—「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」には、レコーディングシーンも収録されていますが、「eternal flames」を作り上げていく過程において、バンドメンバーもJさんのイメージと共鳴していることが伺えますね。
J:まずね、メンバーみんながすごくイメージをしてくれてたんだと思う。言葉にしなくても、俺たちがバンドとしてタフになっていないと、次のフェーズには行けないことを解っていたと思うし。Scott Garrettもmasasucksもごっちん(Kazunori Mizoguchi)も、前のアルバムやツアーを一緒に周っているし、次に向かいたい場所が見えていたと思う。まだ具体的になっていない曲を初めて聴かせてから、実際に表現してもらうまでも、すごく早かったよね。
—それが垣間見れるこういったシーンは、ファンにとってもすごく貴重だと思います。ライブのみならず、インタビューやドキュメントで構成された映像作品は、Jさんにとってどういった役割を担っているものとなるのでしょうか?
J:Jっていうヤツの全ての時間が、ガソリンとなって音に変わっていくわけだから、プレイをしてメッセージを発している世界へ、より近づいてもらえるものなんじゃないかなと。俺自身の中ではもう、ライブやレコーディングをすることが、特別なことではなくなってきているけれど、実はすごく特別な時間を過ごしていて、刺激的な時間も存在していることはわかっているんだ。そういうシーンを含めることで、あれだけ熱いサウンドが生まれたりするんだよなっていうのをわかってもらえると思うし、楽しんでもらえるんじゃないかなって。
—確かに、スタジオワークでのアイデアや閃きまでも映し出されていて、ステージ以外でのロックミュージックが生み出される瞬間を感じる場面が多いです。
J:いつも監督と作るときに話してるのは、「特別な時間の連続でありたいよね」って。まあ、特別過ぎて、映像に出来なかった部分もあるんだけど(笑)。でも、その全ての映像に収められた要素が、Jってヤツが作るサウンドに直結してるからね。
—すごく印象的だったのですが、“終わり”というフレーズを映像内で仰っています。例えば、LUNA SEAは終わりも始まりも経験しているバンドですが、Jさん自身はその決して悲観的ではない終わりを追い求めることと、続けていくことというのは表裏一体なのでしょうか?
J:”終わり”っていうものは、それこそ俺がベースを持ってバンドを始めようと思ったときから、いつもそこにあった気がするんだよね。 その当時から「天下を取ってやる」って燃えている俺と、同じだけ比例した「逃したら、その先はないんだぜ」っていう闇みたいなもの。そこには”やりきる”っていうことが本当の意味で含まれていてさ。始めることっていうのは、常に終わりってものもスタートするって思ってるからなんだ。10枚目のアルバムを出せたり、今回の映像作品も出せたことも、全ての始まりであり終わりだと思うんだよね。
—なるほど。やりきった結果として、「eternal flames」が生まれ「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」が残せる。でも、次の景色への道は始まりも終わりも存在しているから、またやりきっていくしかないし、やりきらないと辿り着けない。
J:まさにそうだと思う。俺自身ではやりたいことや手に入れたいことが当然もっともっとあるけれど、それに向かって走って行った先に、その景色がないかもしれない。もっと言えば、それ以上の景色が待っているかもしれない。それは、音楽をやる人間たちだけじゃなくて、みんなにも言えることだと思うんだ。今がつまらないんだったら、楽しい次を探しに行き、最高な次を捕まえに行く。それに向けての今だったりするんじゃないかな。
—そう伺うと「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」では、最高の足跡を残せましたよね。数を比べることが決して正しいわけではないですが、前作のツアーよりも確実にライブ数が多いのは、求める刺激や熱量が高くなっているからだと思うんです。
J:この時点での等身大の俺がギュウギュウに詰まった作品になったと思うし、ツアーもこのアルバムの曲をやり続けたくて、ワンツアーだけで終わらせるのは勿体ないなって思った。ここから先に見えてくる景色っていうのが、俺たちに取ってものすごい重要になると感じてたからね。ライブが終わった後にね、その景色がクリアになっていて欲しかったし、その先に繋がっていることを確かめたかったんだろうね。
