(笑)。

ー折角、前回の2マンのお話が出たので触れたいのですが、近年は頻繁に交流されていたにも関わらず、これが初だったのは驚きですね。

タイジ:確かにね。同じレーベルメイトだったこともあるのに、やってないわ。

ー前回では、「SUNSHINE OF YOUR LOVE」や「I shall be released」のカバーをお互いでされていましたが、2マンならではの楽しみとも呼べる「FEVER」 をタイジさんと共に演奏し、「もう一度世界を変えるのさ」をTRICERATOPSと共演するというのは、そういったカバーをすることとは違うのでしょうか?

タイジ:全然違うよね。カバーのときは、その楽曲に対して自分がどうできるかだけど、唱の書いた曲を俺と一緒に演奏するってなったら、もっと視野を広げている気がするよね。

和田:そうそう。タイジさんと一緒にやった「FEVER」がすごく良くて。それに馴染んじゃうと、自分たちのバージョンに戻ったときに、物足りない感じがしちゃうんですよね。そういう違う血が入ることで、それまでにない解釈ができたり、実際に取り入れられるしね。

タイジ:俺も唱がチョイスしてる楽器も機材良いなと思うし、だからこそ取り入れ合えたりできるんだろうから、お互いがすごく理解しやすいところにいるんだなと思うよ。

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