—「こいつとやりたい」っていうのが強い。
─今のTEARS OF THE REBELを観ていてありえない話ですが、それこそ「ユニットでやろう!」とか思わなかったですか?
MURASE:それは流石になかったですね。いきなりガンズからB’zだとね(笑)。ドラムは、サポートの人に繋いでもらって。先にベースのYOSHIPONが入るんだけど、オレは昔から知ってる存在で、町田界隈の同じ世代。正直、連絡を取るような仲でもなかったんだけど、お互いの存在は知ってる感じで。たまたま、KOJIがYOSHIPONと別のところで知り合って、結構TEARS OF THE REBELのことを気に入ってくれたみたいで「やりたい」って、自分から手を挙げてきてくれた。もうひとりのギターのUcchyは、元々TEARS OF THE REBELのスタッフ的なことをやってて。すごい近場にいたんだけど、実はそんなにバンド経験があるわけでもなかった。それでも、ギターを弾けるし、当初と変わらずフレッシュな若い空気感とかを持ってるヤツを入れたかったって流れですね。最初はすごい緊張してたけどね(笑)。
─このメンバーの中でやるなら誰でもそうですよ(笑)。
MURASE:でも一番頑張ってついてきてるし、最初はスタッフだったかもしれないけど、バンドに入るっていうのは、ある意味”持ってるな”って思いますね。
─80〜90年代だと、所謂ローディーから始まってっていうのが当たり前にあったことですし、それに近しい感じがしましたね。
MURASE:やっぱり人在りきだし、「スゲエ巧いからアイツを入れよう」って発想にはならないし、「こいつとやりたい」って想いが強い。そういう意味では、今風に言うとUcchyは”持ってる”んじゃない(笑)?
—単純に新しいこととかフレッシュな気持ちで臨めることを欲していた
─現メンバーでの初音源が「MM/CD」として放たれました。
MURASE:そうだね。バンドとしては、気持ち的にも一旦リセットしているタイミングで、今のメンバーとで新たなスタートって感じが出せたかな。
─「MM/CD」を経て、1年半振りとなった「DISSIDENT」ですが、あまりにもバラエティに富んでいて。様々な表情の楽曲を生み出していったのは、バンドとしての欲求からなのか、それともチャレンジ要素としてなのでしょうか?
MURASE:オレ個人としてもバンドとしても、持っていたキャパシティ的には全然やれることだったんだけど、今までのアルバムは所謂”シングル”と言える曲を全部入れようという感じだった。例えば、今回収録しているバラード的な曲も今までにネタとしてはあったんだけど「それ、今は必要じゃなくない?」っていう判断だった。
─そういった楽曲を敬遠していたというより、バンドの勢いという面を考慮したとき、時期尚早という判断だったのでしょうね。
MURASE:そう言えると思う。ライブでもそんなにやらなかったし、音源にもしてこなかったのはタイミング的な方が強い気がするね。
─となると、チャレンジでもなければただの欲求でもない、”TEARS OF THE REBEL節”の幅を広げる為に、その引き出しを開けた感じがしますね。
MURASE:「KILLS ZERO」「MM/CD」を出して、そのまま同じことをしていたら、ぶっちゃけ飽きるからね。そういう意味では、単純に新しいこととかフレッシュな気持ちで臨めることを欲していたのかもしれない。
─しかもメンバー全員が?
MURASE:もちろん。メンバーが全員がカッコイイと思える”TEARS節”になれば何でもあり。それがハードだろうがメロウだろうが全然OKなんだよね。
─では、今回収められた楽曲は、引き出しにあったネタから厳選していったのですか?
MURASE:いや、実は何曲もデモを作って、たくさんある中からふるいに掛けてっていうことは、そんなにしていなくて(笑)。「これを入れよう、あれを入れよう」って、決め打ちで仕上げていった。
─なるほど。今回の要素はバンドとして持ち合わせていたけれど、それを制作するにあたっては、ストックからではなく書き下ろしだったんですね。
MURASE:ただね、インディーズバンドなんてリリースの期限なんか無いから、逆にどんどん決めていかないと、ズルズルと延びちゃうんだよね。今回の「DISSIDENT」は3枚目なんだけど、活動期間を考えたらガンズかX-JAPANぐらい、極端にリリース数が少ない(笑)。
─(笑)。
MURASE:そこは大物のノリで(笑)。だから少ないなっていう自覚もあったし、早く届けたいと思ってたから、本当は2015年以内に出したかったんだよ。ただ、書き下ろしていく過程でより良い楽曲クオリティを求めていくし、結果的にはレコーディングの制作期間がちょっと長引いちゃったりしたけど、7曲書き下ろして、3月のリリースになったんだ。
─実際の制作期間はどのくらい掛かったんですか?
MURASE:結果的に半年くらい掛かりましたね。ライブを想定してというより、今までやっていなかったことをやりたいって想いが強かったからね。