—以前のインタビューで、「今現在ステージの上で演奏してても、会場にオーディエンスだったときの俺がいて、未だずっとダメ出ししてるんだよ」という風に仰っていたんですけど、その次の扉を開けるツアーファイナルでは、これだけ高い熱量や刺激を求めるJさんが会場で観ているわけですから、やりきらないと納得してもらえないかもしれないですね。
J:それは自分自身、今でもすごく感じる。同じことしてても、そいつは納得してくれない。やってきたからこそ、この年齢になり、自分のこのスタイルを持ったからこそ、さらにその次の場所に行くべきだろうってそいつは思ってるし。そこは全力で向かっていかないと、辿り着けない場所でもある。逆にそいつがいてくれてラッキーだね。この瞬間瞬間を燃やすのは他の誰でもなくて自分自身だと思うし、みんなもそうなはずだから。
—ファンの方もライブという空間にそれを求めているから、Jさんのライブを体感しに集まるんだと思います。
J:俺のステージや曲が、そういうきっかけになってくれてたら嬉しいよ。
—「- Live On Instinct -」「light up the eternal flames」そして「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」を経たことで、「TOUR the eternal flames FINAL はJさんが歩んできた道に対する情熱が詰まったものになるんでしょうね。
J:すごく密度が濃くなっていってる気がして、独自の世界になっていっているイメージを感じる。自分のスタイルを貫いていくことで、密度が濃いまま更にどんどん広がっていて、生まれてくるもの・響いてくるものを手に入れようとしているというか。そこでまた、新しい扉が出てくることにも挑んでいきたいと思うよ。今まで積み重ねてきた、ファンのみんなとのドラマもあるし、俺自身が突っ走ってきた時間の先端にあるものでもあるでしょ。当然、俺が求めるスタイルは、その瞬間の最大限のところを掴むことだし、それをやり続けてきたからこそ、この場所があったんだろうしね。
—8月に行われる「-Special 2 Nights-」では、DOOMとの対バンも控えていますし、やり続けることで待ち構える扉や、見えてくる景色というのが、やりきったことで1つ1つ辿り着いていくんでしょうね。
J:ホントそうだよね。昔では想像もしていなかったときが訪れるわけでしょ?それも俺たちが進んでいたからこそだと思うんだ。それを自分たちのガソリンに変えて、また突き進んでいく。それがロックンロールなんじゃないかな。
—近い将来で訪れる20周年の扉には、またこういった等身大のエネルギーが詰まった音や映像が放たれると思うと、楽しみです。
J:俺もその為に今を全力でやるよ。そのときに20年分の映像でも入れられたら、面白いかもしれないけど…大変か(笑)。
取材:2016.02.23
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330
Photo:Hiromi Morimoto
LIVE PHOTO by MASA at 2016.2.7 新宿BLAZE
CRAZY CRAZY V -The eternal flames-
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Blu-ray Disc CTXR-14907 ¥7.800-+TAXAmazonから購入
ライヴ
「J LIVE TOUR 2015~2016 – TOUR the eternal flames FINAL -」
2016年5月5日(木祝) 大阪 BIG CAT OPEN 16:00 / START 17:00
INFO: YUMEBANCHI 06-6341-3525 All Standing ¥5,300(税込・別途ドリンク代¥600)
2016年5月7日(土) 東京 EX THEATER ROPPONGI OPEN 17:00 / START 18:00
INFO: SOGO TOKYO:03-3405-9999 1F Standing ¥5,300(税込・別途ドリンク代¥500)
「J Birthday LIVE 2016 -Special 2 Nights-」
2016年8月11日(木祝) 東京 赤坂BLITZ (Special Guest: DOOM) OPEN 17:00 / START 18:00
INFO: SOGO TOKYO 03-3405-9999 2016年5月28日(土) チケット一般発売!!
2016年8月12日(金) 東京 赤坂BLITZ (F.C.Pyro.限定ワンマン) OPEN 18:00 / START 19:00
INFO: F.C.Pyro. 03-5759-1488
Jオフィシャルファンクラブ会員限定の公演となりますので、プレイガイドでのチケット発売はございません。
チケット料金:¥5,300(税込/ドリンク代別)